「最賃引き上げの条件整備を」事業者と労働者らがシンポ=京都
実態出し合い活発に議論

賃上げと中小業者の経営をどう両立させるか意見を交わしたパネリストたち
労働者の最低賃金引き上げと中小企業の経営は両立するのか―。こんな隠れたテーマを持ったシンポ「経済にデモクラシーを 最賃引き上げと社会保険料の減免で、みんな幸せになろう」が6月2日、京都市内で開かれました。「経済にデモクラシーを、中小企業に税金を回せ」などをスローガンに掲げる「エキタス京都」が主催したもので、約70人が参加しました。
労働者や業者 農家の連携を
エキタス京都の橋口昌治さんが「労働者の最賃の引き上げだけでなく、中小企業に税金を回し、生活の引き上げを同時に図りたい」とあいさつ。
基調講演した岡田知弘・京都大学教授は、アベノミクスによって日本経済が低迷している実態を指摘するとともに、国民が豊かさを実感するには(1)経済政策の意思決定方法を変える(2)経済・財政政策の基本を変える(3)労働者・中小業者・農家などの運動の連携とともに「憲法を生かした国づくりが必要」―と呼び掛けました。
シンポでは橋口さんが、生活のためには最賃1500円が必要と強調すると同時に、フランスでは中小企業の社会保険料負担を引き下げていることを紹介。「労働者と中小企業経営者が敵対するのではなく、ともに経済デモクラシーを前進させたい」と話しました。
負担増を示し施策拡充訴え
全国商工団体連合会(全商連)の中山眞常任理事は「時給引き上げ増に中小企業者は耐えられるか」と提起。年所得300万円未満が6割を超える中小業者の現状や、社会保険料負担が大企業と比べても重い実態、時給アップに伴う労働保険料と社会保険料の事業主負担増の試算を示すとともに、「最低賃金引き上げのためには、大幅な社会保険料の負担軽減、経営を守る総合的な施策などが必要」と訴えました。
京都市内で人見建設株式会社を経営する人見明会長は、17人の従業員で社会保険料の負担総額が年間2200万円余に上っているとのデータを提示。「社会保険料の高負担が賃上げを困難にしている」として、最賃引き上げのためには「社会保険料の引き下げが必要」と語りました。
参加者からは「最賃問題を働く者の視点だけでなく、事業者の視点からとらえることも大切」「労働者、業者、自治体労働者などそれぞれの立場で意見をぶつけ合うことが必要だと感じた」などの感想・意見が寄せられました。
政党スピーチとして民進党の福山哲郎参院議員、日本共産党の大河原壽貴参院選挙区候補があいさつしました。
シンポの司会を務めた京都中小企業者団体連絡会の坪井修さんは「賃上げと中小業者の経営をどう両立させるか。これは経済デモクラシーを実現する上で新しい課題。このシンポをきっかけにさらに対話と議論を広げ、みんなが幸せになる社会の実現をめざしたい」と話しました。
全国商工新聞(2016年6月27日付) |