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  トップページ > 方針・決議 > 全国商工新聞 第3025号 6月4日付
 
方針・決議
 

全商連第50回定期総会方針

一、開催にあたって
二、情勢の激動と民商・全商連の立場
三、危機打開の運動を強め、緊急切実な要求実現に全力を
四、大増税を阻止し、民主的な税制・税務行政の確立を
五、憲法を生かし、平和・民主主義を守る運動を
六、60年の歴史に学び、道ひらく強大な民商・全商連の建設を
七、助け合い共済の運動発展を
八、業者婦人対策の強化を
九、業者青年対策の強化を
十、60周年を新たな出発点に

一、開催にあたって

 民商の全国組織である全商連は昨年、創立60周年を迎えました。
 60年の歩みは、中小業者の営業と生活、権利を守る「紆余曲折に満ちた苦難と創造の道のり」でした。道理と団結、国民共同を絶えず追求することで、実現できた成果の多くが民商会員だけでなく、広く中小業者の地位向上に生かされてきました。
 また民商・全商連が蓄積してきた運動の理念や政策提案は過去にとどまるものではありません。東日本大震災に際しての取り組みにも示されているように、激動する情勢に立ち向かう力として脈々と息づいています。全国の仲間の助け合い精神や、現場に直結した機敏な要求相談、権力に対しても道理に基づき、堂々と要求の実現を迫るたたかいなど、歴史と伝統が創造的に生かされています。
 いま、日本の政治経済は大局的に見て、広範な国民と大資本の利害対立が高まり、持続可能な社会をどうつくるのかをめぐり激しいせめぎ合いが強まっています。
 庶民の社会的基盤として、中小商工業の存在意義を国と地方の政策に位置づけさせることこそ、「中小業者運動のナショナルセンター」である民商・全商連の使命です。
 歴史的に試され確かめられてきた「民商・全商連運動の基本方向」と、政策提案を集大成した日本版・小企業憲章(案)を力に、中小業者が希望の持てる新時代を築くたたかいを進めましょう。

二、情勢の激動と民商、全商連の立場

 1、苦難の広がりと大震災による国民意識の変化
 広範な中小業者・国民は、経営と暮らしの深刻な苦難に直面しています。
 働いてもまともな収入を得られず、生活費の確保に家族が副業を掛け持つ状態が広がっています。また、大企業が低賃金の非正規雇用を増やしたことで、働く者の報酬は減り続け、消費不況に拍車がかかっています。生活保護受給者が拡大の一途をたどるとともに、孤立死も大きな社会問題になっています。
 被災地では懸命の努力が続いています。多くの被災者は身近な命の喪失に今なお心を痛めつつ、将来不安を募らせています。しかし、不自由を強いられる仮設住宅や避難先でも助け合い、またがれきの撤去・分別や放射能被害への賠償に力を合わせています。
 こうした中で、大震災を契機に、国民の意識は大きく変化しています。
 被災者と心を一つにした復旧・復興を通じて、地域のつながりや生活の支援とともに、庶民に働く場を提供する、生業(なりわい)の再建が不可欠であることを多くの国民が理解し始めています。
 また、福島原発災害が将来にもおよぶ甚大な被害を広げる中、原発の「安全神話」は完全崩壊するとともに、各地で節電とエネルギー転換を求める世論と運動が高まっています。そして、大企業には1円も拠出させない「復興財源」が決定され、さらには大企業優遇と引き換えに社会保障改悪と消費税増税が画策される中で、「税金のあり方と使い道」に対する根本的な批判が呼び起こされています。
 生業やエネルギー、税に対する考え方が変化する中で、広範な中小業者・国民の間には、人間復権に向けた新たな模索が広がっています。

 2、民主党政権の悪政と政策転換に向けた課題
 「国民の生活が第一」の公約を掲げた民主党政権でしたが、鳩山、菅、野田と首相が3代にわたる中で、中小業者・国民の願いを裏切る悪政を重ねてきました。沖縄・普天間基地問題では、辺野古新基地建設の方向へと逆戻りし、消費税問題では「4年間は増税しない」の公約を投げ捨て、政府・財務省あげた悪宣伝を広げ、果てしない増税を狙っています。
 さらに関税撤廃と外国資本への市場開放へ、TPP(環太平洋連携協定)参加に向けた事前協議を国民に非公開で進めています。大震災の復興計画も、経済「特区」構想や東電の免罪など、財界・大企業の意向を優先させる態度に終始しています。加えて、労働者派遣法改定案を完全に骨抜きにし、わずかに残った「看板公約」の子ども手当や高校授業料の無償化さえ放棄しようとしています。
 見逃せないのは、これらの悪政を野田政権がアメリカ・財界言いなりの卑屈さで、自民・公明両党とともに推進していることです。さらに国民の政治不信を逆手に取って、民意切り捨ての選挙制度改悪や地方からの独裁政治づくりが広がっていることも重大です。
 広範な国民は、民主党政権の暴走に強い憤りを持ちつつも、自民・公明政権時代への逆戻りにも強い抵抗感を持ち、政治に厳しい批判の目を向けています。
 弱肉強食を広げた構造改革との決別や、消費税に頼らない税制、国民の平和的生存権を守る憲法の擁護・発展こそ、国民的課題です。

