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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第2990号9月12日付
 
税金 徴税攻勢
 

税務調査 機敏な対応 権利守って安心解決=岐阜・岐阜北

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岐阜北民商の仲間に支えられながら、税務調査を無事に乗り越えた矢島さん(前列右)と河合さん(前列中)

 勝手に上がり込んで家中を調べる、帳簿書類を持ち去る―。任意の税務調査で人権を侵害する不当な事例が相次いでいます。調査や徴収体制を強化する国税庁の方針があるからです。国税通則法を改悪し「事前通知なし」「帳簿書類の提出」「承諾なしの反面調査」などの合法化も狙われています。岐阜北民主商工会(民商)では、納税者の権利を守るため、仲間とともに力を合わせながら不当な税務調査をはね返す運動に全力を挙げています。

恫喝的税務調査が様変わり 笑顔で終了
 10年前に税務署員5人から突然調査を受けた矢島婦二子さん=飲食。朝の8時半ごろ、いきなり自宅に上がり込まれました。
 「動くな!何も触るな」とどう喝され、帳簿書類の提出を強要。取りに行こうとする矢島さんの後ろをついて回り、トイレまで調べられました。
 「所得は売り上げの3割だから」と放言する税務署員。矢島さんは、「税務調査では逆らえない」と思い込んでいました。青色個人の申告でしたが、たった1カ所の計算ミスを3年分乗せられ、100万円もの追徴となりました。
 3年前に店を移転し、昨年9月に再び税務調査を受けた矢島さん。昨年3月に民商に入会し、都合が悪いときは調査日を変更できることを学びました。「きょうは都合が悪い」と伝えると、署員はすぐに帰りました。2人の署員のうち、1人は前回と同じ署員でしたが、穏やかな応対であったため、「税務調査ではなかったのかな」と思うほどでした。
 すぐに支部長の吉川修さん=金属加工=らが店を訪ね、納税者の権利を守る「10の心得」に沿って対応するように励ましました。
 11月の調査では、吉川さんらが見守りました。12月の調査終了後、いくつかの間違いを指摘されたものの「指導のみ」となり、申告内容をすべて認めさせる結果となりました。
 「民商の対策会議で学び、精神的に楽だった。仲間の立ち会いで心強かったし、言いたいことが言えた」と矢島さん。民商とともに税務調査を乗り越え笑顔です。

自分で決算、自信の申告 税務調査追徴なし
 父親の経営する会社の経理を担当していた時、税務調査で200万円の追徴課税となった経験がある河合美雪さん=サービス=は「税務調査で追徴になるのは仕方がない」と思っていました。
 その後、夫と一緒に法人会社を設立し、5期目の決算申告を終えた昨年8月、岐阜北税務署から税務調査の事前通知を受けました。「20万円くらいは…」と覚悟していたという河合さん。民商の対策会議に参加し、支部役員の小島草太さん=通信機器販売=らに「納税者の権利」を聞き、「税務署の言いなりにならなくてよい」ことを学ぶと、目からうろこが落ちました。それでも署員が勝手に上がり込み、家中を調査されたという知人の話を聞いていたため、半信半疑でした。
 税務署は9月の調査を希望しましたが、仕事や娘の病気などで、1回目の調査日は10月に設定しました。
 4期目までは税理士に任せ、5期目からは民商の自主計算で申告した河合さん。3期分の資料開示を要求する署員に対し、「5期目だけなら説明できます」と押し返し、調査がスタート。
 民商の立ち会いの下、1回2時間と限定し、3回の調査で終了しました。
 11月に、「適正に申告されています。これで終わります」と是認の連絡が。「追徴なしで終わるなんて」と驚きました。
 河合さんは「民商で学んだことが力になった。何よりも自分で決算することで商売の状況がよく分かるようになった」と喜び、自主計算・自主記帳の意義をかみしめていました。

不当な調査は許さない=民商税務調査対策会議
 民商では、調査を受けている人や過去に調査を経験した人が集まって「税務調査対策会議」を開催しています。
 8月18日の会議では、署員の言いなりになる税理士に不安を感じた食品関係の新会員が参加。「税務署の言いなりにならないように、納税者の権利を学んで、堂々と主張しよう」などと経験者からアドバイスがありました。
 県税金対策部長の伊藤公夫副会長は「税務当局とのたたかいは、人権を守るたたかい。不当な調査を許さないためにも、会外業者に広く民商を知らせたい」と決意。
 全商連常任理事も務める伊藤次雄会長は「全商連60年の歴史に学び、消費税増税反対と国税通則法改悪阻止の運動を発展させたい」と抱負を語りました。

全国商工新聞(2011年9月12日付)
   
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