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  トップページ > 婦人部 > 全国商工新聞 第3029号 7月2日付

婦人部
 

所得税法56条廃止全会一致で請願採択

 所得税法第56条の廃止を求めて、全国の業者婦人・民主商工会(民商)婦人部が地元議会に働きかけるなど粘り強く運動を進め、請願採択をかちとっています。請願書などの採択は全国347自治体に広がっています(6月20日現在)。

3年前の否決乗り越え採択かちとる=長野・上松

 「56条廃止採択 ついに県内自治体過半数突破」―。長野県木曽郡上松町議会は6月16日、長野県連婦人部協議会(県婦協)が提出した「所得税法第56条の廃止を求める」請願書を採択しました。これで県内77自治体のうち39自治体での採択をかちとり自治体の過半数に。業者婦人の喜びの声が沸きました。
 木曽郡上松町では09年12月議会で否決されて以来3年越しの成果となりました。
 「今回は何としても採択を」との思いから県婦協と地元の塩尻民商婦人部とともに議員を粘り強く訪問しました。
 県婦協幹事会の中では「議員は『権利』という言葉を嫌う。請願の文章から外したら」「家族従業者の働き分を認めてもらうことは私たちの権利だから『権利』を外していいのか」「青色、白色申告の説明がきちんとできるようにしよう」など会議のたびに要請に対する議員の対応を出し合い、採択に向けて話し合いました。
 4・12国民集会で上京したときには、日本共産党の大門実紀史参院議員と懇談し、「青色、白色の議論ではなく『働き分を認めてほしい』という一点を強調したらどうか」とアドバイスを受け、請願書や資料の見直しをしました。
 6月議会に向けて、5月9日には、小野百合子県婦協会長=小売=と塩尻民商婦人部の竹原桂部長=アパート経営=ら3人が日本共産党町議を含む8人を訪問し、運動の経過や今後の取り組みについて懇談して活動の力にしてきました。
 採択の知らせを受けた小野会長ら役員は「一度、否決されたものが全会一致で採択されたことは運動の成果だ。県内の過半数を突破したことで大きな力になった」と語ります。
 県婦協では「県内すべての自治体に請願書を提出し運動を続けてきたことで婦人部が大きく成長した。議会に詳しくなり、陳情・請願なら婦人部に任せてほしいと胸を張れるようになった」と運動の確信を深め合いました。

理解求め粘り強く議員訪問=三重・明和

 三重県明和町議会は3月議会で、三重・松阪民商婦人部が提出した「所得税法第56条の見直しを求める」請願書を全会一致で採択しました。
 昨年11月議会に向け、7人の議員を迎えて56条の学習会を行い、川口幸子婦人部長=重機修理=と松井松美副部長=土木=が「一緒に働いている息子が住宅ローンを組めない」「保育園に入所しにくい」など業者婦人と業者青年の実態を訴えました。しかし、「青色申告にすればよいのでは」「人権問題とは別の問題なのでは」などの意見が出され、11月議会では不採択になりました。
 2月の役員会で「なぜ、不採択になったのか、理由を聞こう」と川口部長と松井副部長を先頭に、総務産業委員会の議員一人ひとりの自宅に訪問することを決めました。
 訪問先で松井副部長は「家族従業者の働き分が認められていないのは人権問題以外のなにものでもない」と訴え、疑問に答えられなかった時は事務所に戻り、事務局と相談して再度議員を訪問する粘り強い行動を3回、4回と繰り返しました。
 松井副部長は「何度も議員を訪問し、理解を得ることに苦労したけれど、運動に確信を持つことができた」。川口部長は「地元の部員の力が採択につながった」と喜びを語ります。

▼所得税法第56条とは
 自営業者は、配偶者とその他の家族が一緒に働いている場合、その給与は事業所得等の必要経費として認められていません。長時間働いても事業主の所得から控除される働き分(自家労賃)は、配偶者は年間86万円、家族は50万円にすぎず、社会的にも経済的にも自立できない状況を生んでいます。
 世界の主要国では「自家労賃を必要経費」として認め、家族従業者の人権・人格、労働を正当に評価しています。

全国商工新聞(2012年7月2日付)
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