 3、中小業者の役割が評価される社会への展望
 世界的に、貧困と格差の拡大や、繰り返される恐慌の危機、投機マネーの暴走による通貨の乱高下とリストラ競争、そして環境破壊・資源枯渇などの問題が多発しています。そのことが背景となり日本でも、ものづくりを台なしにする逆輸入や金融資産を食い物にする詐欺的投機も広がっています。
 それだけに、持続可能な社会の実現に力を合わせ、また多国籍大企業を中心に広がる人間の「使い捨て」や資源の浪費を規制するたたかいが求められています。
 民商・全商連は、民主党政権が悪政の推進にのみ熱心で、閣議決定した中小企業憲章を何ら具体化しないもとで、創立60周年を期して日本版・小企業憲章(案)を発表しました。この憲章(案)は、憲法が規定する民主的諸権利を生かし、中小業者の営業の自由が実質的に保障される社会の建設をめざすものです。
 税制に生活費非課税の原則を貫くなど、庶民が生き、暮らし、働く基盤づくりを進めることが、中小業者の存在意義を鮮明にします。
 また不公正な取引を是正する制度・体制が確立されるなら、多くの中小業者の創意は発揮され、大企業の横暴を正して、経済力の集中を防止する力になります。
 そして、均衡ある内需拡大と地域循環型の経済・エネルギー政策を推進していくことで、主権を確保し、地域経済を振興できます。
 国民の圧倒的多数を極度の生活不安に追い込む社会のありようを根本的に転換させ、中小業者の社会的・経済的役割と可能性が大きく発揮される社会の実現こそ求められています。

三、危機打開の運動を強め、緊急切実な要求実現に全力を

 激動に対応した危機打開や震災復興、原発賠償に力を合わせてきました。被災地と全国が連帯した救援・復興は希望の火をともすとともに、「さすが民商」と確信を広げています。
 しかし一方でアメリカと日本の独占資本の横暴勝手はとどまるところを知りません。TPPへの参加協議とは、日本国内のあらゆるルールをアメリカ標準にしたい米通商代表部などの思惑と、これに追随し多国籍大企業の国際競争力を何より優先したい日本財界の狙いを重ね合わせるものに他なりません。また原発事故を通じて日本の政官財のみにくい癒着に、学者やマスメディアを加えた「原発利益共同体」の害悪が白日の下にさらされたにもかかわらず、日米合作の原発推進へ偽りの「事故収束宣言」まで出し新たな安全神話を広げているのです。それだけに大企業を民主的に規制するとともに、アジアでの経済覇権を強めるアメリカの横暴を許さない運動の強化が求められます。
 民商・全商連は今後2年間、中小業者運動のナショナルセンターとして、要求での一致と対等・平等の原則を堅持して国民共同を広げるとともに、中小業者の大同団結の発展に力を尽くします。

 1、仲間とともに仕事おこしと顧客拡大を
 日本の前途を切り開くためにも、業者人生を通じて精魂込め培ってきた技術・技能や専門知識を葬り去るわけにはいきません。
 被災地でも仲間の支援や常連客の励ましを受け、「負けてはいられない」と立ち上がり、営業再開に力を合わせています。中小業者がその地域で商売をしていること自体が社会貢献です。
 持続可能な地域社会の構築に中小業者がどう力を発揮していくのか、「商工交流会」や「商売を語り合う会」などで大いに深め合います。
 中小業者のものづくりを守り発展させます。
 環境への配慮や省エネ・節電、再生可能エネルギーの普及につながる新技術の開発などで、中小業者の力の発揮を促す制度の創設を要求します。
 街のオアシスである料飲業の活性化へ、オリエンテーリングに挑戦します。街ににぎわいを取り戻すため、観光協会や地域業者との協力共同を広げます。
 風土や地域の特徴を生かし、環境保全や防災・安全確保の取り組みを仕事おこしに生かします。
 スローライフやフェアートレードなど癒やしや人間性回復に役立つ商売も探求していきます。

 2、経営力を強化し、官公需施策の活用を
 この間、住宅リフォーム助成制度を仕事確保に生かしてきました。業者団体との共同を広げ、経済波及効果の大きさも示して粘り強く働きかけることで、自治体が施策の有効性を認め、民商が制度の窓口団体になるところも生まれています。より多くの自治体で制度を創設させるとともに、使い勝手の良い制度への改善を要求します。
 被災業者支援では、店舗・工場など事業用資産への直接補助制度を実現してきました。この成果は被災者支援の充実を求める運動の積み重ねをふまえ、自治体施策がリード役となって国の支援策も改善してきた画期的なものです。
 しかし一方で、全国的に公共工事の入札不調が相次いでいることは重大です。ダンピングの広がりに加え、過度な競争により落札価格を競り下げる手法さえ用いられています。
 物品調達を含め官公需の地元優先発注や分離分割発注の強化を迫ります。

