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全商連第48回定期総会
 
全商連第48回定期総会方針
用語解説

一章、開催にあたって


▼震災被災者への住宅助成
  阪神・淡路大震災を契機として、98年に制定された被災者生活再建支援法は、住宅本体再建への直接助成を否定するなど、不十分な制度でした。被災者を中心にした粘り強い運動が続けられ07年、全会派共同提案による改正が実現。被災住宅の再建に対する支援金の活用を可能にするなど、使い勝手を高めました。能登半島地震や新潟県中越沖地震などにも、さかのぼって適用されます。
▼低所得者向け住宅ローンの「マネーゲーム」
  金融のグローバル化政策の下、投機マネーが世界をかけめぐっています。
  アメリカで、所得の低い人を対象にした住宅ローン契約(サブプライムローン)が広範に結ばれ、ローン債権は小口証券化され、投機対象として次つぎに転売される形で、マネーゲームが広がりました。
▼投機による「経済かく乱行為」
  サブプライムローンは返済が困難な層への投機的な貸付を過熱させ、多くのローン契約が焦げ付きました。焦げ付きは、投資銀行や証券会社の損失だけでなく、投機の連鎖を通じて破たんを広げ、世界的な経済不安を起こしています。
  ヘッジファンド(投機的基金)や投資銀行は、経済不安を受けて低迷する証券市場から、原油や穀物取引などに大量の投機資金を移し、資源価格を急騰させています。
 

