関電の原発マネー還流疑惑
徹底解明し原発のあり方見直せ

全国商工新聞 第3381号2019年10月14日付

 関西電力(関電)の岩根茂樹社長や八木誠会長ら会社役員と、原子力発電関係の幹部ら計20人が2018年までの7年間にわたり、同社の原発がある福井県高浜町の元助役から、およそ3億2千万円もの金品を受け取っていたことが明らかになりました。この調査報告書の公表(2日)後も、次々に疑惑が浮上しており、闇は深まる一方です。
 元助役の金品の出所は、同氏が顧問を務めていた建設会社であり、14年~18年の5年間に、関電から計約64億円もの工事を受注。関電はこの建設会社に工事予定情報を提供していました。
 岩根社長は記者会見で、「金品の受領と工事は直接の関係はない」と違法性を否定。八木会長も岩根社長も辞任せず、岩根社長は、大手電力10社でつくる電気事業連合会の会長も続投する意向を表明しています。
 こうした居直りの態度は、多くの国民感情と到底相いれないものです。問題の本質は電気料金を原資とする原発関連の工事費が地元有力者に食い物にされ、癒着した電力会社幹部が私腹を肥やすという構図です。会社法の特別背任罪や収賄罪にも匹敵する「原発マネー還流」ともいうべき疑惑です。
 ましてや関電は、3・11以降、高浜3、4号機を再稼働させ、1、2号機でも再稼働に向けた対策を進めていました。国民が不安視する原発を扱う公益企業に対し、識者やマスコミが「重大なガバナンス(法令・規範順守)の欠如」「今後、周辺自治体を含む地元合意に見直すべき」と指摘するのは当然です。
 これまで、原発を引き受けた自治体には、国の電源三法交付金など巨額の原発マネーが流れ込み、多くの利権と、自立できないゆがんだ経済体質を生んできました。
 野党は「疑惑追及チーム」を結成し、4日に開会した臨時国会で追及する方針です。安倍首相自らが関与した疑いの明白な森友、加計問題さえ解決できない政府に任せてはおけません。
 関電から自民党・稲田朋美議員への献金疑惑も浮上しています。国民の世論で交付金の使い道も含め、不透明な金の流れや癒着の構造を徹底的に解明すべきです。

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