 3、制度改善に力を合わせ、粘り強い融資獲得運動を
 資金繰り対策を強め、金融機関に融資実行の努力義務を課す金融円滑化法を二度にわたって延長させ、また住宅ローン金利を引き下げる成果も広げてきました。
 しかし、金利引き下げに応じない公的金融機関やメガバンクなどの対応が際立ってきており、その是正に粘り強く取り組むことが求められます。
 地域金融機関との懇談を積極的に行い、地域業者への支援や預金額に対する貸出し割合を高めるよう促します。国に対して、金融円滑化法の恒久化や資金を地域に還流させる「日本版・地域再投資法」の制定を要求します。責任共有制度を廃止させ100%保証の復活をめざします。「融資は権利」と金融対策を強めます。
 自治体リストラや外資のもうけ口拡大を理由にした制度融資の破壊を許さず、返済期間の長期化など制度の改善を求めます。併せて、被災地での二重ローン対策の実効性を高めるよう事業者再生支援機構や国、自治体に働きかけます。

 4、公正取引ルールの確立と業種別対策の強化を
 下請け代金の不払い解決に力を合わせるとともに、公共事業に携わる下請け業者や労働者の最低賃金を保障する「公契約条例」制定運動を広げてきました。また、中小業者の取引実態を示して公正取引委員会と交渉し、不当廉売の繰り返しが課徴金の対象になることや親会社からの2割、3割のコスト削減要求が優越的地位の乱用に当たることを明らかにしてきました。被災地では、復興に伴う、建設需要が高まる中で単価たたきや工事代金の不払いが広がっているだけに、不公正取引を是正する制度の確立は不可欠の課題です。
 下請け代金法や建設業法に基づく違法行為の取締りを強化させるとともに、公正取引委員会が経済民主主義の原点に立ち返った役割を果たすよう働きかけます。
 財界が要求する独占禁止法の審判制度の骨抜きを許さず、被害救済への違反金制度創設を要求します。建設業の下請け代金支払いについて元請け責任をより明確に果たさせる行政指導の強化を迫ります。

 5、原発をなくしエネルギー政策の転換を
 原発偏重のエネルギー政策の下、独占的利益に大企業が群がり、メディアや学界・学校教育を買収して虚飾に満ちた「安全神話」を振りまいてきたことは言語道断です。
 「原発なくせ」の行動に立ち上がるとともに、完全賠償を求める運動を発展させます。事実を伏せ、被害を過小評価する紛争審査会に対し、実態に見合ったあらゆる損害の賠償を要求します。
 福島原発災害での放射能の除染と安全確保、仕事・雇用対策に政府が早急に取り組むよう迫ります。
 原発の再稼働を許さず、すべての原発の計画的廃炉を要求します。
 安易な電気料金の引き上げを許さず、原発の再開・温存のための予算廃止や電気料金算定根拠の公開を求め、あらゆる経費に独占的利潤を上乗せする「総括原価方式」の見直しを働きかけます。
 原発に依存しない地域づくりを自治体に働きかけるとともに、業界懇談会やシンポジウムに取り組みます。原発ゼロをめざす海外の経験や中小業者政策の実態を調査・研究し、地域の特性を生かした再生可能エネルギーの普及・発展に力を発揮します。

 6、いのちと健康を守る社会保障の充実を
 社会保障削減の悪政継続が国民に苦難を広げています。国が社会保障への責務を果たすよう運動を広げます。払いきれない国保料(税)の引き下げを迫るとともに保険証の無条件交付、介護保険料の負担軽減、医療費一部負担金の減免制度拡充などを要求します。
 リストラを推進する大企業に対して、削減した人件費に応じた社会保険料を国保財政へ拠出させる仕組みの創設を国に要求します。国保行政の都道府県への委任をやめさせ、年齢で差別する後期高齢者医療制度を元の老人医療制度に戻すよう働きかけます。
 いかなる理由であれ、年金の差し押さえは許せません。物価と連動した年金支給額削減の仕組みを廃止させ、消費税を財源としない最低保障年金の創設を国に迫ります。
 雇用調整助成金について支給期間の延長などを働きかけるとともに、社会保険制度の改善と延滞金減免を要求します。
 生活福祉資金貸付制度の運用改善を社会福祉協議会や国、自治体に働きかけます。

 7、自治体と公務労働の役割発揮を促す共同を
 「働く貧困層」を増大させ、国民に犠牲を強いてきた構造改革路線への批判を公務員攻撃にすりかえ、さらに悪政を推進する手法を許すことはできません。
 財界は、地方を大企業優先の活動基盤にする「道州制」や公共サービスをもうけ口にする策動を強めています。その一方で公共部門にまで及ぶ規制緩和や地方切り捨ての自治体合併が住民サービスを大きく後退させ、被災地では復興の障害になっています。
 公務労働者の非正規雇用はすでに3割を超えていますが、さらに公務員攻撃が広がるなら、民間労働者の労働条件の改悪にもつながり、消費の低迷さえ誘発します。
 地方自治体は、官公需や制度融資、医療や教育、最低生活の保障など、「住民の福祉の増進を図る」大切な役割を担い、公務労働者は憲法擁護の義務を負っています。積算単価の算出や地域経済振興条例の制定、税金の徴収猶予などに携わる公務労働が本来の役割を発揮できるよう懇談を強めます。

