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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第3182号8月31日付
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税金 徴税攻勢
 

反面調査に抗議 仲間に支えられ脱税の疑いはね返す=岩手・一関民商

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不当な税務調査とたたかった一関民商の佐藤さんと三役(右から小野寺会長、佐藤さん、藤野副会長、菊池副会長)

 取引先への反面調査が繰り返され、ストレスから体調不良に陥りながらも、民商の仲間と一緒に強権的な税務調査に立ち向かった岩手・一関民主商工会(民商)の佐藤省一さん=土木。脱税の嫌疑をはね返して一切の不正行為がなかったことを認めさせました。「民商の仲間を信頼してたたかって本当に良かった」と涙ながらに話しています。

統括官らが謝罪

 調査結果は2011年から13年までの3年間で、所得税と消費税を合わせて4万6290円の追徴金となりました。売り上げ時期の計上ミスによるもので、過少申告加算税は課せられませんでした。
 7月8日に一関税務署に修正申告書を提出した佐藤さんは「誇りを持って地域のために働き、利益を度外視して頑張ってきた。それなのに、反面調査などの仕打ちを受けたことはいまだに納得できない」と抗議。調査官と統括官は頭を下げ「長いことすみませんでした」と謝罪しました。
 一関税務署から事前通知があったのは2014年5月上旬。7月2日から実地調査が始まり、確定申告の基礎となる帳簿や領収書・請求書の一式を提示し、7回目の調査までは問題なく進んでいました。ところが8回目となった10月20日、調査官は「2件のボランティア工事で金銭の授受があったのでは」と言い出しました。
 「1件は近くの神社への奉納として行ったもので工事面積も1平方メートルと狭く、経費も3000円程度。もう1件は実家の庭に廃材を使って駐車場を設置したもので、持ち出しこそあれ金銭の授受は一切なかった」と佐藤さんは断言。しかし、調査官は「現場を確かめなければ」と反面調査をほのめかせました。
 佐藤さんは金銭授受がなかったことの証明書と現場の写真を調査官に提出し、取引先の信頼を失う恐れがある反面調査は行わないよう要求しました。しかし、調査官は神社への反面調査を行い、「ボランティア工事以外の工事を行った形跡がある。売り上げを隠しているのでは」と疑いをかけました。調査官が指摘した工事は2014年度に受注・施工したもので全くの事実無根でした。
 さらに調査官は、仕入れについて佐藤さんが提示した領収書や請求書では認定できないとして過去3年分の仕入伝票の提示を要求。「保存義務があるのは帳簿および領収書・請求書と認識していたので仕入伝票は保存していない」と説明しましたが、調査官は仕入伝票の提出をしつこく迫りました。

50人が立ち会い

 佐藤さんは11月21日、民商の役員と税務署に「調査手法の民主的改善求める請願書」を提出。「『記帳や記録保存は納税者に過大な負担にならないように十分に留意し適正な運用に努める』旨を定めた第101国会付帯決議に基づけば伝票保存は全く必要ない」ことを主張し、調査の是正を求めました。
 しかし、一関税務署は今年2月から5月にかけて14社の取引先に反面調査を強行。精神的なダメージを受けた佐藤さんは5月26日、小野寺喜久雄会長らと税務署に抗議。反面調査の即時中止を求め、大門みきし参院議員(共産)にも支援を要請。大門議員は国税庁の担当者を呼び出して問題を追及。同庁は一関税務署の行為について、事実関係の確認と当面の間、反面調査を中止させることを約束しました。
 今回の調査では延べ50人近くの民商の仲間が調査に立ち会いました。

全国商工新聞(2015年8月31日付)
 

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