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  トップページ > 地域のページ > まちづくり > 全国商工新聞 第3006号 1月16日付
 
地域 まちづくり
 

再生可能エネルギーが地域を変える (2)市民出資で太陽光パネル=長野・飯田市

 「市民のお金が社会を変える」―。飯田市などと共同で、初期投資0円で太陽光パネルを設置できる事業をスタートしたおひさま進歩エネルギー株式会社(原亮弘社長・以下、おひさま進歩)。こうした活動のもとになったのが全国初の市民出資による太陽光発電の導入というプロジェクトでした(図1)。

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 おひさま進歩は05年に、温暖化を防止し持続可能な社会を実現しようと「おひさまファンド」をスタート。市民から出資金を募り、太陽光発電など自然エネルギー事業に直接投資するものです。
 1回目に募集した「南信州おひさまファンド」には、全国476人から2億150万円の出資が集まりました。飯田市内の幼稚園・公民館など38カ所の施設に太陽光パネルが設置され、合計208キロワット(畳1000枚分)の「おひさま発電所」の稼動が始まりました。
 07年には売電などの事業収入から計画通りの配当が出資者に分配されました。
 「社会に役立つのであればうれしい」「出資することが環境問題を考え、行動していくきっかけになった」などの声が上がり、出資者の意思あるお金で飯田のまちが変わりつつあります。
 「3・11以降、自然エネルギーを導入したいというニーズは高まっている。地域で使うエネルギーは、地域で生み出す。循環型経済の出発点に創エネを据え、地域で仕事が生まれお金が回るようにしたい」(おひさま進歩のスタッフ・谷口彰さん)と言います。
 09年度までに市民ファンドを原資として、市内に設置されたおひさま発電所は162カ所に。全発電容量は1281キロワット、年間で約711トンのCO2削減効果があると試算されています。
 こうした事業の広がりの背景には、飯田市が進める分権型自然エネルギー政策があります。環境省などが行う補助金を活用しつつ、おひさま進歩など民間組織と連携。おひさま発電所の普及では、公共施設などの屋根を利用する「太陽光市民共同発電事業」として、20年間の長期にわたって電力を購入する契約を結びました。
 次回は、地域に環境ビジネスを根付かせようと、さまざまな施策を展開する飯田市の取り組みを紹介します。


全国商工新聞(2012年1月16日付)
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