四、大増税を阻止し、民主的な税制・税務行政の確立を

 徴税の嵐の中で、民商・全商連は納税者の権利を守ってたたかってきました。「控除から手当」という民主党の税制改革の欺瞞性を暴露するとともに、違法不当な税務行政の実態を告発し、国税通則法の改悪とたたかってきました。そして、消費税闘争では増税反対の世論を急速に巻き起こしつつ、転嫁問題や輸出戻し税への注目を広げてきました。
 民商・全商連は、税金闘争の積み重ねを通じて税制・税務行政のあるべき姿を示す「納税者の権利宣言」を第4次案まで発展させています。ここには憲法が要請する応能負担の原則などが示され、たたかいの力にしてきました。また、税務行政の適正手続きについても「納税者の権利憲章」を2次案まで発展させてきました。違法不当な調査にとどまらず、むごい徴収が広がる中で、納税の猶予を権利とし財産権や幸福追求権を擁護する力にしてきました。
 消費税闘争の歴史は、増税をたくらむ内閣を国民世論で次々と退陣に追い込んできた歴史でもあります。納税者の権利に対する国民的理解を広げ、消費税闘争を前面に、民主的な税制・税務行政の確立をめざして全力でたたかいます。

 1、総力を上げた消費税闘争の推進を
 消費税率引き上げを許すわけにはいきません。消費税は最悪の大衆課税であることを広く国民に知らせ、廃止への展望を開きます。
 国民の可処分所得が減り続ける今日、消費課税を増やせば景気が底割れし、経済の悪化が税収減をもたらし、財政危機をより深刻にすることは必至です。
 中小業者には営業破壊税です。赤字でも納税を迫られ、取引の力関係によって転嫁もできません。しかも、煩雑な納税実務を見返りもなく強いられ、税務当局の一方的な判断で、売り上げの5%の納税を強要する仕組みが設けられています。
 輸出大企業には徹底して有利な税金です。どんなに下請け単価をたたいても、大企業の仕入れにかかる消費税が還付される仕組みがあります。そして、人件費を外注化すれば消費税の納税額を減らすことができることから、若者の将来を奪うリストラ促進税制にもなっています。
 「社会保障財源」や「財政危機」という国民だましを許さず、増税反対の共闘の発展に力を尽くします。中小業者に損税となる性格などを明らかにし、業界団体との共同を強めます。仕入れ税額控除否認の規定廃止や、記帳要件の緩和を要求します。免税点の引き下げや簡易課税制度の改悪に反対します。

 2、大企業優遇税制をやめ、応能負担の原則を
 庶民増税と大企業・大資産家への特権的な減免税を繰り返す愚策は断じて許せません。
 所得控除が相次いで廃止・縮小され、震災復興の財源も庶民にだけ強いられています。
 これに比べ、大企業・大資産家に対しては、世界に類例を見ないほどの優遇措置が積み重ねられています。自民党政権時代から度重なる法人税減税や租税特別措置に加え、研究開発減税の上乗せ措置さえ実施されています。また、富裕層は所得税や住民税の最高税率引き下げとともに、証券優遇税制によって莫大な恩恵を受けています。
 この不公平を是正するためにも憲法が要請する応能負担の原則こそ求められています。生活保護基準に満たない課税最低限の引き上げや自家労賃を経費として認める税制の実現をめざします。生活支援と生業再建のため、被災者の雑損控除の簡素化や原発賠償金の非課税措置を迫ります。
 大企業の「国際競争力」強化を何より優先する異常な税制を正す世論と運動を強めます。法人税減税の即時中止や大企業向け租税特別措置の廃止を要求し、「富裕税」の創設を求めます。輸出大企業の補助金となっている「輸出戻し税」の廃止をめざします。

 3、改悪国税通則法対策を強め、納税者の権利確立を
 民主党政権は、消費税中心の税制をめざし、国民監視と税務行政の強権化へと突き進んでいます。
 社会保障と税の共通番号である「マイナンバー」導入、インボイス(税額票)制度や歳入庁創設など許しがたい策動を強めています。「聴取書」に印を押させ5年、7年とさかのぼり、1万円の追徴に重加算税をかけるなど常軌を逸した制裁行政が広がっています。
 人権侵害の税務行政を許さず、納税者の権利を守るたたかいは、納税者の権利憲章実現への新たな展望を開き、税務行政に適正手続きを根付かせ、民主主義の発揚につながります。
 国税通則法改悪後の徴税強化を許さず、事前通知や是認通知の実施を迫り、調査決定内容を説明する規定などを実践に生かします。「税務調査の10の心得」、「滞納処分から身を守る10の対策」を力に、税務当局への機敏な抗議・要請を強め、申告納税制度の擁護・発展をめざします。
 仲間と力を合わせて粘り強く納税緩和措置の適用を迫ります。不当な徴税行政を許さず、差し押さえ禁止財産の範囲を広げるよう税務当局に要求します。調査と徴収の広域化による人権侵害をただします。
 記帳を要求運動とし班や支部で、得手と条件を生かしながら自主記帳・自主計算活動を強めます。
 3・13重税反対全国統一行動をあらゆる階層の共同行動として発展させます。

