A 徴収、換価の猶予を活用

Photo 納付意思を示し最大限納付する努力をして、それでも納期限までに払いきれない場合は、地方自治体の首長宛てに「徴収猶予」を申請しましょう。不許可になれば異議申し立てもできます。
 猶予事実が認められれば、「現在納付能力調査」が行われ、納付困難な部分について、1年の範囲内(延長制度あり、最長2年)で納税が猶予され、新たな滞納処分は禁止、延滞税も全額または半額免除されるので安心して分納できます。すでに差し押さえがある場合は、申請して一定の条件に該当すれば解除できます。
 猶予要件は、災害や病気などで納付が困難になった場合や、納税者が事業を廃止または休止した場合、納税者がその事業につき著しい損失を受けた場合など。それぞれ「類似規定」があり、「売掛金の回収が不能、または著しく困難になったことなど」も含まれます。とりわけ、経済的理由に当たる「著しい損失」は、不況下で多くの業者が該当することから、弾力的な運用を求めることが大切です。
 また、「徴収猶予」に比べて広範な要件を対象とする「換価の猶予」も活用できます。請願書などで「換価の猶予にしてほしい」と意思表示をしましょう。「納税の誠意」があるかどうかが大事なポイントで、換価処分が「事業の継続またはその生活の維持」を困難にするかどうか、猶予する方が徴収上の「有利性」があるかどうかなどで判断されます。1年以内の分納(最長2年)が適用され、延滞金も半額免除、一定条件を満たせば差し押さえも解除となります。
 固定資産税の場合、納税者が所有する固定資産の評価と近隣物件の評価を比較できる「縦覧」や、固定資産課税台帳の固定資産評価額を確認する「閲覧」を行うことで評価額の矛盾点を見つけ、正しく評価させることで固定資産税を減額させることも大切です。