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まちづくり
納税もスタンプ券でOK 福島・矢祭町
自立できる町づくりを
地域の商店街も活性化
スタンプ券で町県民税と国保税を納入した吉田さん
○…「市町村合併をせずに、自立できる町づくりを」と全国に先駆けて宣言した福島・矢祭町が、町税や公共料金、幼稚園授業料などの納入に商店街が発行するスタンプ券が利用できるというユニークな制度を8月からスタートさせました。
○…スタンプ券で納入した第1号は吉田米子さん(69)。9月11日、役場の税務の窓口カウンターにスタンプ台紙36枚(1万8000円相当)を提出。8月の町県民税と国民健康保険税に充当させ、応対した職員は預かり書を手渡しました。
 「町の活性化にもつながり、税金も納められ、町民はみんな喜んでいる」と吉田さんは話しています。
○…スタンプ券はスタンプ会に加盟する40店舗で買い物をすると、100円につき1枚のシールがもらえ、台紙に280枚を張ると500円分の商品券に換えられます。これを利用できるのは町県民税、固定資産税、国民健康保険税、軽自動車税、介護保険料、水道料、町営住宅使用料、保育料、幼稚園授業料。商品券でもスタンプ券を張ったままの台紙でもどちらも利用が可能です。
○…スタンプ券や商品券が持ち込まれると、町職員はスタンプ会事務局で小切手と交換。小切手を銀行で現金化し、税金や公共料金に充て、領収書を発行します。小切手で納入されることから、法には抵触せず、預かったスタンプ券を現金化するときの手数料3%は町が負担します。当面の取り扱いは福島銀行だけですが、ほかにも広げられないか、可能性を探っています。
○…スタンプ会が「スタンプ券を納税に使えないか」と町職員に相談したのはいまから10年ほど前。そのときは「納税は現金に限る」と相手にされませんでしたが、今年になってそのことを聞きつけた根本良一町長が、検討を指示し、実現したものです。
○…8月30日開かれた関係者の会議で根本町長は「地域の商店街は厳しく、町も運命共同体にある。スタンプ券を税金や公共料金に利用することは大変良いこと。こんな簡単なことで右往左往し、会議を開くことでもない。住民本位の立場で役場の役割を考えれば当然のこと」と強調しました。
○…商品券は9月17日の敬老の日に80歳以上のお年寄りに支払われた敬老祝い金(一人6000円)にも活用されたほか、区長報酬の全額(308万3000円)や消防団報酬の30%などにも活用され、全体の利用総額は1千万円を超える見通し。スタンプ会では新会員(加盟店)を呼びかけています。
 
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