五、憲法を生かし、平和・民主主義を守る運動を

 「平和でこそ商売繁盛」を一貫した信条として、安保闘争に参加し、原水爆禁止運動の先陣を切り、憲法改悪阻止の運動に力を合わせてきました。
 今日、在日米軍基地のある地域ではどこでも再編・強化に反対する粘り強いたたかいを進めています。この中で、辺野古への新基地建設も普天間基地の固定化も断じて許さないという世論が沖縄県民の総意となり日米両政府を追いつめています。
 また、原水爆禁止・核兵器廃絶を願う国際世論が大きく広がり、国連事務総長も「核兵器廃絶の国際条約締結」を訴え、国連本部に日本原水協の署名が積み上げられるまでになっています。
 一方で、東日本大震災や原発事故を契機に、米軍と自衛隊の活動調整が深められ、日米軍事同盟を強化する動きが加速しています。同盟国との武器の共同開発や自衛隊の海外派遣国への武器供与を認めようとしています。また、国会で改憲論議を進める憲法審査会が動き始めています。
 それだけに、憲法の平和的・民主的条項を切実な要求実現に徹底して生かしてきた60年の活動に学び、平和と民主主義を脅かすあらゆる策動とたたかい、政治の革新をめざして奮闘します。

 1、在日米軍基地の強化反対、安保廃棄のたたかい
 日本に対米従属を強いる根源に世界でも異常な軍事同盟・日米安保条約があります。戦後67年が経過した今でも、国内には100余りの米軍基地があります。人口密集地で危険な訓練が行われ、アメリカ軍の事件・事故、米軍犯罪があっても基地の立ち入りや警察権が制約されています。米国の危険な世界的核戦略に組み込まれ、「思いやり予算」をはじめ「米軍再編関係経費」などに巨額の血税を注ぎ込まされています。さらに、TPPなどアメリカが市場開放や新自由主義に基づく経済政策の実施を迫り、狭い日本の国土に54基もの原発がつくられている根拠にもなっています。
 在日米軍の専用施設面積でも兵員数でも、その7割が沖縄に集中しています。全国が連帯し、地域経済の発展を阻害し、住民生活を脅かす米軍の新基地建設や移転・強化を許さない共同を広げます。
 憲法理念に反する安保条約の学習と廃棄の運動を強めます。

 2、核兵器全面禁止のたたかいの前進を
 核兵器のない世界への最大の障害となっている核抑止力論から脱却することが求められています。そして、核兵器廃絶の世論と運動を草の根から広げることがいっそう重要です。核軍縮の個々の部分的措置を前進させることと一体に、核兵器廃絶そのものを主題にする国際交渉を速やかに開始するよう働きかけます。
 福島の原発事故により、放射線の害悪が実感され、核兵器廃絶をめざす運動への新たな理解と共感が広がっています。
 放射性廃棄物の処理技術も未確立で環境を破壊し健康を脅かし続けるだけに人類とは共存できません。
 核兵器を使用するという脅しで自らを守ろうとする核抑止力論が歯止めのない核拡散を招いてきた事実を厳しく告発します。核実験中止と商売を守る要求とを結んでたたかってきた歴史や平和の尊さを学び、確信を広げ、核兵器廃絶の世論と運動を強めます。「核兵器全面禁止のアピール」署名を広げ、原水爆禁止世界大会の成功に貢献します。

 3、憲法改悪反対、民主主義の擁護・発展を
 平和を脅かし、人権を抑圧しようとする改憲派の動きを機敏にとらえ、憲法を守れ、の国民世論を広げます。
 憲法の平和主義に立脚する武器輸出三原則の形骸化や自衛隊の海外派兵・PKO参加の拡大に反対します。衆院比例定数削減や秘密保全法など民主主義を脅かす策動を許さない共同を大きく広げます。年間320億円にも上る憲法違反の政党助成金の即時廃止を要求します。
 政府、財界の主張や発表を無批判に広め、世論誘導に手を貸す巨大マスコミのありようが問われています。政治を劣化させた小選挙区制や失業・倒産を激増させた「構造改革」の推進キャンペーンをはり、財界言いなりの「二大政党」政治や消費税増税を先導するなど悪政加速に手を貸してきた姿勢は許せません。国民の知る権利を保障し、不偏不党、公正中立の立場で報道するよう働きかけます。
 選挙では、政治活動の自由を保障し合い、中小業者の切実な要求にどの政党・候補者が真剣に取り組んでいるのかを班や支部で集まって話し合います。
 全国革新懇の運動を強めます。

