豊かな自然で未来を
再エネ活用シンポ

全国商工新聞 第3382号2019年10月21日付

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地域循環型で持続可能な地域づくりをめざそうと話し合ったシンポジウム

 シンポジウム「十勝の豊かな未来をつくるエネルギー革命」が8月22日、北海道・とかちプラザで開催され(実行委員会主催)、120人が参加しました。豊かな自然を活用し、どのようにエネルギー革命を進めていくことができるのか、実際にどのように活用されているのかなど、未来を語り合いました。
 山形定さん(北海道大学助教)は、「自然エネルギーが支える豊かな暮らし」と題し講演。脱化石燃料・脱原発のためにめざすべきは、太陽の恵みを利用すること。固定価格買い取り制度(FIT)は再生可能エネルギーの利開発を促したが、北海道に設置されているのは超大規模開発(メガソーラー)が大半で、自然破壊、健康被害、景観破壊が起きていると問題も指摘。「地域が主体となって、自然エネルギーの利開発を進め、地産地消の持続可能な取り組みにしていく必要がある」と問題提起しました。
 木村賢人さん(帯広畜産大学准教授)は、「寒さを活かす雪氷冷熱」と題し、現在研究している北海道ならではの雪や氷といった冬の寒さを活用した冷熱利用について報告。大量の雪や氷を貯蔵庫に入れた雪氷冷熱は、冷蔵庫のように空気の乾燥による野菜の縮みやシワができないため農産物の貯蔵に適している。氷利用のアイスシェルターの場合、水を置いておくだけなので半永久的に利用可能と紹介しました。
 佐藤馨一さん(北海道大学名誉教授)は、太陽、風、波などのエネルギーを有利化(資源化)し、売電だけでなく、鉄道の電化など地域で使うことを目的とすべきと指摘。酒井恭輔さん(株式会社エネコープ)は、「エネルギー革命~世界のいまと取組事例」と題し、世界で取り組まれている自然エネルギーの発展事例を紹介しました。
 シンポでは、エネルギーとお金を地域で循環させ、持続可能な地域づくりをめざそうと今後の展望が確認されました。

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