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  トップページ > 業種のページ > IT・サービス > 全国商工新聞 第2845号 9月8日付
 
業種 IT・サービス
 

コンビニ問題の現状・中野和子弁護士に聞く
解消されぬ「奴隷」状況
「FC法」の制定は必須

 コンビニ・FC(フランチャイズ)問題が大きな社会問題になって10年余。今年7月には、加盟店の全面勝訴ともいえる最高裁判決もかちとりました。民法に基づき仕入代金報告義務を認めたのです。「コンビニ・FC問題の現状と課題」はどこにあるのか。「コンビニ・フランチャイズ問題弁護士連絡会」(コン弁連)の中野和子弁護士に聞きました。

 コンビニ・FCのオーナーたちは「現代の奴隷」と呼ばれています。FC本部によって借金を抱えさせられ、逃げ場もないからです。その根底にあるのが本部と加盟店の「不平等・不公平な契約関係」です。
  私がかかわった裁判では、加盟店のオーナー夫妻は、10年契約の途中3年目を終えた後、借金として本部から1000万円余を請求されました。その返還のため、「365日無休で働け」と指示される。夫の年間労働時間は3000時間に及び、妻も2500時間を超えました。これだけ働いて夫妻に残る「月次引出金」(税込みの給料)は30〜40万円に過ぎません。期間満了になってもまだ500万円残っていました。
  問題はなぜこうしたことが起きるかです。
  フランチャイズというのは、それ自体がシステムであり商品です。しかし、契約時に実現が不確実な多額の売り上げを提示する。逆に従業員給与などを低く見積もる。きちんとした説明義務が果たされていないのです。
  特にいま注目されているのが、コンビニ会計の基本といわれるチャージ(ロイヤルティーともいう)問題です。本部がロイヤルティーを契約より過大に徴収しているのではないかというもので、その中でも最も大きな疑問を持たれているのが「ロスチャージ問題」です。
  チャージは売上総利益に対して定められた率を乗じて計算されます。企業会計では、売上総利益(粗利)は、(売上高‐売上原価)で表わされます。

疑問が噴出「ロスチャージ」
  しかしコンビニの場合、売上総利益=売上高‐(売上原価‐廃棄商品・棚卸ロス商品分の原価)で計算されます。つまり通常の売上原価よりも低くなるわけで、当然、売上総利益は大きくなる。本部に入るチャージも大きくなるカラクリがここにあるわけです。
  廃棄商品・棚卸ロス商品というのは、賞味期限切れや、万引きされた商品などです。だいたい1カ月で50万円前後といわれますが、概算チャージ率50%をかければ年間にすると、300万円以上になります。
  本部にしてみれば、商品が売れてももうかるし、廃棄されたり、万引きされる商品が多ければ多いほどもうかる仕組みになっているわけです。実際、賞味期限を通常の半分程度に独自設定して売ったり、「廃棄をもっと出してくれ」と警告書を出すコンビニ本部もあったほどです。
  コンビニは全国で4万数千店舗あるといわれています。契約時には平均日販(売り上げ)50万円などと説明していますが、目標に達しているコンビニは半分もないでしょう。7割前後は苦しい経営です。
  人件費(加盟店オーナーが支払うアルバイト代)は、月平均94万円(日販50万円の場合)と試算しているコンビニもありますが、実態としては130万円程度が必要です。
  売り上げを伸ばすには人件費を切り詰めるしかありません。オーナーが休みもなく働くしかない。葬式にもいけない。借金もかさむ。05年に福島のコンビニ店オーナーが焼身自殺したのもそこまで追いつめられたからです。

タブー視されるコンビニ報道
  今も本部と加盟店のこうした不公平な関係はほとんど改善されていません。新聞、雑誌、テレビ局も事実を伝えようとしない。広告主ということもあって一種のタブーになっています。
  最大の問題はFC法が日本で制定されていないことです。「FCには民法の適用はない」と裁判で主張したコンビニがありますが、コンビニFC業界が一人勝ちしているのは、ルールがないからです。
  「現代の奴隷」を解消するためには、加盟店オーナーが団結し、開店後一定期間までのクーリングオフ制度を盛り込んだFC法をどうしても制定しなければなりません。

   
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