二章、中小業者を めぐる情勢の特徴


▼建築確認審査の画一的厳格化
  05年に発覚した耐震強度偽装問題(姉歯事件)を受け、改正建築基準法が07年6月に施行されました。姉歯事件の背景には、建築確認審査の民間開放や徹底した単価切り下げなどの問題があるにもかかわらず、書類審査の厳格化だけで対応しようとしたもので、計算プログラム等の実務準備が間に合わず、現場の大混乱を招きました。建築確認審査は滞り、住宅着工数は激減、「官製不況」といわれています。
▼単価たたきやダンピング・不当廉売も横行
  公共工事の談合事件に端を発した入札「改革」は、採算度外視のダンピング受注を拡大。下請け単価の果てしない買いたたきや消費税の値引き強要、大型店による原価割れ納入の強要など、大企業の中小業者いじめが広がっています。
  原価割れの安売りは、公正な競争秩序を乱すとして、独占禁止法が禁じていますが、「ルールなき資本主義」といわれる大企業のルール無視と横暴がまかり通っています。
▼アメリカ式の特異な経済・経営モデル
  日本では、「会社は労働者、顧客、取引先など、関係者全体に利益を還元すべきもの」と考えるのが一般的で、短期的利益より事業の継続が優先される傾向があります。
  一方、アメリカ式の考えでは、「会社は株主のもの」とされ、株主への利益還元があらゆることに優先されます。事業の継続や中身より、目先の株価を上げることが優先され、投機が横行します。
▼銀行・証券・保険間の業務規制を緩和
  金融庁は世界的な金融自由化の流れを無批判に受け入れて、日本の銀行を巨大投資銀行に変質させようとしています。07年9月には、銀行等の子会社によるファンド事業を解禁し、同年12月には銀行に証券や保険の販売を可能にするなど、銀行・証券・保険間の業務規制を全面的に緩和しました。
  銀行は、中小企業に資金を貸し付け、その育成を通して収益を得ることをやめ、貸付債権を「証券化」して短期間で転売し、その仲介手数料で稼ぐようになっています。
▼業界の秩序やルール破壊に歯止めをかける「業界指針」
  建設業ではダンピング受注や丸投げ、指し値発注が横行し、公共工事でも、設計労務単価は「下請契約等における労務単価を拘束するものではない」とされ、人件費が買いたたかれています。
  いま、取引適正化に向けたルールづくりは、各業界の課題になっており、国民の声に押され、政府は建設、自動車など10業界で「業界指針」(ガイドライン)を策定、さらに推進を図る方向です。
▼09年度の「基礎年金への国庫負担引き上げ」
  政府は、国民の要求に押され、09年度から国庫負担を2分の1に引き上げることを決めました。ところが政府・与党は、年金改善要求を逆手にとり、その費用およそ2兆円強を消費税の引き上げでまかなおうと、「年金財源のための消費税増税」宣伝を強めています。
▼大企業への特権的な減免税
  法人が受け取る一定の配当金は益金不算入とされ、総額2兆円超が課税対象となる収入から除外されています。
  連結納税制度では、決算時に関連子会社の損益を合算するため、赤字会社の損失で、課税対象となるグループ全体の利益を大幅に圧縮されます。
  バブルに踊った銀行救済のため、過年度の損失を利益に充当し法人税額を減らす制度も拡充され、大銀行が法人税を納めない事態が続いてきました。
