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  トップページ > 全商連の活動 > 全国商工新聞 第2947号 10月18日付
 
全商連の活動
 

払いきれない社会保険料 厚労省が強健徴収を謝罪=全中連 7省庁交渉


 全国中小業者団体連絡会(全中連)は4日、厚労省、中小企業庁、金融庁、国土交通省など、7省庁と交渉し120人が参加。厳しい実態を告発するとともに、仕事確保など中小業者への支援策や金利引き下げ、金融円滑化法の延長などを求めました。同時に「消費税増税をやめ、国民・中小業者の暮らしと経営を守れ」の請願署名を持って地元国会議員に要請しました。

関連記事

払いきれない社会保険料
厚労省 強権的徴収を謝罪
 「社会保険料の行き過ぎた徴収は遺憾であり、おわびする。借金取りのような対応をするのは言語道断」―。厚生労働省は、交渉の場で本紙(10月4日号)で取り上げた石川県金沢市のTさん=自動車販売・車検修理=が社会保険料を強権的に徴収されている問題に対して謝罪し、金沢北年金事務所の対応を指導する方針を示しました。
 また、「分割納付の念書を取り交わし、納付履行を行っているのであれば、機構側が一方的に念書を破棄してはならない」「社会保険料の滞納徴収は、国税徴収法に準じる」「日本年金機構は公権力の行使を行うことから『公法人』として扱う。請願権は受け付けなければならない」と明確に回答しました。
 交渉には東京や広島、神奈川、兵庫、石川などから28人が参加。(1)国民健康保険(国保)の広域化推進をやめること。また国保法に規定のない「相互扶助」発言はやめること(2)正規の国民健康保険証を全員に交付すること(3)保険料の徴収にあたって納税者の実情を聞き相談に乗ること―など10項目を要請。「相互扶助」については「公的な場での発言であれば改める」と述べました。

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中小企業金融の円滑化などを求めて中小企業庁と交渉する全中連の代表

円滑な資金供給図れ
中企庁 「みなさんと同じ方向」
 中小企業庁に対しては、金融円滑化法の延長と中小企業金融の円滑化、下請けいじめなど不公正取引の禁止、閣議決定された中小企業憲章の具体化などを要望しました。
 円滑化法の延長については、「やめろ」という声は聞いていないとし、「過去の事故や免責、税金滞納の有無を問わず、中小業者への積極的な資金供給を図ること」や「債務返済猶予の実施対象にノンバンク、リース、サービサー、UR都市機構などを加えること」などについても「皆さんと同じ方向を向いている」と明言しました。
 日本政策公庫による融資の謝絶については「根拠も理由もなく謝絶しているのであれば、調査したい」と答えました。
 参加者は「取引先が倒産し融資を申し込んだが、愛知の保証協会は決算書がないと融資できないと、3カ月も待たされている」「政策公庫に融資を申し入れたが、妻と生計を別にしろ、別居しろなどといわれた」「軽貨物の事業を始めるため政策公庫に融資を申し込んだところ、契約書などを出しているのに採算面が不透明ということで断られた」「代金不払い問題で元請け業者と裁判をしているが、元請けが架空伝票を認める資料を出してきた。もう一度調査してほしい」などと実態を告発。終了後、個別に交渉しました。

第三者保証廃止せよ
金融庁 「年度内に監督指針を改正」
 金融庁には金融機関の金利引き下げや金融円滑化法の延長のほか、会社更生法適用の申請をした武富士の過払い金の返還を直ちに行うことなどを要請しました。
 金融円滑化法の延長について庁側は「経済動向、資金繰りの動向、金融機関の取り組みがどのくらい進展しているか、来年4月以降の延長を含め検討する。中小企業からのヒアリングの結果を注視している」と回答。
 また、第三者保証については「経営者以外の第三者の個人連帯保証人を求めないことを原則とする融資慣行を確立することを盛り込んだ新成長戦略に基づいて、監督指針の改正を今年度内に実施したい」と述べました。
 武富士の会社更生法適用の申請について、参加者から「過払い金負担を減らしたいためではないのか。200万人の被害者がいる。金融庁は管財人任せではなくもっと踏み込んで指導してほしい」と要望。
 個別事例で、アコムやSFコーポレーションの履歴開示拒否の問題を取り上げると「事実であれば法令違反」と明確に回答しました。

