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全中連 中小業者の緊急要求掲げ行動
シンポジウム 地域振興と官公需のあり方
運動と課題、展望を交流
 中小業者の緊急な要求を掲げ、全国中小業者団体連絡会(全中連)は10月27日に国税庁、経済産業省・中小企業庁、総務省と交渉、10月28日にはシンポジウム「地域振興と官公需のあり方を考える」(東京都千代田区・全国教育文化会館で開催)を開き、100人が参加しました。

それぞれの立場で豊富なとりくみと問題点が出されたシンポジウム
 シンポジウムでは、岡崎民人事務局長(全商連事務局長)が司会をつとめ、主催者あいさつで国分稔代表幹事(全商連会長)は「大手企業の談合が追及され、入札の改善などがあったものの大手ゼネコン向けの大型公共工事は減っておらず、官公需のあり方が問われている」と主催者あいさつしました。

根本的見直しを
 「地域を豊かにするためには何が必要か」と題して講演した岡田知弘・京都大学教授は、「グローバル国家は大企業が活動しやすい環境のことであり、その根本的な見直しが問われている。国や自治体がだれのためにあるのかが問われており、住民の生活の維持・発展こそ地域が豊かになることだ。自治体は地域内再投資力を伸ばし、産業政策を住民の生活向上に直接つながるものにすべき」と強調しました。
地域振興の角度からさまざまな意見が出されました
 続けて4の人シンポジストが報告。星野輝夫・全国官公需適格組合受注確保協議会会長は「小泉改革で公共工事を民間へ開放する動きが始まり、量も質も低下している。昨年は官公需法は競争を阻害すると同法の見直しがねらわれたが運動して存続させ、発注目標も引き上げさせた。官公需受注拡大のチャンスが広がっている」と発言。
 竹下登志成・自治体問題研究所事務局長は学校給食と地域経済のかかわりを中心に発言し、「地産地消が地域経済を潤している。子どもたちは給食を通して地域の生産を知る機会を得、食を通じて子どもの健康や発達が見つめ直されている」と指摘しました。
 大原つくる・全国印刷出版産業労働組合総連合書記長は官公需印刷物の適正化のとりくみで、最低制限価格制度の導入が北海道や青森など各地で実現していることに触れ、「教訓は入落札の実態調査をきちんとやり、適正価格と比べて分析し、労使の共同行動としてとりくんだこと」を上げ、契約の公正発注を実現させる大切さを述べました。

最低制限価格を

 鎌田保・全商連副会長は「中小業者は価格のたたき合いで身を削られる。地域経済の活性化のためには中小業者の技術が請われており、最低制限価格を設定して安ければ安いほどいいという環境をなくすことが大切だ」と強調しました。
 フロアから最初に発言した伊藤圭一・全国労働組合総連合政策調査局次長は、「健康で生活できる受発注ルールを掲げ、業者の実態調査もしつつ運動を積み上げ、買いたたきをやめさせるなど改善させている。自治体に責任のある態度を要求するとともに市民の目線でのたたかいが求められる」と運動の方向を示しました。

価格破壊は害悪
 討論では「受注額が低く、受注したために倒産する事態も起きている。入札も初めから地元を締め出しており、あらゆる分野で地域に金を残らないようにされているのではないか」「積算からも30%引かないと受注できない。適正な単価の実現を求めて運動する必要がある」「循環型の仕事は地域にたくさんあり、小規模工事等登録制度など実績を上げている。住民・業者の視点でもっと獲得していけるものがあるはず。共同の運動で大手中心の発注にストップをかけられるのではないか」などと展望も含めて意見が出されました。
 討論を受け、報告した4人から「果てしない公共工事の価格破壊は社会的な害悪となっている。国民的運動を」「地域に仕事を取り戻すために統一戦線のようなものが必要では」「地域全体がよくならないと活性化にはならない。情報公開などで自治体の姿勢を世論で正し、地域の税金は地元優先で使えと攻めていこう」と積極的な話が続きました。
 岡田教授はまとめとして「市町村合併、三位一体改革などで自治体は変わろうとしており、自治体の調達のあり方や、どれだけ地元で調達できているか見ていく必要がある。地域で公契約にかかわる団体はたくさんあり、協力して公契約に関わる条例づくりなどをする必要があるのではないか」と指摘しました。
 閉会あいさつをした住江憲勇・全国保険医団体連合会副会長は「地方レベルでは官公需を地域循環型で考えていく余地はたくさんあり、業界の新たな課題が見えてきた」と述べました。
 
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