▼「広域連合」まで使った強引な徴収
  「広域連合」は、複数の市町村が共同して、一括して事務を行う仕組みです。お互いに顔の見える市町村では強権的な滞納整理が行いにくいなどの口実で、徴収専門の「広域連合」を設立。市町村税や国保料(税)などの滞納徴収を委託する動きが広がっています。広域連合は差し押さえを前提に、住民を脅す厳しい徴収を行っています。
▼「公的サービスの制限条例」
  地方税や社会保険料などを払いきれない住民に対して、自治体サービスの利用を条例で制限する動きが出ています。
  北海道石狩市が、老人、一人親家庭、乳幼児などへの医療費の一部給付を制限するほか、複数の自治体が同様の条例をつくっています。
  これらは、憲法25条の保障する生存権を否定する制裁行政であり、大問題です。
▼札束で自治体を脅す事態
  自治体も参加する在日米軍再編強化の反対運動の広がりに対し、政府は07年5月、「米軍再編交付金」を創設。軍事訓練や施設建設の受け入れ自治体に、協力度合いに応じて交付金を配分するとし、配分先33市町を告示する一方、再編計画に反対の神奈川県座間市、山口県岩国市、沖縄県名護市などは除外しました。
  米空母艦載機の移転に反対する岩国市には、決定済みの市庁舎建設補助金35億円も中止する「兵糧攻め」を行いました。
▼自衛隊派兵の恒久法づくり
  テロ根絶を口実に、自衛隊のインド洋での米軍給油活動を定めた「テロ特租法」は、国民的反対の中で期限切れを迎え、自衛隊を撤退させました。
  しかし、政府・与党は「新テロ特措法」を強行成立させたうえ、1年以内の「派兵恒久法」制定を狙い与党プロジェクトチームを結成。民主党も国連決議による恒久派兵法案を提出しました。
  自民・公明・民主・国民新党の国防議員が「(派兵恒久法)制定は急務」との方針を確認、一気に進める動きも出ています。
▼新憲法制定議員同盟
  07年3月、改憲推進の超党派の国会議員により、自主憲法期成議員同盟を改称して結成されました。
  中曽根康弘元首相を会長とし、自民党から安倍晋三前首相、伊吹文明幹事長、谷垣禎一政調会長らが新顧問に。民主党からも鳩山由紀夫幹事長が顧問、前原誠司副代表が副会長に就いています。「対立」姿勢を装う自民、民主両党が、9条改憲という国の根本問題で同方向にあることを示し、改憲大連立の協議の場にもなります。
▼憲法改悪反対共同センター、「9条の会」
  「憲法改悪反対共同センター」は04年9月、憲法改悪反対の運動を国民的に推進するため、全商連、全労連、新婦人、民医連、農民連など、各階層の団体が参加し、国民世論の過半数の結集をめざして組織されました。
  「9条の会」は04年6月、改憲を阻もうと、著名文化人ら9氏の呼びかけで結成されました。地域や職場、建設職人、中小業者などあらゆる階層に広がり、その数は7000を超えています。
▼沖縄戦「集団自決」
  第2次世界大戦末期、沖縄は米軍上陸により、日本国内で唯一の地上戦を経験。日本軍の手りゅう弾配布、集団自決強要による県民犠牲も多数に上りました。ところが、文科省は07年度の高校教科書検定で「軍強制」の削除意見を明記しました。沖縄県民はこれに抗議し、11万人の大集会で政府に「歴史の事実を語り継ぐ」よう要求。文科省は検定意見を維持しつつ、「軍強制」記述を認めざるを得ませんでした。