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建設業者の仕事確保への支援や「公契約法」の早期制定などを求めた国土交通省との交渉

適正な下請け単価に
国交省 「下請代金保全へ対策」
 国土交通省に建設業者の仕事確保や、国と元請けなどの公契約で下請け業者が適正な作業報酬を確保できる制度を確立すること、2省協定賃金(設計労務単価)の下落に歯止めをかけるための策定方法の見直しなどを要望しました。
 省側は「元請けから下請けにしわよせがいっている状況は認識している。『新たな下請代金保全検討委員会』を立ち上げ、対策を検討している」と説明しました。
 技能承継では「従業員10人のうち5人が50歳以上。1人の職人を育てるのに5年間で300万円の出費になる。在来構法を継承できる環境を整えてほしい」(新潟)と要望。「建設業界で55歳以上が33%、29歳以下が13%と高齢化が進んでいる。検討会を立ち上げ、ヒアリング調査をしている。若い人をどう呼び込むか、教育機関とも連携していきたい」と回答しました。
 2省協定賃金について参加者は「十数年間、下落の一方。市場調査で決めるので、下落するのは当たり前。災害などが起きても、低い単価のままでは建設労働者としての役割が果たせない」(山形)と策定方法の見直しを再度、求めました。
 また、山口県岩国市で起きている一次下請けの倒産による下請け代金の未払い問題を取り上げ、建設業法第41条に基づいて株式会社戸田建設が代金を支払うよう指導を要請しました。

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納税緩和措置の適正な活用を求めた国税庁交渉

"無益な差押"やめよ
国税庁 「法令に基づくよう指導」
 国税庁では「滞納整理にあたっては滞納に至った納税者の個々の事情をよく把握し、納付意思のある納税者には納税緩和措置を法令等に基づき適正行使すること」を要請。「納税者の実情を把握し、商売・生活が維持できるよう考慮し、法令等に基づき適正に処理するよう指導している」と回答しました。
 参加者が「国税徴収法にある"無益な差押"に該当するのに、自宅・工場を差し押さえられた」「廃業して大病を患い働けないのに生命保険を差し押さえると脅かされた」など不当事例を指摘すると、「関係部署に、適正に処理するよう伝える」と回答しました。
 あらためて任意の税務調査について、納税者の理解と協力を得て行うことを徹底するよう求めました。
 心臓の手術をしたため調査の延期を申し出たにもかかわらず、更正処分にされた事例や強制まがいの調査を受けた事例が告発されると、「関係部署に伝える」と約束しました。

地方税で要望
総務省 「機構に権限ない」
 総務省では地上デジタルテレビへの対応問題での要望や、地方税徴収行政にかかわって、生存権的財産の差し押さえ禁止、納税緩和措置を自治体に文書で周知徹底することなどを求めました。
 地上アナログ放送停波では、視聴難民問題や、旅館・民宿がテレビを大量に買い替えられない実態の訴えに対して「新年度からチューナーの無料支給対象者を、生活保護世帯を含むNHK受信料全額免除者から住民税非課税世帯まで拡大する方向。ホテル等の問題は、類似問題を持つ省庁にも対応を要請している」と回答しました。
 参加者は「滞納者の旅館や工場、自宅など生活・生業に直結する財産を差し押さえた」など、地方自治体の強権的な徴税の実態を告発し指導を求めました。
 地方税整理回収機構は「任意組織で徴収権限はない」とし、徴収、処分は市町村長の名で行っていると答えました。

   
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