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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第2987号 8月22日付
 
 

被災地へ次々に船

 広島・尾道、福山の両民主商工会(民商)は7月23日、津波で船を失った岩手・陸前高田民商の漁師たちに相次いで船を送りました。いずれも陸路を使っての搬送。「民商はすごい」と、市民の間でも共感と支援の輪が広がっています。

被災地へ船を送ろう Friendship Project=広島・尾道

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尾道民商から陸前高田民商に送られた全長14メートルの船

 尾道民商は7月23日、陸前高田民商に船を届けました。送ったのは全長14メートル、4.6トンの船。受け取った陸前高田民商の佐藤吉朗会長らは「立派な船だ」と驚きの声で迎えてくれました。
 船を送るきっかけとなったのは、福山民商が船を届けた(6月中旬)ことを知った役員の提案でした。
 「被災地には自分より船を必要としている人がいる。自分の持っている船を送りたい」。申し出を受けた尾道民商は早速、会議を開いて船を届けることを決定。「被災地へ船を送ろうプロジェクト」が始動しました。
 苦労したのが運送方法。全長14メートルの船とあって、海上を走らせて船を届ける案も出ましたが、「瀬戸内海の海と太平洋は違う」などの意見も出て、陸上から運ぶことに。ところが運送業者も、その大きさから当初は引き受け先がありませんでした。役員総出で探したところ、趣旨も理解してくれた上、料金も格安で引き受けてもらう業者が現れました。
 といってもその費用は30万円。会員はもちろん、広く市民にカンパを訴えようと、船の写真入りのビラを作製。商店街(600枚)に配ったほか、新聞にも1700枚を折り込み、スーパー前でカンパも訴えました。

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商店街でも反響を呼んだ尾道民商作成のビラ

 市民の反響は予想を超えるものでした。
 「すごい船ですね。少ないけどカンパさせてもらいます」と商店主から電話がかかったほか、支援物資も届きました。カンパは40万円に達しました。
 「被災地は扇風機がなく夏が越せない」との情報にも機敏に対応。民商ニュース等で知らせると、新品を買って届けてくれた役員や県内の他民商から合わせて25台の扇風機が集まったほか、テレビ、米、大工道具などの物資が届けられ、船に積み込みました。
 7月21日行われた船の出発式には20人が参加。報道関係者が見守る中、竹田康生会長が「この船が陸前高田の海で活躍することは間違いありません。みなさん本当にありがとうございました」とあいさつ。船を運ぶために大奮闘した婦人部長は「船と船いっぱいの物資と皆さんの気持ちを届けてきます」と現地に無事に届けることを約束しました。
 船を乗せたトレーラーと役員らを乗せた同行車は一路、陸前高田市に向けて出発。陸前高田の港では佐藤会長をはじめ陸前高田民商の会員が出迎えました。船と支援物資を港に下ろし、引き渡しも無事終了。長旅を終えて「無事に届けられて良かった。これからも被災地を支援していきたい」と話していました。

「船プロジェクト」第2弾 3隻とどける=広島・福山

 福山民商は7月23日、「船プロジェクト」の第2弾として小型船3隻を8トントラックに乗せて陸前高田民商に届けました。出迎えた佐藤吉朗・陸前高田民商会長は「言葉にならないほどうれしい」と語りました。
 福山民商が陸前高田民商に船を送るのは二度目。
 今回送った船は、会員が提供してくれた小型船3隻。県内の府中民商、三原民商から届けられた扇風機20台や電動かんななどの物資も積み込みました。
 出発前に、福山民商の会員らが、それぞれの得手を生かし「すぐ使えるきれいな船を送ろう」と、連日修復作業を行い完成させたもの。足りなくなった塗料についても、プロジェクト第1弾が掲載された商工新聞(7月4日号)を見せると、仕入れ業者が快く協力してくれました。
 1300キロの行程を港で出迎えてくれたのは、佐藤会長はじめ陸前高田民商の会員と、同日昼に船を届けたばかりの尾道民商のメンバー15人。
 船を届けた福山民商の5人は、再会を喜び、ガッチリと握手。佐藤会長は「またいい船が来た。言葉にならないほどうれしい」と語り、前回届けた船に「福山丸」と命名したことを報告しました。
 この後、全員でお互いの労をねぎらいながら、復興の状況などを交流。船をバックに記念撮影しました。
 福山民商の事務所前で行われた22日の出発式には約20人が参加。西浜義夫会長が「無事に届けてください」と励ましました。

全国商工新聞(2011年8月22日付)
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