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  トップページ > 地域のページ > 自治体 > 全国商工新聞 第2932号 6月28日付
 
地域 自治体
 

口蹄疫 地域経済の打撃深刻 被害補償・生活支援など要請

 「売り上げ半減は当たり前、8分の1になった人もいる」「口蹄疫発生以来、まったく仕事がない」‐。口蹄疫被害が県内最大の畜産基地都城市など5市6町に広がった宮崎県。全国商工団体連合会(全商連)の国分稔会長は6月8、9の両日、宮崎県に入り、深刻な被害を受けている中小業者と懇談するとともに、県や国に業者への被害補償・生活支援や長期返済の無利子・無担保の緊急融資創設など、「前例にとらわれぬ」支援を強く求めました。また宮崎県商工団体連合会(県連)に見舞金を手渡しました。

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埋却処分で空になった牛舎を前にノコクズ業者の話を聞く国分会長(右)=川南町

 宮崎県内の幹線道路のいたるところに設置された消毒マット。消毒液を車全体に吹きかける自主消毒ポイントも設置されています。商店街を歩けば、入り口に消毒マットが敷かれ街全体が出歩くのもはばかられるような雰囲気を醸し出しています。
 8日の国分稔会長と中小業者の懇談には、川南町、都農町、新富町、西都市の業者ら25人が参加。会場となった川南町のホテルにも「バイキングは中止」のポスターが張られています。
 深刻な被害が

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 懇談で業者から出されたのは深刻な被害の実態でした。「口蹄疫が発生してから牛舎に敷くノコクズの注文がない。仕入れの代金が払えない」(ノコクズ業者)、「豚舎の修理をしているが、仕事が止まったまま。どうしたらいいのか」(鉄工)、「風評被害で野菜を作っても店頭に並べてくれない。野菜を捨てるしかない」(野菜農家)、「イベントの中止が続き、お客もなく裁判の被告のような気持ちだ」(美容室)、「売り上げは昨年の半分以下。支払いだけは迫ってくる」(たこ焼き)‐。
 かつて経験したことのない現実を前に「先が見えない」とつぶやく業者もいました。
 「融資ではなく助成金がほしい」「せめて利子のない融資を」「中小業者にも義援金を」‐。参加者から切実な要望が出されました。
 調査を終えた国分会長は「生きるために今こそ力を合わせることが必要だ。運動を広げてこそ、道も開ける。被害に対する全国的な支援を行っていきたい」と話していました。
 農家並み支援を

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口蹄疫の感染牛などが見つかり閉鎖された県立農業大学

 口蹄疫被害対策として国は「口蹄疫対策特別措置法」を制定。県も「緊急対策貸付」を創設しました。しかしいずれも畜産農家への支援がその中心。中小業者への支援はまったく具体化されていないのが実情です。生活福祉資金の活用についても、県社会福祉協議会は「自然災害ではないから」と口蹄疫被害を対象に含めることは拒否したまま。県の緊急貸付も利子や保証料が必要で「売り上げがないのにどうして無利子・無保証料にできないのか」との声も上がっています。

国が支援策発表

 農家向け融資等限度額引き上げ
  農水省

 宮崎県の口蹄疫問題で農林水産省は15日、経営が悪化した畜産農家への融資限度額の引き上げを柱とする追加支援策を決めました。
 口蹄疫被害で経営が悪化した農家に対し、日本政策金融公庫を通じた農林漁業セーフティーネット資金の貸付限度額を300万円から600万円に倍増。農協や畜産農家への経営維持資金の融資枠も100億円から300億円に拡大し、貸付対象も搬出制限区域内の農家まで拡大したほか、家畜市場の開催中止の影響を受けた九州・沖縄の子牛・子豚出荷農家を追加しました。
 発生農場から10〜20キロ圏内にある家畜の早期出荷を促すための支援金単価も決定。肉専用種肥育牛を12カ月以上28カ月未満で出荷する場合、一律で50万5000円を支給。これとは別に、出荷後しばらくは新たな家畜を導入できないため1頭当たり1万9500円などの支援金を支払います。
 国保料(税)を減免・徴収猶予
  厚労省

 口蹄疫による被害を受けた市民らに対し、厚生労働省は1日、国保料(税)や一部負担金の減免、徴収猶予などについて適切な配慮や、被保険者への周知徹底を求める事務連絡を全国の自治体に送付。「国保料(税)の徴収猶予、納期限の延長および減免並びに一部負担金の徴収猶予または減免を、被保険者の被害状況に応じて適切な措置を講じること」「被保険者に対して周知徹底に努めること」としています。
 また5月31日付けで後期高齢者医療制度でも同様の配慮をすることを求める事務連絡を送付しました。
 5月26日には、日本年金機構理事長あてに社会保険料の納付の猶予について通知を発出。口蹄疫被害で相当な損失を受けた場合は、厚生年金保険料の納付を1年以内に限り猶予、国民年金保険料については免除するとしています。
 お近くの民主商工会(民商)や自治体窓口にご相談ください。

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