インボイスは死活問題
「人ごとでない」と驚き クイズ形式で学習会

全国商工新聞 第3337号11月19日付

クイズ形式で楽しく学ぶ

 山形民主商工会(民商)上山支部は10月23日、「消費税のインボー学習会」を開きました。クイズ形式で消費税導入の歴史から複数税率やインボイス導入で商売がどうなるか、などを楽しく学びました。

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山形民商が開いた「消費税のインボー学習会」

 井上久男支部長は「政府は来年10月からの消費税10%への増税を既成事実にしようと躍起になっている。業者にとって増税は2%引き上がることだけでなく、商売を続けることができるかどうかの死活問題。何としても増税をやめさせよう」とあいさつ。伊藤秀敏事務局長がパワーポイントを使って学習を始めました。
 消費税の歴史クイズでは、「消費税は何%から導入されたか?」など初心者編から「初めに導入された大型間接税は?」などの上級編まで。
 「これ何%?」の増税クイズでは、「飲料水は8%、医薬部外品は10%。リポビタンは、オロナミンは、リアルゴールドは、チオビタは何%?」と一つひとつをチェック。「お肉は食料品なので8%、ウシさんもブタさんもトリさん一緒」「じゃ私はどうなの?」と動物のウシが登場。「生で食べられないので10%」。「じゃ僕たちは?ブヒ~」とブタも登場。「丸焼きが普通ではないので、やはり10%」。ウシやブタの写真が映し出されると大爆笑していました。
 ところが「フグは生で食べられませんが、魚なので8%」。その答えに、「そのままじゃ食べれないのに」と大ブーイングが起きました。
 国は8%に据え置く財源確保のため、中小業者に益税があるかのように宣伝。主要国は免税業者を守るため特例措置を設けていることを学び、「益税宣伝をはね返そう」との提起にうなずいていました。
 インボイス後のシミュレーションでは「元請けと下請け大工」「ラーメン屋店主と業者」「居酒屋マスターと魚屋さん」などの会話を山形弁で紹介。「うちの店でもありそう。どうすればいいべ」との声が上がり、免税業者が取引から排除される流れが分かる学習会となりました。
 伊藤事務局長は「来年の統一地方選挙と参議院選挙で消費税増税を一大争点にして、世論と運動で増税とインボイス導入を中止させよう」と呼び掛けました。
 意見交換や質問タイムでは、「消費税なんて自分に関係ないと思っていたが、どうなるかすごく不安。3段噴射で、なし崩しにインボイスを導入するなんて許せない」「帳面も面倒になる上、税率を引き上げるなんてひどい」「どこの国でも零細業者を何とか守ろうとしているのに、日本だけ免税点や簡易課税を益税宣伝に使う政府は信用できない」など怒りの声が上がりました。

民商が作成した学習資料(抜粋)

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選挙戦での勝利と「世論と運動で増税とインボイスを中止させよう」と呼び掛け学習会は終了

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