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  トップページ > 全商連付属・中小商工業研究所 > 第16回全国商工交流会 > 全国商工新聞 第2903号 11月16日付
 
中小商工業研究所
 

パネルディスカッション


極める―技術・商売
中小企業の技術は公共財今後の発展の方向を議論

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極め続けようという姿勢が中小企業の発展につながるという認識をつくった「パネルディスカッション 極める」

 中小企業のモノづくりの展望について議論した「極める」。吉田敬一駒澤大学教授が「機械類の能力を最大限利用し、多品種少量生産している中小企業の高度な技術は社会の公共財。発展の方向を議論したい」と問題提起しました。
 パネリスト報告では、京都・匠の会の陶芸家である北村賀善さんが伝統産業と伝統文化はつながっており、「大量生産は標準化を求めるので、個性が消え、伝統や文化が生まれない」と少量生産の必要性を強調しました。
 金属深穴加工の大阪・不二新製作所の乙間英司さんは、金属の種類や作業法などのデータベース化によって作業能率を高めていると説明。中小業者の連携で、ノウハウを作れる技術者を育成することが必要と話しました。
 金属の傷を見つける非破壊検査を営む石川・阿戸孝博さんは、中小企業の技術、品質水準の限界を指摘し、企業間の連携や研修・学習を通じて継承した技術をさらに向上させる必要性を訴えました。
 兵庫・パワーエレメントコーポレーションの川島章男さんは、タイルを簡単に組み合わせられるパネル開発で特許を取得した経験を紹介。「特許は大企業に対抗する力になる」と訴えました。
 吉田教授は「中小企業が発展するには、モノづくりを極めることと併せ、経営のあり方も極める必要がある」とまとめました。


広げる―「環境」をキーワードにした挑戦
中小企業の技術は公共財今後の発展の方向を議論

 「環境」をキーワードにした「広げる」では、自然エネルギーを生かした製品開発や循環型地域・経済づくりをめざす中小業者、自治体の実践報告に注目が集まりました。
 日照時間が多いという地域特性を生かし、太陽光発電事業を市民参加型で事業化した運動(おひさま進歩エネルギー(株)代表取締役・原亮弘さん)、CO削減、森林整備、循環型地域づくりをめざし、地元製造業者の仕事おこしにつながっている(まき)ストーブ普及の活動(諏訪地方民商副会長・清水馨さん)、琵琶湖の水の保全運動から始まり、全国に広がった「菜の花プロジェクト」の活動(あいとうエコプラザ菜の花館館長・野村正次さん)など多彩に報告されました。
 また自治体でのとりくみとして、岩手県紫波町からは「木造住宅への補助やペレットストーブなど森林資源を生かした地域循環型経済と交流によるまちづくりを追求している」(紫波町産業部長・小田島栄太郎さん)ことが紹介されました。
 植田和弘京都大学教授は「環境を良くする活動は仕事おこし、人づくり、雇用創出にもつながっている。自治体との連携や事業資金をどう集めるかが課題。COを増やし続けてきた今までのまちづくりや仕事づくりを創造的に転換することが必要。成功しているところはチャレンジしている。それは楽しいことでもある」と指摘しました。


つくる―中小企業政策
自治体の振興策が不可欠主体的に切り開く経営へ
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第20分科会・フォーラム「京・職人の技」で実演された京・手描き友禅

 昨年秋以降のリーマン・ショックを機に、経営危機に直面する中で、自治体の振興策が不可欠であることをあらためて確認した「つくる」。
 鎌倉健大阪樟蔭女子大学教授が育て合う経済の担い手である中小企業こそグループ化・ネットワークを広げ、地域全体を視野に入れた取り組みをと強調しました。
 OKエンジニアリングの松永大さんがものづくりのグループ化を、大阪・布施民商事務局長の菰島克彦さんは東大阪市と八尾市の産業振興策を報告。「東大阪市では98年の長尾革新市政誕生後、全事業所を実態調査し、営業力をカバーするための相談や製品開発の支援をしている。職員も意識が変わった」と評価しました。また、八尾市でも実態調査を実施し、サポート支援センターを設置し産学官連携や異業種交流などを進めていると報告。今後の課題として「自治体間の連携と同時に、中小業者も変化に対応した経営が求められている」と強調しました。
 京都・西陣からは産地再生とともに歴史と文化、まちづくり、観光を融合させた「西陣・町ミュージアム構想」について報告があり、「織り額の開発、染め体験教室の開設、町屋を生かしたガイド、生産と販売を一体化してブランド化を図っている」など紹介しました。
 大阪府中小企業家同友会の河合篤さんは、中小企業憲章を求める運動とともに同友会の理念を発言。「経営者の責任を自覚し、従業員もパートナーとして信頼関係を築くこと。国民、地域住民と歩み、国際的な視野を身につけることの重要性」を語りました。

   
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