三章、納税者の権利を守り、消費税大増税を阻止する国民共同を


▼全商連の「納税者の権利宣言」(第4次案)
  税金要求運動を通じて、その精神と到達点をまとめた税金に関する政策提言。1977年に第1次案を発表し、3度の改定を重ね、01年に第4次案を発表しました。
  憲法に基づき(1)生活費に課税すべきではない(2)大衆的な消費課税は廃止すべき(3)税金は能力応じて公平に負担すべき‐など6項目を打ち出しています。
▼3・13重税反対全国統一行動
  確定申告の提出の際に、税務署は横暴な税額つり上げを行っていました。これに抗議し、集団申告により自主申告を貫こうと、1970年から始まった運動です。
  その後、「生活費に税金をかけるな」など税制と税務行政の民主化を求める運動に発展。労働者や農民、年金生活者など、国民各層と連帯して、全国580カ所、18万人が参加する行動になっています。
▼消費税廃止各界連絡会
  消費税廃止の一点で共同できる団体、個人が団結し、消費税廃止をめざして運動しています。
  1987年1月に結成された「大型間接税・マル優廃止反対各界連絡会」が前身で、全国に2800を超える地域連絡会が結成され、売上税導入阻止に大きな力を発揮しました。
  中央連絡会には現在78中央団体が加盟するほか、全国各地に地域連絡会が結成され、宣伝や学習を進めています。
▼仕入れ税額控除
  消費税は、売り上げにかかる消費税から仕入れにかかった消費税を差し引いて納税します。仕入れ分の消費税を差し引くことを「仕入れ税額控除」といいます。取引を重ねるなかで2重3重に税金をかけないという、消費税の本質にかかわる仕組みで、仕入れ税額控除は当然の権利です。
  税務調査で、帳簿の未整備や不提示を口実に、仕入れ税額控除を認めない制裁行政は許されません。
▼「課税最低限」や基礎控除の引き上げ
  それより少ない所得であれば税金がかからない水準を課税最低限といい、所得税では基礎控除をはじめとする人的控除の合計にあたります。
  政府は、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されるよう、課税最低限を最低生活費が確保される水準にしなければなりません。しかし、現行の課税最低限は生活保護基準を大きく下回っており、引き上げることが必要です。
▼概算控除の制度化
  事業所得を計算する際、必要経費の実額控除は「正しい記帳」に基づく場合のみ認め、そうでない場合には必要経費の詳細を切り捨てた一部控除(概算控除)しか認めない制度の導入が狙われています。
  税務署が「正しい」とする記帳でなければ、罰則として経費を一部しか認めないということになり、納税者の権利を侵害し、税務署の横暴が助長されます。
▼所得税法56条
  労働の対価は当然経費であり、働き手が親族であっても変わりはありません。ところが所得税法56条は、個人事業主による配偶者と親族への対価の支払いを、税法上、必要経費から排除しています。
  個人事業主の所得から控除される働き分は、配偶者が年間86万円、家族が同50万円と低額で、家族従業者の社会的・経済的自立を妨げ、後継者不足に拍車をかけています。
▼「同族会社の役員報酬」
  税法上、社長の給与のうち給与所得控除額相当を会社の経費に認めない制度がつくられました。同族会社のうち、社長とその親族が9割以上を出資するなど、経営に占める親族の割合が高い一定の会社に、差別的に適用します。制度は06年4月から実施されましたが、「家族・親族経営への偏見・差別は許せない」との鋭い批判を受け、翌年から縮小を余儀なくされています。
▼収益課税方式
  固定資産税は、土地、家屋、償却資産の評価額を基準に賦課課税され、住宅や生業に欠かせない事業所か、投機目的の遊休地かなどの資産の利用形態や所有者の担税力が十分に考慮されません。
  収益課税方式は、こうした点を是正するため、資産の評価額ではなく、資産の使用によって実際に上がる収益に着目して固定資産税をかけようというものです。
▼事務権限配分に見合った税源移譲
  国、地方の仕事(事務)に必要な経費は1対2の一方、税収は2対1。そのため地方の仕事量に見合った財源が確保されるよう、国税を減らして地方税を増やすのが、税源移譲の本来の考えです。
  この間、国庫支出補助金、地方交付税の削減と同時に、所得税から住民税への税源移譲が実施されましたが、地方財政は、実質6兆円超削減でひっ迫しました。仕事量に見合った税源配分が必要です。
▼「道州制」
  政府・財界は、現行の都道府県を、10前後の広域行政区画(道と州)に再編・集約しようとしています。狙いは、社会保障などの政府の役割を縮小すること、大企業の要求に応えてより大規模な事業を行えるよう地方行政の規模拡大を図ること。住民自治を希薄化させ、福祉・住民サービスの後退につながります。
▼税務当局の質問検査権の限界
  税務職員が税務調査をするための権限を質問検査権といい、税法は「必要があるとき」に限り、所定の手続を経て、納税者に質問をしたり帳簿書類などを調べたりできると定めています。このことは、税務職員が調査をする際、調査が必要とされる理由を具体的に備えていることを要請します。「申告の確認」などあいまいな理由でみだりに調査することは許されません。
▼納税の猶予
  納税者や家族の生活を破壊することのないよう、本人の申請により納税を先送りする制度です。災害や風水害、落雷、火災、盗難、家族の病気、事業の廃止や休止、事業の著しい損失を受けた場合およびこれらに類する事情の際に適用され、猶予期間中、延滞税が減免されます。
  額賀財務相は国会で、現在の資材高騰被害なども対象になる旨、答弁しています。
▼生存権的財産の差し押さえ
  最低生活の保障、生業の維持、精神的生活の安寧の保障、社会保障制度の維持などのため、以下のような財産は法律で差し押さえが禁じられています。
(1)一般的差押禁止財産=生活上、従事する労働・作業上および社会生活上、欠くことのできない財産 (2)条件付差押禁止財産=生業の継続に必要な財産で、一定の代替財産の提供がある場合 (3)給与 (4)社会保険給付。
▼「租税回収機構」
  複数の市長村が共同で設置する徴収専門の特別地方公共団体につけられている名称で、「広域連合」や「一部事務組合」の形式があります。市町村税や国保料(税)などの滞納について、市町村からの徴収委託を受け、差し押さえを前提に住民を脅す厳しい滞納整理を行っています。
▼延滞税・延滞金の引き下げ
  国税を滞納した場合の延滞税、同地方税の場合の延滞金の利率は14・6%とサラ金並みで、非常識な高水準です。
  延滞税・延滞金が払いきれず、誠実な納税者の納付困難を助長する例が後を絶ちません。
  高すぎる延滞税・延滞金の利子は、大幅に引き下げるべきです。

