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教育
活用しましょう 就学援助制度
「助かった」と喜びの声
各地の婦人部
集団申請や改善求め運動
 就学援助制度をご存知でしょうか? 今、全国的にはこの制度の利用が増えており、長引く不況など厳しい経済情勢が背景にあると言われています。民主商工会(民商)婦人部では長年、新日本婦人の会などとともに、就学援助の学習会や集団申請にとりくみ、制度の改善を求めています。

 就学援助制度は、小中学生のいる家庭に学用品費や入学準備金、給食費などを補助する制度です。
 民商婦人部では、子どもたちが安心して教育を受ける当然の権利として制度の学習をすすめ、改善にとりくんでいます。
 滋賀・長浜民商婦人部では、部員たちに毎年この制度の活用を呼びかけ、新婦人の会とともに学習会や集団申請などをおこなっています。
 受給した人は「助かった。修学旅行にも行かせてやれた」と喜んでいます。しかし中には、申請したら民生委員が家まで来て「こんなことをして恥ずかしくないのか」と申請を取り消すように言われたこともありました。
 婦人部では市の教育委員会に申し入れ、民生委員に介入させないこと、だれもが申請しやすいよう制度を広く知らせること、支給額の引き上げなどを申し入れています。
 愛知・豊橋民商婦人部は2月2日、市議会議員を講師に就学援助制度の学習会を開き、10人が参加しました。
 現在、制度を利用している人も多く、さまざまな意見が出されました。
 「医療費は学校検診で見つかった虫歯、中耳炎など学校病に関しては医療券が発行されているが、いつかかるか分からないので、医療機関で見つかった場合にも随時医療券を出してほしい」「最近増えているアトピーなどのアレルギー疾患も学校病に加えてほしい」「振り込みを事前にしてほしい。修学旅行費などは高額なので立て替えが大変」など。
 民商婦人部では、出された意見を要望書にまとめ、4月上旬には市と交渉する予定です。
 就学援助制度は、「義務教育は無償」とした憲法第26条に基づき、学校教育法など関連の法律で定められ、保護者が生活保護を受けている子ども(要保護)と、「要保護に準ずる」と認定した子ども(準要保護)を対象としています。ほとんどの市区町村で実施され、費用の半分を国が補助する仕組みになっています。
 就学援助制度の利用者は全国的に増加し、文部科学省によると、04年度の受給者は全国で約133万7000人。大阪、東京では4人に1人が制度を利用しています。
 この背景には、不安定雇用の増大や社会保障の改悪など所得の低下があり、経済的理由で就学が困難な子どもたちが増えていることが明らかになっています。
 ところが、05年度から準要保護にかかわる国からの補助がなくなり、地方自治体に一般財源化・税源移譲されました(注)。自治体の中には、制度の適用基準や独自施策を悪くする動きが出てきています。
 全国生活と健康を守る会連合会の調査によると、給食費・修学旅行費の1割カット、認定基準を厳しくしたことで140人の申請中、40人が不認定になっているといいます。

(注)=昨年3月の国会質疑で中山成彬文部科学相(当時)は、「生活困窮家庭のお子さんに手をさしのべるのは当然で、一般財源化されても、しっかり実情を見守り、そうでなければ指導していきたい」と答弁しています。

就学援助制度
 〈適用基準〉受けられる基準は自治体によって違います。
 例えば、北海道・札幌市の場合、年間所得が251万2000円以下の世帯、愛知・豊橋市では収入が生活保護基準の1・3倍以下の世帯が対象となっています。(いずれも4人世帯)。
 〈支給内容〉国が示している支給内容と金額は上の表のとおり。自治体で独自に補助項目を増やしたり、国の基準に上乗せして支給しているところもあります。
 〈手続き〉教育委員会に直接申請する方法と学校を通して申請する方法があります。
 申請は制度上いつでも受け付けることになっていますが、多くの自治体では新学年のころ。
 必要な書類は、申請用紙と前年分の源泉徴収票や住民税の申告書の控えなど所得を証明するもの。
 〈支給方法〉自治体から直接銀行振り込みする方法と、学校を通して手渡す方法があります。
 支給は早いところでも6月以降です。それまでの間、入学準備金の一時立て替え払いや貸し付けなどを実施している自治体もあり、また就学援助制度のほかに、独自の補助制度がありますので、積極的に活用しましょう。

 
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