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県税滞納整理 児童手当差押 違法と認定=鳥取高裁

 預金口座に振り込まれた児童手当を差し押さえ、滞納していた県税に充てた鳥取県の処分は違法だとして訴えていた鳥取民主商工会(民商)の会員=不動産=の訴訟で、広島高裁松江支部(塚本伊平裁判長)は11月27日、「児童手当法の趣旨に反し違法である」とし、地裁判決を不服として控訴していた県に対し、児童手当13万円の返還を命じました。原告団と支援者は「勝訴」「高裁も鳥取県の違法を認定」の垂れ幕を掲げ、喜び合いました。鳥取県は29日、上告を断念しました。

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「勝訴」の垂れ幕を掲げ、喜ぶ原告団と支援者(11月27日、広島高裁松江支部前)

 児童手当は児童手当法15条で、差押禁止債権とされています。
 ところが1998年に最高裁が、差押禁止債権に係るお金が金融機関の口座に振り込まれ、預金と混在した場合、原則として差押禁止債権としての属性を承継しない(差し押さえは可能)との判決を出し、これが根拠となって、全国で強権的な徴収行政が広がっていました。
 原告も、長引く不況で本業の収入が減り、個人事業税など約29万円の滞納を余儀なくされていました。2008年6月11日に子どもの教育費や給食費に充てる予定の児童手当が口座に振り込まれた9分後に、県に差し押さえられました。
 広島高裁判決は、最高裁判決を示しながらも、「しかし本件においては、県は08年6月11日に口座に児童手当が振り込まれることを予測し、認識していた。児童手当が振り込まれる直前の残金はわずかであり、振り込み直後の差し押さえ時点では、預金(13万73円)のうち児童手当相当額は、児童手当の属性を失っていない」と判断。「差し押さえ処分は、実質的には児童手当を受ける権利自体を差し押さえたのと変わりがない。児童手当法15条の趣旨に反して違法である」と認定しました。
 原告の代理人は「児童手当法の趣旨を適切に踏まえた判決だ。児童手当の属性が承継しているとの判断は意義がある。年金などの差し押さえにも通じる内容だ」(勝俣彰仁弁護士)、「今までまかり通っていた違法な徴税業務に歯止めをかける上で、極めて意義のある判決」(高橋真一弁護士)と評価。原告は「長い年月をかけて、たたかった意義があった。弁護団、支援者のみなさんに感謝したい」と述べました。
 この日、鳥取、島根両県の民商会員や事務局員ら約20人が裁判を傍聴。鳥取県民主商工会連合会(県連)会長で「原告を支援する会」代表の奥田清治さんは「民商・県連を挙げて支援してきたかいがあった。児童手当の趣旨を生かした判決を求める署名が、全国から5600人分を超えて寄せられ、裁判所に提出したことが力になった」と語っています。

全国商工新聞(2013年12月9日付)
 

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