四章、人間復権の経済社会をめざし、地域から危機打開の多彩な運動を


▼経済民主主義
「ルールなき資本主義」といわれている大企業本位の経済政策から転換した国民本位の経済政策のことです。この実現のためには、経済と生活に大きな影響力を持ち、国民・中小業者の生活と営業の権利を侵害する大企業の横暴を厳しく規制し、社会的存在にふさわしい責任を果たさせることが必要です。大企業を一方的に優遇している税財政、金融などの諸制度を国民生活の安定・向上のための制度に改革するとともに、公正な取引ルールに基づく自由な競争の下で中小業者が創意を発揮し、国民の利益に貢献します。
▼人間復権の経済社会
  今日の日本では「効率性重視」「国際競争力の強化」などの名のもとで、労働者は「派遣」として働かせられ、中小業者は単価たたきなどの不公正取引を強いられるなど、「ワーキングプア」状態が広がっています。人間の「尊厳」「生存権」をかけた国民の「共同と連帯」により、豊かな国民生活が保障されるよう、人間性も自然環境も破壊し続ける大企業依存型の経済社会の転換がめざされます。
▼商工交流会の運動
  中小商工業運動の実績を踏まえ、中小業者の実態・役割・運動を分析するとともに、大企業中心の政策に検討を加え、国民諸階層と連帯して中小商工業の多様な発展方向を探ることを目的とし、研究会・交流会の開催を中心に置いた運動です。製品をアピールする商工フェア・製品展示会、「料飲スタンプラリー」「商売を語る会」など、多様に発展しています。
▼「地域産学連携」
  大企業が生産を国外に移し、国内産業が空洞化する中で、地域を基盤にした中小業者(産)と大学など(学)が連携して、高度な技能・技術を生かした製品開発や仕事おこし、地域経済振興に努力する活動が始まっています。高専との連携や、商店街と商業高校などとの連携も行われています。
▼中小企業振興基本条例
  グローバル化が進展する中、産業や地域経済を再生するには、中小企業・自営業が元気になることが不可欠であり、その力が発揮できるよう環境を整えることが求められています。その方向性を定めるものとして、国では「中小企業憲章」、自治体では「中小企業振興基本条例」の制定を求める運動が広がっています。
▼改正「まちづくり3法」
  都市計画法、中心市街地活性化法(中活法)、大規模小売店舗立地法の三つの法律をいいます。06年5月の法改正で、都市計画法は大規模集客施設の郊外出店を規制し、中活法改正はコンパクトなまちづくりと中心市街地再生を支援することとなりました。現在、32市の基本計画が中活法の認定を受けていますが、都市間格差の拡大や大型再開発につながるとの懸念も生まれています。
▼公正な取引ルール
  原油高騰や円高で下請け事業者は一層のコスト削減圧力を受けるなど、不公正な取引ルールは、大企業と中小企業との格差拡大の原因になっています。大企業の横暴から中小企業を守るためには、下請法・独禁法の厳罰化や違反金制度創設など、法改正や運用強化が求められます。中小企業団体を独禁法の適用除外とし、適正な工賃・マージンに確保のため団結を保障することも必要です。
▼再生産費用を保証する積算単価
  下請け業者の時間当たり単価(工賃)は、10年間下がり続けています。東京・大田区不況打開実行委員会は「適正な利益を含み、従業員を世間並みに処遇」するには、時間当たり単価1000円の引き上げが必要と試算。総務省調査では製造業で後継者がいる事業所は23・8%にすぎず、技術・技能の継承も危ぶまれています。経営が持続可能な水準への単価引き上げは、緊急課題です。
▼公契約法の制定
  国際労働機関(ILO)は、国や自治体などが民間に事業を請け負わせる際、地域の平均的労働条件を切り下げる契約を禁じています(94号条約)。条約は下請けや孫請けの契約にも適用され、行政の基本姿勢を示すものとして世界58カ国が批准。日本政府は未批准です。
▼瑕疵担保保険
  新築住宅の構造上の欠陥等を補修する際の資力確保を、建設業者や宅地建物取引業者に義務づけた法律により、09年10月引き渡しの新築住宅から適用になります。供託金か保険かの選択になりますが、資力のあるものに有利に。供託金は10年間で戻りますが、保険料は1軒ごとに掛け捨てになり、地域の工務店や職人の淘汰につながりかねません。
▼後期高齢者医療制度の廃止
  政府は、08年4月から後期高齢者医療制度を実施、75歳以上を別枠の新たな制度に移行させました。「うば捨て山に追いやる」のと同じで世界に例のない高齢者いじめの医療制度です。保険料の年金天引き、自治体による特定健診の任意制、主治医制度や診療費の上限の設定など老人への差別が明らかであり、撤回しかありません。
▼最低保障年金制度
  中小業者が加入する国民年金は、40年間掛け金を払い続けて満額の給付を受けても月6万6000円にしかなりません。長引く不況で、保険料の滞納者が増加しており、無年金者は推定150万人ともいわれています。
  掛け金のいらない全額国庫負担の最低保障年金の創設が急務です。

