換価の猶予許可率96%
権利として申請を

全国商工新聞 第3328号9月17日付

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 消費税が一括で納められない時などに活用できる「換価の猶予」制度の活用が広がっています。
 納税者の申請による「換価の猶予」は4万2141件のうち、4万723件が許可され、許可率は96%超に。申請すればほぼ認められていることが分かりました(2017年7月~18年6月)。参議院の倉林明子議員(共産)を通じて国税庁が公表したものです。
 申請型「換価の猶予」制度は2015年4月から実施されました。前年4月に消費税が5%から8%に増税され、新規滞納者が一気に急増し、全税目の新規滞納発生額の6割を占めました。申請型「換価の猶予」制度は民商・全商連の納税緩和制度の充実を求める運動のなかで、従来の税務署長の職権による「換価の猶予」に加えて創設されたものです。
 この3年間の申請型「換価の猶予」の処理状況を見ると、申請は2万6422件から約1.6倍に増えています。国税局別に見ると申請は東京国税局が最も多く、大阪国税局、関東信越国税局になっています。この3年間で大阪国税局や高松国税局は3倍に伸びている一方で、札幌国税局や名古屋国税局、広島国税局は申請が減っています。
 申請型「換価の猶予」は、(1)納税の誠意が認められる(2)一時に納付することにより事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがある-場合、財産の換価を1年間(最長2年)猶予することができる分納制度です。
 「申請型」換価の猶予は納期限から6カ月以内の申請が必要です。認められれば、猶予期間内に分納することが可能になり、延滞税も減額され、負担が軽くなります。
 各地の民主商工会(民商)では申請書の書き方をみんなで学び、集団で申請書を提出しています。一括で払えない、中間納付ができないなどの場合は最寄りの民商に相談してください。
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