民商ならでは　小企業者に寄り添った経営対策

　いま、各地の民主商工会（民商）には、開業・融資・税金・税務調査・労働保険加入など、多様な相談が寄せられています。地域に根ざした中小業者の団体だからこそできるきめ細かなアドバイスを大切にし、小企業者の気持ちを理解して一緒に考えサポートする経営対策に期待が広がっています。「民商に入って良かった」と喜ぶ新しい仲間の声を紹介します。

開業の夢カタチに＝奈良・大和郡山斑鳩（飲食）

開業の夢を実現し喜ぶ森田さん

　東南アジア地域、特にインドに縁があり、10回以上に及ぶ渡航を通じて、現地の人との交流を深めてきました。ホームステイでカレーの作り方や数々の料理を学んだ経験を生かし、6月初旬には夢をカタチにしたお店「スパイスレストラン・イマココ食堂」をオープンします。
　「イマココ」という名は、未来への希望も過去の喜びも今ここで全力で生きることで体感できるという思いを込めて付けました。地域住民の皆さんに愛されるお店になれるよう頑張ります。
　建築関係の仕事をしている夫の確定申告の相談と、私の開業に向けての融資相談で、民商に入会しました。育児と日常生活やパート勤務に追われ、なかなか夢をカタチにすることができないでいましたが、2011年11月にパート勤務先を退職したことを機に、夢描いていた開業へと動き出しました。

融資・計画書も
　年明け早々、本格的に開業に向けて民商に相談。開業時や準備中そして開業後の注意点などについてアドバイスを受け、また新規開業融資や女性経営者への厳しい審査の実態についても深く知ることができました。
　開業融資の手続きでは、開業計画書（創業計画書）の書き方や資金計画など一つひとつ親切・丁寧にアドバイスを頂きました。信用保証協会へ100万円、日本政策金融公庫にも180万円の借り入れを申し込みました。約1カ月ほど過ぎ心配でしたが、民商からのフォローも幾度とあり、応援し続けてくださいました。
　信用保証協会・政策金融公庫とも満額での決定通知を受け取ることができ、開業のめども立ってホッとしています。的確なアドバイスや励ましをくれた民商の仲間には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

意外と楽しい記帳＝埼玉・浦和（イラスト・ウェブデザイナー）

「税金のことを学べて安心」と語る島さん

　僕が浦和民商の皆さんにお世話になり始めたのは、昨年の夏ごろのことです。
　それまでは、2年とちょっと勤めていた小さなデザイン事務所を退職し、フリーランスのデザイナーとして仕事をし始め、税の知識もほとんどないままに仕事を受注していました。確定申告は人に任せきりでした。

学びつつ自分で
　民商では、経理のすべてをお任せするというのではなく、税の仕組みから記帳と申告の仕方まで学んでいます。教えてもらいながら自分でやるというスタイルは、自分の知識にもなります。いざというときに困ったことをすぐ相談できるというのは心強いものです。実際、クライアントによってそれぞれ会計の事情が違うので、そのたびに分からないことを聞いて、アドバイスや知恵を借りたりしています。
　書類作成や入力作業など、とても手間がかかり面倒なことだと思っていたのですが、毎月の収支を時間のあるときに入力していたので、あっというまに書類が出来上がりました。完成した書類を見ると収支のバランスや細かい数字などが分かり、反省点と目標が見つけられ意外と楽しいものでした。青色申告特別控除の大切さにもあらためて気付かされた日でもありました。
　覚えれば自分でできることかもしれませんが、まだまだ駆け出しでギリギリの生活をしている僕にとって、記帳と申告によって税金は死活に関わる大きな問題です。これからもたくさんお世話になりたいと思っています。