公庫で開業資金300万円
「仕事頑張りたい」

全国商工新聞 第3373号2019年8月19日付

 今年2月に独立したばかりの埼玉・川口民主商工会(民商)のBさん=建設鳶=は、民商の支援を受け、日本政策金融公庫(政策公庫)の開業資金にチャレンジ。このほど、満額の300万円の融資を実現しました。直後に第一子を授かったBさんは「子どもの未来のために、仕事も民商も頑張りたい」と大喜びです。
 学校卒業後、鳥取や東京都内の建設会社で働いていたBさん。勤務先の社長、仲間からの強い勧めや結婚という転機もあって2月、埼玉県川口市内で独立・開業しました。
 資格の取得や技術の向上にも力を入れ、仲間の支援もあって、仕事も「断る時もあるほど」でした。
 独立から1カ月たったころ、現場で知り合った事業主から「事業を始めたら民商だよ」と勧められ、さっそく自宅近くの川口民商を訪問しました。
 応対した役員は「人を雇用するなら、半年くらい先までの資金繰りをしておくことが大事」と話し、同じとび業の親方は「足場材を自分で持てたら、もっと利益が出せる。高額だけど、足場購入も考えたら」とアドバイス。Bさんは、その日のうちに民商に入会し、融資に挑戦しました。
 最初に申し込んだのは、埼玉県の制度融資を活用した開業資金です。
 県に申請後、地元の信用金庫に融資を申し込み、創業計画書など必要な書類を提出。スンナリ通ると思われたものの、県保証協会は“請求書を出した会社からの「発注書」”を提出するよう要求。Bさんは、とびの仕事依頼は現場で口頭で行われている現状を説明したものの、保証協会は門前払いにしました。
 「やっぱり実績がないとダメなのか」と、諦めかけたBさんですが、民商の役員や仲間が「諦めたらだめだ」「政策公庫の新規開業資金を申し込んだらどうか」と後押し。必要書類がそろっていたこともあり、300万円の融資を申し込み、手続きもスムーズに進みました。
 申し込みから2週間後の4月26日、Bさんから民商の事務所に「融資全額OKの連絡が入った」との電話が。その弾んだ声に民商事務所にも歓喜の声が広がりました。
 融資が実現した直後に子どもを授かったBさんは「民商は親身に相談に乗って、いろいろな疑問に答えてくれました。たくさんの知識も得ることができた。子どものためにも、もっとたくさん学び頑張っていきたい」と話してくれました。

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