中小庁 小規模企業振興基本計画(第Ⅱ期案)

全国商工新聞 第3348号2019年2月11日付

支援先絞り込み懸念も

 「小規模企業振興基本計画(第Ⅱ期案)」のパブリックコメントが公募されます(締め切り=2月22日、詳細は中小企業庁のHP)。
 「小規模企業振興基本計画」は2014年に制定された小規模企業振興基本法に基づき小規模企業の「持続的発展」を図るための支援施策の具体化を図るために制定されています。第1期では5回の認定が行われ、支援機関である商工会・商工会議所等への事業支援とともに、小規模事業者を直接支援する「小規模事業者持続化補助金」が創設され、5年間でのべ10万者を超える支援を行ってきています。
 公表された「Ⅱ期案」では、実績を評価しつつ「『数』ではなく、小規模事業者が地域経済や産業に与える面的な影響を踏まえた、『機能』を育成・維持していくことが、今後は求められる」と述べています。これまでの「小規模事業者の『持続的発展』に加え、地域の『持続的発展』も重要要素に加えて」いることが注目されます。これからは「数」から「質」への転換、地域経済への影響力の強い「地域中核企業」への「選択と集中」支援へとシフトチェンジが考えられているのではないか、との懸念が生じます。
 それというのも、この5年間でも中小企業・小規模事業者の減少は続き、地域の疲弊はより深刻化していますが、「ものづくり補助金」「持続化補助金」の予算は先細りしているからです。
 昨年12月28日、中小企業庁は18年度補正予算として「ものづくり・商業・サービス補助金(ものづくり補助金)」の事前予告を行いました。予算額は800億円で採択予定数は1万社です。前年は1000億円、採択は1万1989件、採択率は51%でした。19年度の本予算でも、ものづくり補助金は計上されていますが、「生産性向上に資する」試作品開発等とされ100億円に絞られています。政府が「爆買い」を計画するF35戦闘機1機分にも足りません。「持続化補助金」は初めて本予算に盛り込まれたものの17年補正120億円に対し、わずか10億円。18年補正は計上されていません。関係者の間では「19年度本予算分については明らかに異なる枠組みでの実施が見込まれる」との観測が強まっています。
 過疎化が進み、「買い物をする店がない」「ガソリンも入れられない」「災害が起きても対処する業者がない」とコミュニティーの存続が危ぶまれる地域が増えています。「数も質も拡充」することが必要です。そうしたことを国や自治体にも堂々と求めていけるような「第Ⅱ期計画」が策定されるよう地域の実態も含め、積極的に意見を提出する必要があります。

小規模企業振興基本計画(第Ⅱ期案)に対する意見

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