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トップページ > 金融のページ > 商工ローン > 全国商工新聞 第2870号 3月9日付

 
金融 商工ローン
 

SFCG破綻と今後

新里宏二弁護士

 商工ローン大手の株式会社SFCG(旧商工ファンド)は2月23日、東京地方裁判所へ民事再生申し立てを行った。負債総額は3380億4000万円とのことである。

 司法手続悪用
 ところで、商工ローン被害は1999年に社会問題化したことから、出資法の上限金利の引き下げや、貸金業法の取り立て規制の強化等がなされてきた。
 それにもかかわらず、これまで株式会社SFCGは、社会的非難を尻目に「司法テロ」とも呼べる司法手続きを悪用して債務者や連帯保証人に対して、違法・不当な差し押さえ等を繰り返して中小事業者とその保証人を苦しめ続けてきた。
 最近では期限の利益喪失事由が存在していないにもかかわらず、全国的に多数の債務者・連帯保証人に対して期限の利益喪失を理由とした一括請求を繰り返し、債務者・連帯保証人を混乱に陥れるなどした。
 そのため、理由のない請求を受けた債務者・連帯保証人が原告となって株式会社SFCGに対して慰謝料請求訴訟を全国各地で提訴するに至っている。

 市場から退場
 株式会社SFCG破たん民事再生申し立ては、違反を繰り返していた企業が市場から退場を命じられたものと評価している。同社は昨年9〜10月以降融資業務を中止しており、すでに中小零細事業者の資金調達先との立場を放棄していることから、中小事業者の資金調達に影響が出る状況にはない。

 顧客の権利
 また、借り入れをしている顧客の地位には影響はなく、よしんば日本振興銀行などに債権が譲渡されようが一括請求ができる法的権利を持つものではない。他方で顧客は利息制限法違反の主張を日本振興銀行へ主張することになる。

 返還請求は
 しかし、民事再生を申し立てたクレディアの再生計画でも全額は戻ってきていないように、過払い金返還請求については一定の影響を受けざるを得ない。その場合、大島健伸社長への個人責任の追及の可能性があり、すでに過払い金返還請求を不法行為であるとの構成で大島社長に請求しているケースもある。

 外部の監査を
 日栄・商工ファンド対策全国弁護団では、東京地方裁判所においては、これまで違法行為を繰り返してきた株式会社SFCGの体質にかんがみ、再生債務者として財産の管理または処分が適正になされる見込みがないと判断。同社の民事再生申し立てについては、3月2日、管理を命ずる申し立てをしたところであり、外部からの監督が十分できる体制を組むことが必要である。

 相談窓口を
 また、中小企業庁には、同社から借り入れを行っている中小事業者等の救済を目的とした相談窓口の設置と緊急融資制度の利用促進を求めている。
 当弁護団では、商工ローン被害ダイヤル(0120・711・448)で相談に応じているので、ぜひ利用を。
 
     
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