全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 地域のページ > 自治体 > 全国商工新聞 第2914号 12月14日付
 
地域 自治体
 

第7回中小企業のまち民間サミット・地域経済振興へ交流


 営業、雇用、いのち、暮らしを「草の根」から守る運動と成果を交流する第7回「中小企業のまち民間サミット」(民間サミット)が11月29、30の両日、大阪市内で開かれました。同実行委員会が主催したもので、10都道府県16都市から130人が参加。かつてない厳しい実態とともに新政権の下での運動の可能性・展望を大いに語り合い「労働者、中小業者、広範な各層が共同し運動すれば大きな成果を上げることができる」との集会アピールを確認しました。


PHOTO
地域経済活性化における
自治体の役割を語る
長尾・前東大阪市町

 主催地を代表し、大阪商工団体連合会(大商連)の藤川隆広副会長が「中小業者は自ら生きる糧を生み出す力をもっているが、今はそれさえ奪われている。各地の知恵を成果を交流し、元気になろう」と歓迎あいさつ。サミット事務局の馬場良彰さんが政治・経済情勢の劇的変化に触れながら報告。「不況打開・地域経済振興と要求実現の可能性が開けた。保守層とも共同し、行政に働きかける旺盛な運動が求められている」と提起しました。

地方自治体の果たす役割は
 長尾淳三・前東大阪市長が「中小企業の『生き道』を拓くため地方自治体が何をなすべきか」と題して特別報告しました。
 長尾氏は市長経験を振り返りながら、(1)全事業所調査を行政が行い、中小企業の実態を正確につかむことによって自立的に政策を考える(2)地域経済社会の未来ビジョンを示し、中小企業が地域で果たしている役割を浮き彫りにしていく―ことを強調。「中小企業を守るためだけという視点だけでなく、まちづくり施策のなかにしっかり位置づけ、あるべき地域社会の姿、展望をつくり出してほしい」と呼びかけました。

実態ぶつけて自治体に提案
 各地域の運動として、東京・蒲田民主商工会(民商)の中里俊男事務局長は、大田区が11月に補正予算で「モノづくり経営革新緊急助成」を設け、(5500万円)区として中小企業への直接助成を初めて提案したことを紹介。「借り工場の実態調査や国、区との交渉、11・12危機突破大会などで業者の深刻な実態をぶつけたこと、労働組合などと一緒になって運動をつくりあげてきたことが大きな力になった」と強調し、引き続き固定費補助実現に向け力を入れたいと語りました。

PHOTO
真剣な表情で報告に聞きいるサミット参加者
PHOTO PHOTO
東大阪市の産業支援センターを視察する参加者 民間サミットであいさつする藤川大商連副会長

 大阪・吹田民商の西尾栄一事務局長は、4月に施行された吹田市の産業振興条例について報告。民商が積極的な提言を行い、その多くが市条例に取り入れられてきたこと、制定後も市の産業対策協議会に9人の民商役員が参加するなど、条例の具体化にあたっても住民参加を貫いていることなどを紹介しました。
 また、尼崎市からは全国に先駆けて取り組まれた公契約条例制定運動、浜松市からは外国人労働者を含む雇用確保の運動がそれぞれ報告されました。
 その後、6分散会で町工場が置かれている深刻な実態とともに、住宅リフォーム、小規模登録制度の創設による地域経済の活性化、仕事おこしについて活発に意見を交換。東京・蒲田民商の萩島実会長は、大田区には1070億円のため込みがあることを告発し「その1割を取り崩せば、業者を救える。固定費補助は実現できる」と訴えました。
 2日目は各分散会の報告を受け、参加者全員で討論。東大阪市の金属加工業者は、3月まで月500万円の加工賃があった業者が11月には4万円以下に激減し、12月中の閉鎖を伝えてきたことなどを紹介。「危機的状況が毎日起きている」と告発しました。

広範な団体と連携強めたい
 分散会のまとめを受けた全体討論では「深刻な実態を行政に把握させることが運動を進めていく上でも重要」「来年に向け、業者の実態をつかむアンケート調査に取り組んでいきたい」「深刻な経営危機の下でも従業員の雇用を維持している経営者の姿勢に感銘を受けた」「労働組合、業者団体はじめ広範な団体との連携をもっと強めたい」など、力強い意見が続出。「2年後に開かれる次回サミットには明るい笑顔で集まろう」と誓い合いました。

東大阪市の現状学ぶ
 民間サミットではプレ企画として、かつては工場密度ナンバーワンで、現在は工場の廃業などで住工混在が問題となっている東大阪市の高井田地域や、「技術の地域診療所」として09年にオープンした市立産業技術支援センターを視察、約20人が参加しました。
 案内役は東大阪の共同受注グループ「HIT」初代理事長の長谷川哲夫さん。長谷川さんは中小業者がまちづくりで果たしてきた役割やその歴史を紹介しました。


〈別項〉民間サミットとは 97年5月に東大阪で第1回が開かれて以来7回目。90年代不況の中で東大阪市、東京都大田区など6都市の自治体首長、商工会議所会頭が開催する「中小企業都市サミット」に呼応し、「地域経済を守れ」と、地域の中小業者、労働組合などの運動団体が開催してきました。
  ページの先頭