健康保険では、保険料率の全国平均(2013年度)を比べると、小企業が加入する協会けんぽの10%に比べ、大企業の組合健保は8.635%、公務員などの共済組合が8.2%と、低くなっていることも見逃せません。中小企業が加入する協会けんぽより、大企業が加入する組合健保の保険料率を低く設定していることは、保険財政悪化の要因にもなっています。さらに、毎年のように保険料率が引き上げられてきた直接の原因は、本来「16.4%~20%」とされる国庫補助金が、長年にわたって13%に抑えられてきたことにあります(1992年~09年)。
年金では、大企業幹部も加入する厚生年金が、保険料の上限(月収約60万円)を設けており、これを超えて収入が増えても保険料は増えません。そのため、年金保険料率が逆進的になっていることは問題です。