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  トップページ > その他の共闘 > 全国商工新聞 第3018号 4月9日付
 
その他の共闘
 

共同でTPPをはねのけよう! 空知でシンポ=北海道・空知

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会場に人があふれた空知TPPシンポジウム

 「アメリカの言いなりを許さず、幅広い共同でTPPをはねのけよう」―。野田政権が十分な情報開示もしないままTPP(環太平洋連携協定)参加に向け各国と事前協議を進める中、北海道岩見沢市では「空知TPPシンポジウム」(2月25日)が開催されました。360人が参加し、立ち見が出るほどの盛況ぶり。TPPへの参加は農業だけでなく、地域経済や暮らしが破壊されることが浮き彫りになりました。

 シンポジウムは空知民主商工会(民商)も加盟する実行委員会が主催。空知民商からは長谷川晃会長=美容=はじめ11人が参加しました。民商の「TPP反対」ののぼり旗が好評で、ステージに張り出されました。
 鈴木直道・夕張市長、高尾弘明・赤平市長、竹田光雄・由仁町長、椿原紀昭・栗山町長、戸川雅光・長沼町長、前田康吉・滝川市長、三好富士夫・南幌町長ら自治体首長をはじめ16人がメッセージを寄せ、29団体・個人が協賛するなど、各層・各界に共同が広がりました。
 韓国全国農民会総連盟のイ・チャンハン政策委員長は「韓米自由貿易協定(FTA)によって利益を得るのは1%の財閥、多国籍企業だけ。99%の民衆にいっそうの貧困をもたらす。食料自給率が43%から25%に落ち、今後10%を下回ると予想される」と実態を告発。FTA反対のたたかいの様子を伝えた上で、「TPPに参加すれば日本も韓国と同じ危機にさらされる」と警鐘を鳴らしました。

農業だけでなく暮らしも経済も
 日本共産党の紙智子参院議員は米国通商部が募集したパブリックコメントを紹介。「米国企業は自分たちの利益のために言いたい放題です。各分野で共同して、参加を阻止しましょう」と呼びかけました。勤医協芦別平和診療所所長の医師・舛田和比古さんは、TPP参加で医療・国民皆保険制度が破壊されると警告しました。
 長谷川会長は「韓国の現状を聞いて恐ろしくなった。TPP参加は農業だけでなく経済、暮らしを破壊することが分かった。反対運動を強めたい」と決意を新たにしました。
 民商は実行委員会への参加を理事会で議論。TPPに参加すれば農業だけでなく、民商運動でつくり上げてきた住宅リフォーム助成制度や地域振興条例、助け合いの共済も危機にさらされると議論に。実行委員会参加を決めました。
 実行委員を務めた河原敏治・岩見沢支部長(民商副会長)=和太鼓製造=と、会員で農民連の役員を務める富沢修一さん=農業=は毎日のように自治体や団体を訪問し、幅広い賛同を広げるため、尽力しました。

TPP交渉―危険な実態「コメも共済も開放」/露骨な要求強める米国業界

米国業界から米国政府に寄せられた要望(一部)

 「コメを例外扱いするな」「共済に関する法令、慣行を除去しろ」―。TPP(環太平洋連携協定)交渉参加に向けた日米間の事前協議を前に、大手企業・業界団体が米政府に要望した意見書で、日本の農業も共済も破壊する露骨な要求を寄せていることが分かりました(上表参照)。
 米国政府に寄せられた意見書は、米国生命保険協会、米国コメ連合会、ウォルマート、カーギルなど115件に上っています。この中で米国生命保険協会は「かんぽ生命と共済に関する競争歪曲的な政策…慣例を除去すること」を要望。全国生乳生産者協議会は「食品添加物指定制度に係る非関税障壁について取り組むべき」、米国コメ連合は「残留農薬に関し、リスクに比べて高くつく検査コストは萎縮効果をもたらしている」などと食品添加物や残留農薬の規制緩和を求めています。
 また、シェブロン社は「強力な投資保護の確保」として米国の投資家保護を名目に日本政府を訴える制度の構築を求め、小売産業リーダー協会は「小売産業間の価格差を生む効率的かつ談合的な流通ネットワークの改善」「日本における小売事業展開を妨げる貿易上などの障壁に取り組む機会になる」などとしています。

協議内容隠す政府間の交渉
 こうした米国内の企業・団体の意見は「米国政府の立場でない」としています。しかし、TPP参加・交渉入り9カ国(シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシア)は昨年11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議で「大枠合意」を発表。「関税・非関税措置の全面撤廃」が明記されており、日本がTPPに参加すれば、こうした要望が突きつけられるのは目に見えています。
 日本は野田首相が昨年11月「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と表明、9カ国との事前協議を進めています。しかしTPP交渉そのものについては、参加政府間の協議を秘密にする合意ができており、どのような協議が行われたのかさえ日本政府には知らされていないのが実態です。
 アメリカ流の市場原理主義を世界に押し付け、日本の農業、漁業、医療も地域も破壊するTPP参加を広範な団体の協力でストップをかけることが今、求められています。

全国商工新聞(2012年4月9日付)
   
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