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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2809号 12月3日付
私たちの主張
 
所得税法第56条廃止の運動を
 高知県議会が10月10日、事業主と共に働く家族従業者の働き分(自家労賃)を認めない現行の「所得税法第56条の廃止をもとめる意見書」を全会一致で採択し、政府に提出しました。県議会としては初めてです。
  意見書では、「事業主の所得から控除される働き分は、配偶者は86万円、家族は50万円で、家族従業者はこのわずかな控除が所得とみなされるため、社会的にも経済的にもまったく自立できない状況となっている。税法上で同じ労働を青色と白色で差をつける制度自体が矛盾している」と指摘しています。
  財務省は、自家労賃を税法で認めない理由に、白色申告制度は営業経費か生活費なのか判別が難しいからとしています。青色申告制度で差別し、世帯課税するなど、営業に対する個人の労働の対価を一貫して認めようとしていません。
  しかし、02年の中小企業庁の委託調査でも、84・7%が「営業収支と家計の分離」をしています。また、中小業者のなかでも、パソコン記帳などで記帳は当たり前になるなど、財務省の回答は時代錯誤といえます。
  全商連婦人部協議会がおこなった、男女共同参画局や中小企業庁との交渉では、「所得税法第56条問題は、非常に重要な分野と認識、今後も引き続きやっていく」「所得税法57条で、定額になっていることも正当でなく、勤労報酬と考え、関係省庁と調整したい」と回答するなど、政府内でも一定の変化をつくり出してきました。
  事業主・家族従業者の働き分を認めないことは、下請け単価の引き下げや低工賃につながり、大企業による利益収奪の仕組みを温存させるなど、経済的にも大きなマイナスの役割を果たしています。
  家族従業者は、所得証明がないために、住宅ローンも組めず、保育所入所などでも不利になっています。
  中小業者に対する税法上での差別は、憲法で定めた法の下の平等(第14条)、両性の平等(24条)、財産権(29条)を侵しています。
  アメリカをはじめイギリス・ドイツ・韓国などでは、家族従業員の給与を事業経費として認めています。この世界の流れからも大きく遅れているといえます。
  いまや、「所得税法第56条廃止」は、自営業・農業・漁業者だけの要求ではなく国民全体の問題です。
  国・地方自治体への働きかけを強め「事業主・家族従業者の働き分を認めよ」「所得税法第56条を廃止せよ」の決議や意見書を上げる運動を広げていきましょう。
 
 
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