六、60年の歴史に学び、道ひらく強大な民商・全商連の建設を

 この2年間、60周年記念集会・式典を結節点として、民商の「値打ち」を押し出す組織建設を推進してきました。
 民商の「値打ち」は、大震災や原発賠償請求での助け合い精神の発揮とともに、要求運動のあらゆる分野とそれを支える仲間づくり、相談活動を通じて多彩に示されてきました。この「値打ち」を確信とした団結の力が、商工新聞読者前面の拡大に結実され、2年6カ月ぶりに30万人読者を回復・突破する原動力になりました。
 民商・全商連は、その歴史的な歩みの中で、「強くて大きい組織をつくることが要求実現の力」という立場を貫いてきました。また「組織の拡大・強化自体が中小業者の営業と生活の安定向上に深く結びついている」と誇りを持ち、会の財政も拡大を力に自ら生み出すことで、大企業にも、国や自治体にも、堂々と切実な要求の実現を迫ってきました。
 国民全体の幸福と固く結びついて奮闘する民商・全商連を、多くの中小業者・国民がいっそう必要としています。情勢の激動に立ち向かい、「増やしてこそ民商」の気概を発揮して、道ひらく組織の拡大・強化をめざします。

 1、真骨頂を発揮し、旺盛な対話・相談活動と持続拡大を
 民商・全商連は、助け合いの相談活動に取り組み、「困った時には力になる」という真骨頂を発揮してきました。デフレ不況が続くだけに、要求を掘り起こす対話運動と親身な相談活動の発展が求められています。
 対話運動は、地域業者の意識と要求の変化をつかみ、民商運動との接点を広げる取り組みです。署名には「民商運動が何をめざしているか」が端的に示され、多くの会員が家族以外にも勧められるなら、民商の「値打ち」を語る力は高まります。
 経営や暮らしの諸制度がめまぐるしく変貌しているだけに、中小業者に役立ち、また実益獲得にもつながる「生きた情報」の交換と発信を強めることも大切です。
 「集まって、話し合う」ことで、独立自営に込めた自負や権利意識を呼び覚まし、また「相談し、助け合う」ことで、権利主張の根拠を明らかにし、要求解決に力を合わせます。
 相談活動の担い手に若手をどう増やすかの検討を深め、金融・経営要求への対策を強めます。
 「民商で良かった」の思いを全会にみなぎらせます。インターネットなど多彩な宣伝媒体の効果的活用を強めます。
 会員の多様なつながりも生かした紹介と結び、読者前面の拡大を推進するとともに「読者から入会へ」の拡大を追求します。持てる力を総結集し30万読者からの新たな前進と会員増勢に挑戦します。

 2、地域と全国を結ぶ商工新聞をあらゆる活動の中心に
 全国商工新聞は、商売に役立ち、業者人生を励まし、苦難打開の知恵と力を系統的かつ新鮮に発信しています。画一化された情報が氾濫しているものの、小企業・家族経営の役割が発揮できる本物の知識・情報を得るのは難しい時代です。商工新聞をよく読み、感想を出し合うことで、同じ中小業者の苦労や成功、失敗も含めて学び合い、商売に生かすことが大切です。
 「中小業者の大同団結と平和的・民主的日本の建設に貢献する」という創刊の精神は脈々と受け継がれています。あらゆる業種・地域を網羅し、国民共同の発展にも役立てられています。民商・全商連の機関紙として、全国の仲間と直結することで、制度の枠にとどまらない中小業者の苦労を明らかにし、要求実現の多彩なたたかいに生かされています。
 商工新聞は大企業に支配される多くの商業マスメディアと違い、権力の情報操作と無縁です。「読み、増やし、配達し、集金し、通信を送る」仲間の努力で自立した報道を続けています。
 よく読み、ニュース・通信を作成・送付する活動を強め、双方向の紙面づくりを発展させて、商工新聞の魅力を高めます。相談活動の強化にも積極活用します。
 商工新聞が、民商・全商連の運動、組織、財政を統一的に前進させる中心であることへの理解を会員に広げ、配達・集金活動を大勢の仲間で取り組みます。

 3、助け合いを強め、読者のつながりを生かす班・支部活動を
 お互いの経営や暮らし、健康を気遣って、励まし助け合えるのが班・支部活動です。この取り組みを通じて、多くの会員が仲間意識を強め、民商の「値打ち」を体感していることが、末広がりの読者拡大を広げる力にもなっています。
 班・支部活動への援助を強める民商では、世代の違いを超えた仲間づくりが強められ、若い力を育てる取り組みも広がっています。民商三役を経験したベテラン会員が支部役員となり、時間に追われる若い支部長を補佐して信頼と運動への確信を深めている貴重な経験もあります。
 民商とともに歩んできた長年の業者人生はそれ自体、若い世代の商売や人生にとっても示唆に富んだ豊かな内容を持ちます。異世代の交流も生かし、支部での相談活動を強めます。
 いま、地域に根ざす班・支部活動を充実するために、商工新聞読者のつながりを生かす努力も求められています。読者への働きかけに知恵やアイデアを出し合うことが大切です。
 班・支部が担当する地域ごとに「どこに読者がいるのか」を明らかにし、配達・集金の機会や独自の読者訪問を通じて、民商の催しや署名運動への賛同を呼びかけるなら、信頼を高め、運動発展の展望を広げ、購読継続の力になります。

