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全国商工新聞 第2796号 9月3日付
国保 国保
介護保険料より高い保険料が年金天引き
「後期高齢者医療制度」とは
来年4月から75歳以上のすべての高齢者と、65歳以上で一定の障害がある人などを対象とする後期高齢者医療制度が始まります。厚生労働省は制度導入に当たって、その細部について、いまだに明らかにしていません。「少ない年金から天引きされたら、暮らしていけるのか」「高齢者をいじめる医療制度は許せない」「保険料がいくらになるのか」など、不安と怒りの声が上がっています。実施まで10カ月。現在分かっている範囲で、どんな制度なのか、どこが問題なのかを明らかにします。
独立した制度
現行の老人保健制度は、国民健康保険などの拠出金と国・自治体の補助金で運営されています。新たにつくられる後期高齢者医療制度は、国や自治体からの補助が5割、各医療保険からの拠出が4割となり、残りの1割を後期高齢者からの保険料で賄う制度です。後期高齢者対象の独立した医療保険制度をつくることで、今後、後期高齢者の人口増に伴って医療費が上がれば、高齢者自身の保険料の値上げか、医療水準(診療報酬)の引き下げかという二者択一を迫られます。
月6200円も
保険料は各都道府県の後期高齢者医療広域連合が決めます。厚生労働省は、年金収入が年間208万円の人で月平均6200円(年7万4400円)の保険料と試算しています。
保険料には所得割と均等割があり、所得割は夫婦2人世帯で夫の年金収入が153万円以上からかかることになります。所得がなくても均等割が月平均3100円かかり、低所得者にとっては重い負担となります。そのため均等割には低所得者に対する7割、5割、2割の減額制度があります。また、保険料の上限は年50万円になる予定です。
保険料の徴収は、年金を月1万5000円以上受給している人は年金から天引きされます。介護保険料と合わせて月1万円以上引かれることになります。後期高齢者医療の保険料と介護保険料を合わせた額が年金受給額の2分の1を超える場合は天引きされません。
滞納には制裁が
重大な問題は、滞納に対する制裁措置が盛り込まれたことです。これまで国保では70歳以上には資格証明書が発行されませんでした。しかし、後期高齢者医療制度では、滞納するとまず短期保険証が発行され、さらに1年間滞納すれば資格証明書が発行されます。
そもそも1万5000円以上の年金受給者は天引きで滞納は発生しません。滞納が発生するのは、1万5000円未満の年金受給者であり、低所得者ほど医療を受ける権利が奪われる可能性が高くなります。
65歳から天引き
また、今回の制度導入に合わせて、65歳〜74歳の年金生活者の国保料が年金から天引きされます。これによって「分納誓約」や「納付猶予」の相談ができなくなることになります。
同時に窓口負担は70歳〜74歳で1割から2割に引き上げられますので、さらに負担が重くなります。
医療でも差別が
また、厚労省は診療報酬に病名による「包括払い」を導入しようとしています。診療報酬は病院や診療所がおこなう医療に対し、医療保険から支払われる報酬です。「包括払い」とは、治療で支払われる診療報酬の額をどんな治療をしても定額にするものです。したがって病院や診療所は、これまでと同様に検査や手当などをすれば赤字になります。結果として高齢者に対する診療を抑制せざるを得ない状況に医療機関も追い込まれるのです。「包括払い」の導入は高齢者を病院から追い出すことになりかねません。
国民運動で中止・撤回を
こんな制度をなぜ導入するのでしょうか。その最大の目的は、国と大企業の社会保障に対する負担を減らすことにあります。
政府は、80年代の「臨調行革」路線以降、83年の老人医療費の有料化。84年の健康保険の本人1割負担を強行。同年、国民健康保険国庫負担を総医療費の45%から38・5%に引き下げ。97年は健保本人負担を1割から2割に、04年には3割に。02年には高齢者医療が定額制から定率制に‐と医療の負担増を続けてきました。さらに「福祉のため」と導入した消費税は法人税の減税のために使われてしまいました。
政府は国や大企業の負担を減らし、国民・中小業者に負担を押し付ける政策を続けてきたのです。
署名の大運動を
いま格差と貧困が拡大するなかで求められているのは、後期高齢者医療制度を中止・撤回し、安心して医療が受けられる制度を確立することです。全商連はこの秋、「消費税増税反対、住民税を元に戻し、社会保障の充実を求める」請願署名運動にとりくみます。後期高齢者医療制度の実態を多くの人に伝え、署名を集め、中止・撤回の声を国会に届けましょう。
(C)全国商工団体連合会
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