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  トップページ > 全国商工新聞 第2766号 1月22日付
私たちの主張
 
雇用ルールの破壊を許すな
  労働者がいくら働いても残業代が出ない「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度を導入する計画に対し、労働界、マスコミから強い批判の声が上がっています。対象となるのは事務・販売・技術・管理に従事する「ホワイトカラー」の労働者です。現在、労働基準法で規制されている1日8時間、週40時間の原則や、休日、休息、深夜労働などの規制から完全に除外する(エグゼンプション)ものです。
 導入を推進する側の日本経団連は年収400万円以上の労働者を対象にすることを要求しています。全国労働組合総連合(全労連)などでつくる労働総研の試算では、この制度の導入により残業代年間11・6兆円、1人当たり114万円の横取りになることを明らかにしています。財界は「自由度の高い働き方にふさわしい制度」としていますが、長時間労働削減への具体的手立てや残業代を払わない大企業への厳しい規制策などは示さず、総労働コスト引き下げが狙いであることはあまりにも明白です。厚生労働省は年収900万円以上を基準として法案を提出する構えです。対象は全労働者の0・4%、約20万人に限定されるとしていますが、まず制度導入ありき、年収基準は今後に変更という狙いが透けて見えます。
 大企業は現在、バブル期を上回るもうけを上げ、上場企業だけで204兆円もの内部留保をため込んでいます。これは、輸出に大きく依存した「景気回復」と、非正規雇用の拡大をはじめとした労働者の賃金引き下げと中小企業への単価引き下げ・コストダウン要請による経費削減によって生み出したものです。この上に、残業代も出ない働かせ方を合法化すれば、過労死さえ出る過密労働はいっそうひどくなり、労働者同士の連帯は損なわれ、働く職場のモラルも破壊されていきます。中小企業・業者の立場からも、このことを対岸の火事と見るわけにはいきません。労働者の賃金が毎年下がる状況のなかで、さらに多額の所得が失われることは地域経済に大きな打撃を与えます。また、権利のない働かせ方が広がることは、賃金の下落が公共工事の積算労務単価に直結するように、中小企業の権利を無視した取引を横行させることにつながります。
 いま必要なことは、労働者も業者も、人間らしい生活のできる労働ルール・公正な取引ルールの確立です。労働者と中小業者が力を合わせ、国民的世論を広げて、政府・財界の狙いを打ち破ろうではありませんか。
あんなつらいことは」と語っていました。
 
 
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