 4、質量ともに学習・教育活動を強め、制度学習の推進を
 「運動しつつ学び、学びつつ運動する」という民商の優れた伝統を生かし、共通性の高い要求で適宜、学習の機会を設ける取り組みが広がっています。納税者の権利学習や、仕事おこしにつながる制度の説明会などでは、会外の中小業者にも参加を呼びかけ、読者や会員の拡大に結実させています。
 民商・全商連運動の歴史や理念、積み重ねられてきた政策提案への確信を実践的に深めることが大切です。「自主計算パンフ」には税金に関するあらゆる局面で、権利主張に必要な心得や対策が法令や行政文書、国会答弁などとともに紹介されており、系統的に学ぶことで相談員を広く育成できます。
 制度学習を生かし、民商や支部の役員、班長、新会員、事務局員対象の研修を強めます。
 参加機会を保障するよう、日時・場所を設定し、丁寧に呼びかけます。「民商・全商連の60年」史も活用して講義内容を充実させ、参加者の発意を引き出す運営に努めます。新任役員や共済会・婦人部・青年部の各役員への働きかけを強めます。商工新聞とともに、月刊民商を役員、事務局員の学習に生かします。
 新会員歓迎学習会を定期的に開催し、班・支部とのつながりができるよう、講師も民商三役から支部役員へ広げます。商工新聞の配達・集金活動を励まし合う機会を設けます。

 5、団結を強め、運動の発展を保障する組織運営を
 団結を宝とし、運動の成果や民商の「値打ち」を会員の確信にする取り組みが求められています。
 大切なのは、毎年の「基本調査」結果を単なる数字とせず、活動改善に生かすことです。
 一回一回の機関会議を充実させ、運動の前進に向けた気概や責任感を確認し合う討議を通じて、月サイクルの活動を確立します。また活動の具体化と実践を促進するため、委員会・専門部のあり方を検討し、機関会議と班・支部活動の活性化に役立てます。
 会員への目くばりとともに、役員も互いの商売や悩みを率直に話し合える関係を築きます。ニュースや実績パンフを発行し、会員に相談内容や運動の様子、成果を系統的に知らせます。
 こうした組織運営の活動改善とも結び、運動体にふさわしい財政活動を強めます。
 一人ひとりの会費と商工新聞紙代が、民商・全商連の財政を支えていることへの理解を広げるとともに、未収克服を強め、長期未収者にもきめ細やかな対応に努めます。月末も、相談活動や力を集中した拡大行動が取り組めるよう15日集金への協力を広く呼びかけます。
 「規約」を守り合い、「基本方向」が示す運動のあるべき姿への理解を広げるため、役員会と事務局が力を合わせ、不断の努力を進めます。

 6、県連の役割発揮と事務局活動の改善・強化を
 相談が困難かつ複雑になり、2人以下の事務局体制の民商も増えているだけに、県連の役割発揮が不可欠になっています。県連として、役員を中心にした困難解決事例の集団的検討を進める取り組みや、県内の少人数の事務局や新事務局員が「運動の共同の推進者」として役割を学べるよう、県連三役を先頭に援助する経験も生まれています。
 民商は県連への結集を強め、要求解決の知恵交流や政令市を含む自治体対策、業種別・問題別対策を推進します。また連帯感のある拡大運動に取り組みます。
 事務局員は、多くの会員が活動参加できるよう役員会と団結して活動を改善し、組織の拡大・強化で困難を突破する姿勢を堅持します。「中小業者の仲間」であり、「会の組織と財産を守る」という任務の基本とともに、政策的・組織的力量や正確・迅速な実務、社会的道義を深く身に付けることで、専従者としての誇りと大志を培います。民商での新事務局員研修を必ず行うとともに、全商連が主催する事務局員を対象にした学校への参加を積極的に保障します。

 7、節目を持った「目標と計画」の充実と総合力の発揮を
 今後の2年間、60年の歴史を力に道ひらく気概を持って強大な民商・全商連の建設に挑戦します。
 全国目標として対象業者数の10%(経済センサス基礎調査の基準で35万人)に接近する立場で、読者前面の拡大運動を系統的に推進します。すでに10%以上の読者や会員を組織する民商、県連は、多数派結集の大志を持って新たな前進をめざす拡大運動に取り組みます。
 会員拡大では、持てる力を総結集し、真骨頂を発揮した旺盛な相談活動の発展と「読者から入会へ」の拡大を推進し、20万人を超える会員勢力から後退させずに前進への反転攻勢を図ります。
 「地域にどんな民商をつくるのか」や「切実な要求実現にどう行動を起こすのか」を討議して夢とロマンある民商運動の発展目標を決めるとともに、「基本調査」も生かして仲間の自覚的な力を引き出す手立てを計画・確立し、その実現に力を合わせます。
 同時に、家族の要求を大切にし、相談し、力を合わせて困難を解決できる民商をめざします。
 共済会や婦人部、青年部の活動との関係からも商工新聞の魅力を明らかにして、読者拡大に力を合わせるとともに、班・支部に沿った総合力の発揮を進めます。
 民商会員とその配偶者の無条件加入を実現してきた助け合い共済の役割について、婦人部と共済会の懇談を深めるとともに、会員と家族に視野を広げて健康を守る取り組みを強めます。

