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配達時の駐車は放置車両ではない
熊本の業界団体
県警に要請 |
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| 熊本県警本部に申し入れる熊本県連の役員ら（昨年11月29日） |
警察庁は、駐車違反の取り締まり強化を見直す方向を打ち出しました。その概要（下記参照）が昨年１２月７日に発表され、会内外の業者から「これまでの運動が実った」と確信が広がっています。その一方で、まだ不十分な点も残されており、全国商工団体連合会（全商連）はパブリックコメントを送付し、見直しを評価しつつも問題点を指摘しました（前号既報）。熊本県商工団体連合会（県連）もパブリックコメントを提出し、業者団体にも働きかけ、制度の改善を求める声をさらに広げています。
熊本県連はこの間、駐車違反の取り締まり強化の改善を求め、業者団体を訪問し、懇談を重ねてきました。熊本民主商工会（民商）とともに昨年１１月２９日、県警本部に提出した要望書には、酒販組合や軽自動車運送協同組合など１６団体が名を連ねました。
この中には、これまでつながりのなかった団体も少なくなく、運輸事業協同組合は３００人分の個人署名をわざわざ県連事務所に届けてくれ、運動は大きく広がりました。
県警本部は「アンケートなどのデータを集めて検証する」と答え、ガイドラインの見直しについても「来年度に各警察署に意見集約を要請する。県や熊本市にも、ことあるごとに無料駐車場の増設を要請している」と回答。この行動は一般紙でも取り上げられ、テレビ局でも特集が組まれるなど関心の高さを示しました。
県連もパブコメ
県連は申し入れの結果を各団体に文書で送り、警察庁の見直しの概要についてもパブリックコメントを出すように要請。県連としても（１）駐車違反規制から除外する車両に対しての「標章」の交付基準と手続きを明確にすること（２）駐車許可証申請が交番でもできるようにすること（３）駐車規制から除外している「貨物自動車」を「貨物自動車、配送用車両などにする」‐‐と求めたパブリックコメントを提出しました。
現在、民間監視員が活動している熊本市内では、ＪＲ熊本駅周辺や中心市街地など広範な地域で、駐車時間の長短にかかわらず、取り締まりが強行されています。会内外の業者からは「あまりにも機械的ではないか」など怒りの声が広がっています。今回、警察庁が駐車違反の取り締まりを見直す方向に動き出したのは、配送業者をはじめ物流にかかわる業者の深刻な実態がその背景にあります。
深刻な実態が
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| 配達時の駐停車は放置ではないと訴える吉田さん |
熊本民商の吉田了さん（７４）＝鮮魚＝は「配達時に２人乗車をする余裕はない。営業用車両には配慮してほしい」と訴えてきました。毎日、市街地の７、８カ所の飲食店に鮮魚を卸していますが、まだ、駐車違反のステッカーを張られていないものの、いつ、捕まるか気が気ではありません。仕方なく２０万円を支出して駐車違反にならない４輪のバイクを購入。「売り上げが減っているなかで大変な出費。雨の日は車を使わないといけないので安心はできない。配達時の駐車は放置車両ではない。区別すべき」と強調します。
商工新聞読者の堤久恵さん（４２）＝青果店＝も家族で市街地に野菜を配達し、２０回以上、ステッカーを張られそうになりました。民間監視員と言い争いになったこともあります。「家族との話し合いで店をやめようかと考えたほど。商店名が入った車で配達していると分かっているのに、ステッカーを張ろうとするのは納得できない」と怒りをぶつけます。
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| 閉店を考えたほど悩んだという堤さん |
県でも改正へ
警察庁はこうした実態を踏まえて「貨物自動車を駐車規制の対象から除くなど物流の必要性に配意するよう務める」ことを打ち出しています。
都道府県警察では今後、６月１日施行をめざして、公安委員会規則などを改正しますが、配送車両を含めた貨物自動車を規制対象から除外することを明記させるなど改善を迫ることが必要です。熊本県連では、見直しの充実を求めて県警本部にあらためて申し入れることにしています。
新駐禁の改善を求めた団体名
熊本県食肉事業協同組合連合会、熊本県クリーニング生活衛生同業組合、熊本県電設工業協同組合、熊本県電機商工組合、熊本県小売酒販組合連合会、熊本県運輸事業協同組合、熊本県運送事業協同組合連合会、熊本液化石油ガス事業協同組合、熊本県海産物仲卸協同組合、熊本青果食品商業協同組合、熊本県生活衛生同業組合連合会、熊本県卸売酒販組合、熊本県海産物小売商協同組合、赤帽熊本県軽自動車運送協同組合、熊本県飲食業生活衛生同業組合、熊本県商工団体連合会
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