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中小商工業研究所
 

第20回商工交流会 愛知に延べ1300人 多彩な成果を交流

 「中小商工業と地域の力で、幸せで公正な社会を」-。第20回中小商工業全国交流・研究集会(商工交流会)が2、3の両日、愛知県豊橋市で開催され、全国から民主商工会(民商)会員や研究者、自治体労働者、国・地方議員、大学生など延べ1300人が参加。中小商工業者の力で地域から循環型経済を発展させようと多彩で豊かな実践、研究成果を交流しました。中でも注目を集めた、パネルディスカッションA「地域振興の実践に学ぶ」と移動分科会「豊橋まちゼミ視察」を紹介します。

パネルディスカッションA 「地域振興の実践に学ぶ」

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パネル討論する(前列右から)飯田民商の尾崎さん、雲南市の板持さん、篠山市の竹見さん

 人口減少や高齢化が進むなか、どうやって住民の力を引き出し、どんな地域をつくっていけばいいか-。216人が参加し、カフェ経営者や自治体職員の挑戦から、未来を開くヒントを学びました。コーディネーターは元日本大学教授の永山利和さんが務めました。
 人口4000人の長野県阿南町で、昨年「おどもカフェ」を開業した飯田民商会員の尾崎真理子さんが、地域住民が気軽に集まれる場づくりの経験を発言。カフェでコーヒー教室やピザ教室、ヨガや演劇、演奏会などが行われ、住民同士の横のつながりが広がっている様子を紹介しました。
 総務省が行う「地域おこし協力隊」への応募を機に阿南町へ移住した尾崎さんは、地域の人たちの思いに触れ、開業を決意。つながりを大切にしながら仕事をするやりがいと展望を語りました。
 高齢者の見守りサービスや災害時の助け合いなど、住民が主体となって解決している事例について報告したのは、島根県雲南市地域振興課の板持周治さん。小学校区程度の地域で女性グループや高齢者の会、文化サークルなどの自治組織が、自治体の支援や補助を受けながら活動していると紹介しました。
 「空き店舗を活用し、産直市とサロン機能を兼ねた『笑んがわ市』を週1回開催」「安心生活見守り事業として、市水道局と委託契約し、毎月全世帯を訪問し、高齢者に声を掛けている」「災害時に助け合いができるよう、全住民の情報を把握する『福祉カード』を作成」などの多彩な内容に注目が集まりました。
 兵庫県篠山市創造都市課長の竹見聖司さんは、空き家や空き店舗対策事業を紹介。空き家を活用して新規開業する事業者の設備投資を支援し、13年までに48店舗が開業したと紹介しました。
 暮らしに結びついた産業の育成に力を入れ、空き家に宿泊し、近隣のレストランで食事をする「城下町ホテル構想」や古民家再生プロジェクト、地域で事業を行う人のための「イノベータースクール」などが民間NPOの力を借りながら発展していることを話しました。
 参加者からは、「住民と自治体との円滑な関係の作り方は?」「コミュニティー再生のために自治体はどんなことに苦労したか」などの質問が相次ぎ、住民の力を引き出しながら、自治体と連携して地域づくりを進めることへの高い関心が寄せられました。

移動分科会(1) 豊橋まちゼミ視察

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第3回豊橋まちゼミで靴磨き講座を開講した「靴修理ラジアン」の杉浦徹さん(中央)

 3日午前の移動分科会「豊橋まちゼミ視察」に20人が訪れました。店主やスタッフが講師となり、専門的な知識・技術などを自店で、少人数の客に、無料で教えるミニ講座。客・店・街の“三方よし”の地域内経済循環を高める取り組みです。
 靴磨き講座の講師は「靴修理ラジアン」店主・杉浦徹さん。「10年履ける靴に育てる革靴ケア方法」について講義しました。
 「クリーナーで汚れを落としたら、靴がスッピンの状態。靴クリームで栄養を与えましょう」「硬く腰のある豚毛のブラシで勢いよくブラッシングしたら、布のグローブで拭き取って終了。防水スプレーや消臭スプレーをサッとひと吹きすれば長持ちする」などと説明しました。
 「靴ひも交換の目安は?」「靴磨きの頻度はどのぐらい」など受講者と気軽にやり取りしながら、40分余りの講座を終えました。
 まちゼミ初参加の三浦まさみさんは、お気に入りの茶色のブーツが「見違えるようになった」とニッコリ。
 「勉強になったので、機会があれば、別の講座にも参加したい」と意欲的でした。
 講師を務めた杉浦さんも、今回がまちゼミ初参加。7月、市の郊外から中心部へ移転したのを機に「仲間入りしたい」と参加を決めました。期間中(9月1日〜10月1日)(1)靴磨き(2)革小物作り(「かわいい」「使える」革小物作りましょ)の2講座を各3回、定員4人ずつで開催します。
 「まちゼミは女性の受講者が多い。手入れすれば、愛着も湧き、長く履いてくれるので、結果的に商売にもつながる」と、手応えを感じていました。
 視察した伊東久雄さん(神戸北)=建築内装=は「いろんな種類の靴に対応し、ピカピカにしたのはさすが。受講者も喜んで帰られたと思う」と話していました。

▽商工交流会とは=1981年、大阪で第1回を開催。「中小商工業の現状を踏まえ、その役割や運動を分析するとともに、政府や大企業の政策動向も検討し、国民諸階層と連帯して中小商工業の多彩な発展方向を探る」ことが目的。近年は2年に1度開かれ、愛知での開催は、35年ぶり。

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