申請型換価の猶予実現 自宅など差し押さえ解除

全国商工新聞 第3336号11月12日付

民商で分納計画作成

 新潟・村上民主商工会(民商)の高橋隆さん(仮名)=建設=は10月1日、村上税務署から滞納になった消費税の申請型「換価の猶予」が認められました(国税徴収法第151条の2第1項)。9月から来年3月まで7回に分けて納税できます。自宅や畑の差し押さえも解除され、「仕事に打ち込める」と話しています。

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高橋さんに届けられた「換価の猶予許可通知書」

 高橋さんは2年ほど前から体調を崩して現場に出られなくなって売り上げが減少し、経費を支払うと生活費を捻出することが苦しい状態でした。消費税も一括では納められなくなり、自宅と畑を差し押さえられました。
 毎月6万円ずつ分納していましたが、今年3月の時点で40万円の滞納が残っていました。そこに今年度、約47万円分の消費税が新たに発生し「これ以上、納税額は増やせない」と民商に相談しました。
 税務署に出向いて事情を説明したところ、「新規発生分の消費税の換価の猶予の申請期限は9月末までなので、それまでに40万円を納めれば、新規発生分の換価の猶予が申請できます」と言われました。
 なんとか40万円を納めた高橋さんは、9月20日のなんでも相談会に参加し、新規発生分の消費税の分納についてあらためて相談しました。
 再び、税務署に出向いて昨年度までの消費税を完納したことを話すと署員は「換価の猶予の申請があれば、受け付けます」と前向きに対応しました。
 高橋さんは民商と相談しながら分納計画を立て、9月27日に換価の猶予申請書と財産収支状況書を作成し、その足で税務署に申請書を提出。「税務署に民商が一緒に行ってくれたので心強かった。申請できて良かった。助かったよ。いろいろお世話になったね」と話していました。
 後日、高橋さんから「換価の猶予許可通知書と一緒に差押解除通知書も送られてきたよ」とうれしそうな声で報告がありました。

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