七、助け合い共済の運動発展を

 民商の集団健診結果では「異常なし」が1割強しかなく、業者婦人も6割超が体の不調を訴えるなど、中小業者とその家族の健康破壊が進んでいます。家族の誰かが病気やけがで働けなくなれば、とたんに危機に直面するのが家族経営です。健康にまで気を配れない実態が広がるだけに、「目くばり、気くばり、心くばり」の運動が大切です。
 共済会の助け合い精神は、大震災の救援・復興でもいかんなく発揮されました。また60周年記念の大腸がん検診は、早期発見でいのちを救うなど今後につながる運動になりました。大事なのは、保険業法による規制から制度と組織を守ったたたかいと結び、充実された入院見舞の改善や免責期間の短縮などの制度改善を広く知らせ全会員加入を実現することです。
 同時加入をすすめ、民商会員とともに業者婦人の健康にも心を寄せ共済加入を高めます。また、班に共済係、支部に共済役員を確立し、いのちと健康を守る活動を強めます。
 大腸がん検診など一点検診を窓口にして、全会員参加の集団健診活動へと前進させます。
 いま、TPP参加で障壁の一つとして共済がアメリカから名指しされていますが、この攻撃は保険業法規制の策動と軌を一にしたものです。日米の保険資本の圧力を背景に共済をもうけの道具にする策動を許さず、助け合い共済を守り抜きます。
 共済会を民商運動全体の中により深く位置づけ、「より民商らしい共済」のあり方を探求していきます。

八、業者婦人対策の強化を

 震災救援では女性の要求にも心を寄せ支援物資を届けてきました。また、放射能から子どもを守ろうとしない東電に満身の怒りをぶつける姿に業者婦人の母性に根ざした力の発揮が示されています。
 多くの業者婦人は、パートを掛け持ちしながら家族経営を支え、あるいは女性の感性を生かした経営で頑張っています。暮らしと営業の見直し運動を通じて婦人部の活力が発揮されるなら、民商・全商連運動を豊かに発展させることができます。
 所得税法第56条廃止は、自治体の請願採択を広げ、政府がやる気になれば実現するところまで来ています。憲法に基づき、早急に家族従業者の働き分を経費として認めさせます。
 暮らしや健康に気を配り、国保料(税)の引き下げはもとより、出産育児一時金の増額・直接払いや就学援助制度の拡充を要求します。放射能被害から母性と子どもを守る対策の確立を迫ります。
 業者婦人のつながりを強め商売交流を広げます。女性の視点を生かした開業要求や経営発展に応えられる民商をめざします。国・自治体に女性経営者支援施策の充実を求めます。
 会内のすべての業者婦人に声をかけ、すべての民商に会員比6割以上の婦人部をつくります。総合力の発揮をめざし、役員・世話人を増やすことを援助します。

九、業者青年対策の強化を

 「まともに生活できる仕事を」と階層を超えて青年の共同行動が取り組まれています。大企業の横暴野放しで「非正規雇用の職しか選べず、使い捨てられる」異常事態が続くだけに、民商・全商連には、独立自営の道を選ぶ青年たちへの支援強化が求められています。
 民商青年部には、互いに生き方を模索し商売の魅力や可能性を語り合える仲間がいます。全国業者青年交流会への参加を契機として、民商運動に魅力を見出し、青年部活動を活性化させている経験も広がっています。また民商・全商連は、大学と連携したインターンシップ(就業体験)にも取り組んできました。受け入れた会員の自信と誇りを呼び覚ますとともに、大学生にも「もうけ本位の大企業とは違う」と受け止められ、成長する機会となっていることは重要です。
 事業継承を応援し、また新規開業対策を強めて、業者青年に魅力ある民商建設を進めます。
 業者青年実態調査の結果を生かして、青年部の活性化を援助し、交流・懇談を深めます。青年部を卒業後も商工交流会運動や民商まつりなどで活躍できる機会を広げます。次の時代を担う業者青年が民商運動の理念や歴史、役割を学べる機会を増やします。

十、60周年を新たな出発点に

 国際的にも類のない中小業者自身の自主的・民主的な組織として築き上げられてきた民商・全商連の運動は、世界に誇りうるものです。
 民商・全商連運動の歴史は、幾多の困難・障害を一つひとつ乗り越えてきたたたかいの歴史に彩られています。いまこそ、団結して「負けてたまるか」「つぶされてたまるか」の気概を発揮するときです。
 60周年を経て迎えたこの第50回総会を新たな出発点に、創立の精神として確立してきた「三つの理念」を発展的に生かしてたたかっていきます。
 中小業者が、平和で豊かな社会、地域に根ざし地域とともに繁栄し、その役割を発揮できる社会をめざして、中小業者・中小業者団体の皆さんと団結し奮闘しましょう。

全国商工新聞(2012年6月4日付)
   
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