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  トップページ > 経営のページ > 異業種交流 > 全国商工新聞 第2850号 10月13日付
 
経営 異業種交流
 

青年向け経営セミナーが好評

交流の場を提供する民商ネットワークの利点実感

 愛知県商工団体連合会(県連)などが開いた経営セミナー=「ビジネススクールイン愛知」が大きな反響を呼んでいます。同スクールでは、4月から大学教授の支援も得て6回の連続講座を開催。ワークショップを取り入れ、自ら経営を分析してビジネスプランをつくりあげる課題に正面から挑戦しました。経営対策の新たな分野を切り開くものとして注目されます。

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ワークショップ形式で交流する参加者たち
 スクール最終回となった9月21日。会場となった名古屋市内の労働会館で、受講生一人ひとりがこれまで学んだ成果を「マイビジネスプラン」(表1)にまとめて発表しました。
  ビジネスの地域・社会的意義、商品力・サービス内容・価格をはじめとするプランの特徴、経営理念に戦略、キャッチコピー…。緊張しながらも考え抜いた自分の言葉で語りかけていきます。
  「“造って終わり”の造園屋が多い。お客さまの要望を聞きながら緑や花を生かした庭を『楽』しむ新生活
  の提案をしていく。一軒の庭がきれいになると、近所が競い合い、街中が花や緑に囲まれて明るく楽しくなっていく。造園は街の美化にも役立ちます。社名は『庭楽』。キャッチコピーは『庭を楽しむ新生活を提案する、女性ガーデンデザイナーのいる造園屋』です」
  わずか5分間での発表、そして1分の質問時間。参加者の手がすかさず上がります。「庭のなかで喫茶店などをしたらどうか」「どうやって顧客を獲得していくのか」…。
  午前10時から始まった最後のスクール。終わったのは午後3時すぎですが、昼食時間もお互いが交流。真剣なまなざしと笑顔にあふれた5時間はあっという間に過ぎました。

経営伸ばしたい要求に応えよう
  6回連続の経営セミナーに取り組むきっかけは愛知県連役員会での議論でした。
  「商売を伸ばしたいという要求は強いが、その願いに今の民商は応えられているだろうか」「経営を本格的に学習する場をつくりたい」「業者青年が生き生きと活動できる場を提供したい」
  こうした議論を経て(1)中小業者が地域経済に果たしている役割と可能性を学ぶ(2)商売を交流する中から、自分の商売の特徴を探し、ビジネスプランをつくる(3)参加者同士が交流し、刺激を受けながら信頼関係と仲間をつくる(4)自分の商売の発展方向をさぐる‐‐。
  目的を明確にし、中小商工業研究所・東海部会の研究内容や大学の先生の力を借りてスタートしました。(参加費用一人1万8000円、資料、昼食代込み)。
  スクールでは毎回テーマを設定(表2)し、講師による講演とワークショップ(班に分けて議論、実際の作業を行う)を繰り返しました。ワークショップでは「相手の意見を否定することはご法度」。意見を積み重ねた発展型の提案と議論を心がけました。
  例えば、「私の顧客はどの層か」を把握しようと「嫌な客」「理想の顧客」を議論。客層をつかんでいない自分の経営の弱点をつかんでもらう、という仕組みです。
  ワークショップでは全員発言が基本。異業種交流だけに「新しい気づき」と「自分の弱点」も浮かび上がってきます。
  地域戦略、営業戦略、経営数値問題などについて、仲間の意見を聞き、自分の考えをまとめ、形にして発表し、「6W2H」(表3)に基づく「マイビジネスプラン」をつくりあげていく‐‐。この作業の繰り返しが一人ひとりを大きく成長させたのです。

実践的に学べた
  スクールを終了した寺島忠正さん=パン・喫茶=は「ここで得た最大のものは自分自身を掘り下げること、その手法を学んだこと」と話し、竹内早苗さん=廃棄物処理=は「立ち止まって自分の経営を足元から見つめ直すいい機会になった」と語りました。また、近藤恵美子さん=美容=は「他のセミナーにも行ったが、ここでは実践的なことを学べた。ワークショップ形式でにぎやかにコミュニケーションをとりながら仲間も出来て自分を掘り下げることができた」といいます。

仲間あってのセミナー
佛教大学教授 芳野俊郎

 このビジネススクールは民商の活動の積み重ねがあって生まれてきたもの。他のセミナーなどでは、『商売の秘密』もあって一人でしか考えられないが、民商では一緒に考えてくれる仲間がいる。いわば民商ネットワーク生かした経営対策の強化が求められているのではないか。
   
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