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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第3301号2月26日付
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税金 徴税攻勢
 

住民税・国保料滞納処分執行停止に=山口・岩国民商

400万円納税義務消滅へ 事業継続しながら適用
 住民税と国民健康保険(国保)料を分納していた山口・岩国民主商工会(民商)の川上明彦さん(仮名)=サービス=は、岩国市から1月23日付で「滞納処分執行停止通知書」を受け取りました。地方税法15条の7第1項第2号(滞納処分をすることによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき)が適用されたものです。執行停止が3年間継続すれば住民税と国保料を合わせた約400万円(うち延滞税290万円)の納税義務が消滅します。

請願書で実態示し実現
 「滞納処分の執行停止」を求める請願書を提出したことが大きな力になりました。通知書を受け取った川上さんは「あらためて延滞金の額を見てびっくり。3年たったら納税義務が消滅することを学び、先行きが見えた。すごいことが実現した」と喜んでいます。
 全国を旅しながら事業を行っている川上さん。持病を抱えているため十分に仕事をすることができず、2000年ごろから住民税や国保料が期日までに納められなくなりました。納付計画を立て職員と話し合って、毎月当期の住民税と滞納分の5000円、当期の国保料に上乗せして払える分を加え誠実に分納していました。
 ところが昨年6月、担当者が代わった途端、市は差し押さえをちらつかせ、納付額の増額などを迫る「特別催告書」を職員名で通知しました。
 川上さんは民商の仲間と相談し、「滞納処分の執行停止」を求める請願書を提出(8月18日)。持病を抱え、通院しながら仕事をし、次男も病気で就労困難となり、生活することで精いっぱいの収入状況であることや、住宅ローン(購入家屋は売却済み)や同和福祉援助金の残債があり、滞納処分が執行されれば事業や生活が立ち行かなくなることを訴え。国税徴収法153条1項の執行停止の要件や、「滞納処分の停止に関する取扱いについて」(事務運営指針=平成12年6月30日国税庁長官通知)で明記された事業を継続している場合の五つの要件(左に別項)にすべて該当することを示しました。11月になってから市の担当者から「執行停止処分の扱いとさせていただきます」との電話が入りました。
 川上さんは文書での通知を要望。担当者は「近隣の市でも通知書を出していないし、岩国市も今までも出したことがない」と言い張っていましたが、「通知は、原則として文書で通知することになっている」と抗議し、「岩国市長名」で通知書が送られてきました。

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川上さんに届けられた「滞納処分執行停止通知書」(一部、画像は加工)

事業継続の場合の滞納処分の停止
1 滞納者が納税について誠実な意思が認められること。
2 現金、預金、売掛金等の当座資産および棚卸資産以外に滞納処分を執行することができる財産がないこと。
3 当座資産等について滞納処分を執行することにより、直ちにその事業の継続を困難にする恐れがあること。
4 見込納付能力調査により算出した月平均支払可能資金額により毎月分割納付を継続した場合において、完納に至るまでおおむね10年程度の長期間を要すること。
5 資力の急激な回復が見込まれないこと。

全国商工新聞(2018年2月26日付)
 

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