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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2864号 1月26日付
 
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国税通則法「改正」案は抜本修正を

 国税不服申立制度の改定に向けて、政府は国税通則法「改正」法案を国会に上程しています。行政不服申立制度の改定に伴う国税での改定案です。「改正」法案は、国民の権利・利益の救済に資するとは言い難く、納税者が勝ち得てきた国税不服申立てにおける権利を後退させることが懸念され、抜本修正が必要です。
 そもそも国税不服申立制度は、制度を定めた国税通則法が納税者の権利・利益の救済に資する視点を欠いていることに加え、納税者権利救済の観点から、さまざまな問題が指摘されてきました。
 行政不服申立制度改定の目的は、行政庁に対する「簡易迅速かつ公正な手続き」により、「国民の権利利益の救済」と「行政の適正な運営」を図ることとされます。
 「改正」法案では、不服申立期間の延伸や審査請求の口頭意見陳述での処分庁への質問規定、審査請求人による処分庁、国税不服審判所の手持ち資料の閲覧権の規定など、若干の改善はあります。しかし、行政手続法、行政不服審査法の適用除外が維持され、税務署・国税不服審判所による原処分庁よりの恣意的な審査体制をはじめ、納税者の権利・利益救済上の問題の多くが温存されたままです。
 とりわけ重大なのは、「異議申立て」が「再調査請求」に変更されようとしていることです。「異議申立て」に際して、「更正処分が正しいか、あるいは自主申告が正しいかどうかは納税者の所得のすべてを調査しなければ分からない」という口実で、「見直し調査」と称して「異議申立て」の取り下げや修正申告を強要するなど、不当な税務行政の現状をまったく省みないものです。国税通則法に不服審査についての規定が設けられる以前は、旧所得税法や旧法人税法に「再調査の請求」がありました。「再調査の請求」への名称変更は先祖返りと言えます。課税権力による横暴な質問検査権のさらなる濫用を許すことになりかねず、黙過できないものです。「異議申立て」の「再調査請求」への改悪は中止するとともに、すべての不利益処分に理由付記を義務づけ、裁判までの二重の不服申立て前置主義を廃止し、納税者の選択に任せるべきです。また、行政手続法や行政不服審査法の課税処分等への適用除外規定を撤廃するべきです。納税者の権利憲章を制定すべく、国民的運動を起こそうではありませんか。
   
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