消費税増税は中止できる
税制のあり方決めるのは主権者

全国商工新聞 第3370号2019年7月22日付

 「減らない年金を」「消費税に頼らず、暮らしに希望を与える財源の確保を」など、誰もが安心して暮らせる社会の実現のために、多くの有権者が投票所に足を運んでいます。
 参院選の大争点となった「10月からの消費税増税」について、安倍政権は、10%への増税をあくまでも実施するとして、マスコミも使って大々的な宣伝を国を挙げて繰り返しています。
 消費税10%への増税と合わせ、導入される「複数税率」「インボイス」は、中小業者全体に関わる大問題です。
 「複数税率」は、食料品を扱う業種だけと思われがちですが、消費税課税業者にとっては仕入れ税額控除の計算の際に、8%と10%の区分け処理が求められ、来年春の申告から要求されます。
 2023年から導入予定の「インボイス」制度に至っては、インボイスを発行するために、免税業者であっても、国税庁に「適格請求書発行事業者」としての届け出をしなければなりません。さらに消費税課税業者と同様の消費税申告・納税が求められます。インボイスが発行できなければ、取引から排除されかねず、商売・経営そのものの存続に関わります。
 税制によって、中小業者の商売の存亡が左右されるなど、職業選択の自由を定めた憲法22条にも違反するものです。
 マレーシアをはじめ世界各国で、増税中止や、付加価値税の税率引き下げが実現しました。日本でも戦後すぐに導入された「取引高税」を、中小業者をはじめ国民の総反撃により1年4カ月で廃止させた歴史があるように、国民の世論と運動で、税制を変えることは可能です。
 民主主義、国民主人公の道のりは、納税者が主権をたたかいとってきた歴史でもあります。
 民商・全商連は創立以来、「税金の集め方と使い方」を憲法の理念に沿って正す世論と運動を粘り強く展開してきました。
 税制のあり方を決めるのは安倍首相ではなく主権者である国民自身です。この夏、消費税で商売人つぶすなの世論と運動をさらに大きくし、中小業者の営業と暮らしを守る運動を全国各地で繰り広げましょう。

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