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商工ローン
貸金業法規制問題 特例金利容認の逆行ゆるすな
骨抜き狙う自民、貸金業界
民商や多重債務者 弁護士・司法書士団体
抗議運動広げ
 「特例金利を絶対許すな」「このままではグレーゾーン金利の温存だ」‐貸金業の規制強化を骨抜きにする自民党、金融庁の貸金業規制法「改正」の動きに、各地の民商や多重債務被害者、弁護士、司法書士などの団体が抗議の声を上げています。自民党は臨時国会に「改正」案を提出する予定で、早急に反対運動を強める必要があります。

 自民党金融調査会は、貸金業小委員会で金融庁のまとめた貸金業規制法「改正」案について論議を始めていますが、中小業者らから「貸金業者寄りだ」との批判が強まっています。
 滋賀、京都、奈良、兵庫、和歌山、大阪の6県商工団体連合会(県連)は5日、与謝野馨金融相に「『特例』を設けることに断固抗議し、グレーゾーン金利の廃止を求める」申し入れ書を提出しました。
 申し入れでは「特例措置は違法行為を繰り返すサラ金業界を免罪するだけでなく、高利貸し付けに合法制を与え、今以上に多重債務者を増大させる愚行。一刻も早くグレーゾーン金利を廃止し、利息制限法まで金利を引き下げること」を強く訴えています。
 金融庁・法務省案は、貸付限度額を29・2%から15〜20%に引き下げる方向ですが、利息制限法金利への一本化までに最長9年程度を要すことになり、その間グレーゾーン金利が温存されることになります。
 少額・短期特例や事業者特例を設け金利28%を認めることは、金利引き下げを骨抜きにするもの。
 特例は、資金調達が困難な零細業者らへの融資の道を閉ざさないためとされますが、金融庁の「貸金業制度等懇談会」で論議されたように、セーフティーネットの拡充で解決すべきです。
 特例を認める金融庁案は、債務者救済をはかる最高裁判決が相次ぐなど今広がっている高金利引き下げの方向に逆行するものです。

金利引き下げを訴えると次々署名してくれた、宮城県実行委員会の署名行動
宮城 シンポジウムや署名で怒りの声
 宮城・仙台弁護士会・東北弁護士会・日弁連は8月26日、シンポジウム「多重債務問題の現状と課題と救済〜高金利社会の克服を目指して」を開き、150人が参加しました。高金利をめぐる昨今の情勢の報告、高金利・グレーゾーン金利の廃止を求めて各方面から意見が集中しました。
 大門実紀史参院議員(共産)や、民主、自民の各議員も駆けつけ連帯のあいさつ。
 シンポジウムに合流した「高金利引下げをもとめる宮城県実行委員会」(代表=新宏二里弁護士、伊藤貞夫宮城県商工団体連合会(県連)会長、大木れい子氏)は、これに先立って高金利引き下げの全国キャラバン・街頭宣伝署名に参加。主要自治体の繁華街12カ所で街頭演説とチラシ配布をおこない、各民商の事務局員などがマイクを握って訴えました。
 8月25日には昼休み宣伝をおこない、弁護士会、司法書士会、高金利宮城県実行委員会から40人が参加して、署名160人分を集めました。青年や主婦らは口々に「人権無視の暴利はとんでもない。頑張って」と声をかけてくれました。

「金利引き下げを」と訴える静岡民商の仲間たち
静岡 被害を早くなくしたい 署名行動で33人
 静岡民主商工会(民商)は8月20日、静岡市の商店街で「出資法上限金利引き下げ等を求める」署名・宣伝行動をおこない、署名33人分を集めました。
 酒井政和さん(28)は「自分のように何も分からず高い利息を払い続け、苦しい思いをしている多重債務の被害を早くなくしたい」と話していました。
 当日は静岡県商工団体連合会(県連)が「多重債務被害解決『道場』運動全県学習交流会」(静岡市内、33人参加)を開催。金融庁・与党が貸金業法「改正」に「少額・短期の特例高金利」を持ち込もうとしていることから、これを許さず、金利引き下げを求める運動が大切だと強調しました。
 講演した司法書士の小寺敬二さんは最近の裁判判決が灰色金利を実質否定していることもあり、貸金業者側との交渉でも、利息制限法に基づく「債務者保護の立場で『過払金返還』も含む解決」のケースが大半で運動が反映していると指摘。交流会では、多重債務解決には商売・事業の再生・再建が不可欠で、民商の果たす役割が大切になっていることや、貸金業・金利規制の世論喚起や中小業者向け金融の充実を求める運動の重要性が出されました。

金融相あてに抗議ファクス
広島・福山民商

 広島・福山民主商工会(民商)は7日、「『特例』の名で高金利維持をねらう法『改正』に抗議し、高金利引き下げとみなし弁済規定の廃止を求める」との抗議のファクスを与謝野馨金融相に送り、「出資法の上限金利の引き下げなどを求める請願署名」運動にも力を入れています。
 4日に開いた民商第1回理事会では「れんげの会」(多重債務被害解決をめざす道場)代表の徳永浩一副会長が「金利引き下げを阻止しようとアメリカの金融大手業界が介入し、財界などが動きを強めている。署名を早く集めよう」と訴えました。「れんげの会」は、毎週金曜日に開く相談会でも署名を呼びかけ、527人分を集めています。また、「高金利引き下げ全国キャラバン」に合わせて、クレサラ被害者の会「福山つくしの会」の呼びかけで、28日には福山駅前で宣伝・署名行動を、29日夜には「高金利引き下げを求める福山市民集会」を計画します。(福山・中山通信員)
 
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