五章、憲法を生かし、平和・民主主義を守る運動を


▼NPT(核不拡散条約)再検討会議
  NPTは、米、露、英、仏、中5カ国以外への核兵器拡散防止、核軍縮努力、原子力の平和利用を定め、190カ国が締約(日本政府は1976年)し、1970年の発効以降、実行に向けた検討会議が開かれています。
  95年には、条約の無期限延長と5年ごとの会議開催などを決定。00年には「核廃絶に向けての明確な約束」が結ばれましたが、05年は米・ブッシュ政権が実質的進展を阻みました。10年には、核兵器廃絶の道筋で合意するよう期待されます。
▼「非核日本宣言」の運動
  「核兵器廃絶の提唱」「非核3原則」(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)を、日本政府の原則的立場としてあらためて宣言し、各国政府に通告するよう求めています。日本原水協代表理事の沢田昭二・名古屋大学名誉教授、非核の政府を求める会常任世話人の中嶋篤之助・元中央大学教授の両氏が発起人となって呼びかけました。

六章、全会員参加の運動で、強く大きな民商・全商連の建設を


▼「制度学習大綱」
  全商連第39回総会第10回常任理事会で決定。新会員学習をはじめ幹部・活動家・役員や事務局などを対象にした学習など民商・全商連の学習体系を制度化したものです。
▼パンフ「私たちの民商」
  「民商はどういう組織か」などをまとめた小冊子。民商運動の歴史、中小業者の役割と民商運動、民商の組織と運営、「基本方向」と規約について、解説しています。
▼「基本方向」
  「民商・全商連運動の基本方向」は、21世紀にふさわしい民商・全商連運動のあり方、中小業者運動の展望を示しています。全商連結成以来の歴史のなかで試され、確かめられてきた理念、目的、運動の内容と、組織活動の方向を定式化し、92年の第39回定期総会で決定され、02年の第45回定期総会での改定を経て、今日に至ります。

七章、助け合い共済への規制を許さず、全会員加入を


▼「改正」保険業法
  04年4月成立、06年4月1日施行の「改正」保険業法は、「契約者保護」を主な理由に、団体が行なう自主共済までも行政庁による監督と管理下におく仕組みを導入するものです。いわゆる「マルチまがいの共済」を規制する目的で、検討が始まりましたが、「改正法案」作成の段階で、共済分野に参入を狙う日米の大手保険事業者の圧力で「助け合いの共済」に、営利目的の保険会社と同等の経営体制整備を迫るなどの変質が図られました。全商連は、同法の違憲性を告発し、保険医や障害者団体等とともに見直しを求めつつ、自主共済の適用除外を求める運動を広げています。
▼特定健診・特定保健指導の義務付け
  メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に特化した40〜74歳を対象とする原則有料の健診です。06年の医療制度改悪で後期高齢者医療制度とともに成立。原則無料の自治体健診を改悪し、国民の健康を守るための国や自治体の責任を放棄したものです。健診結果について、地域で改善がない場合、実施者(各医療保険)への罰則があり、国保の場合、保険料(税)値上げに跳ね返ります。75歳以上の健診は「努力義務」とし、治療・投薬を受けている人を外す指導がされています。
▼集団健康診断活動
  民商共済会は、中小業者の健康を守る活動を重視し、地域の病院の協力を得て、仲間が誘い合って健康診断活動に取り組んでいます。07年は、全国457の県連・民商共済会で取り組まれ、5万5679人が受診。要治療、要再検査が64%にも上るなど健康診断活動そのものが中小業者の健康破壊を告発するものになっています。
  全商連共済会は、すべての民商で、全会員を対象に、支部が主催し、班で誘い合って進めることを呼びかけています。
 
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