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IT・サービス
HPづくりから製品の販促まで
大阪・淀川民商 6人の仲間
「これは」という商品はインターネットでオークション
 「大阪商人は、自由な発想とわき出るアイデアで勝負」。こんな売り文句で勝負に出ているのが淀川民主商工会(民商)のホームページ(HP)研究会です。「IT(情報技術)の時代と言いつつ、なかなかなじめないのも現実。そこからお手伝いしましょう」とHPの立ち上げから製品の販売促進までやります。会員の開発した豆腐製造機「豆腐物語」はその第1作。元気な仲間を紹介します。

「ホームページ研究会」の案内リーフ
HP研究会
 ホームページ研究会がちょっとほかと違うのは、会員が作ったり販売する「これは」というものを、インターネットでオークションにかけたり、会員が営業に回り、実利をあげることです。
 会員は6人。HP上にも店舗を開いています。印刷、流通関連から、電子機器開発の仲間もいて、「その筋」の相談には機敏に応じられます。
 西中島支部の支部長で電子機器開発の溝上洋三さん(51)は大阪の私立大学の客員研究員で、産業ロボットの製作をするやり手。「ITの強い味方」と頼りにされています。
 研究会の活動は、HPの作成やパソコンに関する勉強会や交流会の開催、会員紹介のHPの運営などです。
 きっかけは、溝上さんと経営対策部長の筒井敏明さん(51)=玩具卸=、副会長の山上達巳さん(51)=印刷=の3人が「会員が集まれば商売の話で盛り上がるのにその場だけで終わる。異業種の仲間がいるのにもったいない」「ITの時代といっても手を出せない人が多いが、それに強い仲間もいる。もっと持ち味を生かして、民商にはこんないいことがあるよとアピールして、元気に商売しよう」と話し合ったことからでした。
 淀川区も、不景気から年々閉める店が増え、不安を抱える業者が多数を占めています。「今こそ元気な民商を知ってもらおう」と昨年9月、やる気まんまんでスタートしました。

ホームページ研究会のメンバー。(右から1人おいて)牧野さん、山上さん、筒井さん、狭川会長ら
小型豆腐製造機
 最初にとりかかった商品が、牧野好高さん(48)=豆腐製造機製作=の小型豆腐製造機。
 牧野さんは機械設計の会社に勤務していましたが、10年前、お客さんから「おいしい豆腐ができる機械を作ってほしい」と頼まれたのを機に独立。のどごしがよく、おいしい豆腐がすぐできると好評で、居酒屋チェーンなどが購入しすでに3000台を販売。その後も飛び込みなどで売り歩いていました。
 牧野さんは「民商は税金のことだけと思っていたので商売のこともやると知ってびっくりした」と研究会に入った動機を話します。
 研究会では牧野さんの機械の面白さにみんながひかれ、売り出しに一役買うことに決定。まず、機械の素晴らしさをどう世の中に知らしめるか、頭を突き合わせて知恵を絞り、名前を「豆腐物語」と命名しました。「いろんな豆腐を作ることが物語を編み出すようだというわけで、覚えやすいから」とのこと。
 次は、どんな豆腐料理ができるか知らせようと、創作メニューを紹介したチラシをみんなで作製。「豆腐物語はメニューを無限に広げ、味、硬さ、香りまで料理人の感性の思うまま」と打ち出したチラシに登場させたメニューは、よもぎ豆腐、桜豆腐、枝豆豆腐、栗豆腐、白子豆腐などがズラリ。
 「なんといっても簡単で、あったかい豆腐がすぐできる」と筒井さん。商品にほれることが「売り出し」への第一歩なのです。
 筒井さんらは自分の仕事のなかでどんどん売り込みにかけ、すでにホテルや料理屋、旅館などが購入。
 牧野さんは第2弾としてゆば製造機も開発しており「はりあいがある」と喜んでいます。今、研究会で相談にのっているのが呉服屋さんの件。人通りの少ない商店街の店舗ですが、「いい品物だけに攻勢的に販売したい」と模索中です。

 _豆腐物語 容器に豆腐とにがりをよく混ぜ合わせて入れ、電源を入れると5分〜15分で出来上がり。製造過程でいろんなものを入れるとオリジナル豆腐ができ、日本の食文化を花開かせる製品。原料は国産大豆100%で作った特濃豆乳と赤穂特産海のにがりを使ってください。香りと甘さが違います。
 ▽幅32センチ×高さ29センチ×奥行き28センチ、8・4キロ、高純度ステンレス▽販売価格 38万8500円、民商会員予約限定価格100台まで26万2500円。専用豆乳、ニガリも販売。▽問い合わせ先 MEテック(製造、販売)Tel06・6886・2255 FAX06・6686・2274 担当牧野、(有)ツツイ商事(営業、販売)Tel06・6304・2015、FAX06・6304・1999担当筒井

パソコン教室の様子。じっくりマンツーマンで。親切だと喜ばれています
パソコン教室
 パソコン教室は毎週1回。先生は山上さんです。参加した十三商店街の呉服店の店主は「ここなら聞きたいことが聞ける」と、同じ商店街の人に参加を呼びかけ参加した6人みんなが商工新聞読者になりました。
 不動産業者は早速自社の広告チラシに活用できたと喜んでいます。
 民商会長の狭川一三さん(67)=こんにゃく製造=は「民商の魅力がこれでまた一つ増えた。地域の業者が民商の仲間になって元気に商売を続けられることが目的。もっと知らせて民商の仲間を増やしたい」と話しています。
 
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