全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 全商連の活動 > 全国商工新聞 第2812号 1月7日付
全商連の活動
 

新春座談会
悪政転換へ躍動の年に

要求実現できる新たな政治情勢をつかみ
民商の理念・役割を大いに語り全中小業者の中に入っていこう

PHOTO
右から志子田さん、二宮さん、国分さん、谷編集長の各氏
【出席者】
国分 稔さん 全国商工団体連合会会長
志子田 英明さん 北海道・帯広民商会長
二宮 厚美さん 神戸大学教授
司会・谷 正幸 全国商工新聞編集長

  あけましておめでとうございます。
 
国民が「ノー」を表明した参院選
  今春にも総選挙が予想され、5月には全商連総会もおこなわれます。今年こそ悪政転換の年にというのが共通の思いではないでしょうか。昨年のたたかいを振り返り、それぞれの立場から話していただきたいと思います。
  国分 あけましておめでとうございます。
  昨年の今ごろ、安倍元首相は年頭のあいさつで、改憲を参院選の争点にするという驚くべき発言をおこない、国民が「これは大変だ」とノーの意思表示をしたのが参院選の結果だったと思います。
  私たちもこの間、憲法改悪阻止、消費税増税反対を掲げて運動を広げてきました。昨年6月には地方税・国保料(税)の負担軽減を求める「集中行動週間」を呼びかけ、各地でキャラバン行動や、市役所前に張ったテントに相談の行列ができたとか、さまざまな経験が出され、民商が果たした役割はとても大きかったし、選挙結果につながったと思います。
  志子田 去年は、参院選を大きな節目にしながら、みんなの生活実感から、政治に対するものすごい怒りが起きた1年だったと思います。例えば帯広市では06年までの9年間で、生活保護世帯が137%、教育扶助と就学援助は170%に増加し、国保加入世帯数は1・5倍に増える一方で、加入世帯の平均収入は196万から145万円に低下しています。06年の自殺者も約8割が男性で、経済苦を反映しています。
  私どもの選挙区には自民党の中川昭一衆院議員がいて、中川王国といわれるくらいなのですが、対話するとどこでも中川氏本人や自民党批判が堂々と出てくるような状況でした。
  二宮 私はこの1年間を振り返って、三つぐらい特徴があったのではないかと思っています。
 
「構造改革」のツケが厳しく
  一つ目は、大きく潮目が変わったということです。安倍政権は昨年の前半は、成長、上げ潮路線で「構造改革」をさらに推進する立場だったのですが、安倍首相当人に対する国民の失望と、その背後にある「構造改革ノー」の判断が、参議院選挙の与野党逆転につながりました。
  二つ目は、昨年の後半は国会の動きに直結して、国民の側の運動そのものが直接に国政を揺り動かす、そういう手応えを感じさせる時代に入ったということです。
  消費税増税問題にしても中小業者、労働者、国民全般の動きが、民主党に消費税は当面増税しないと言わざるを得なくさせ、福田政権に今年は消費税を見送ると表明させました。さらに高齢者医療制度の今年4月の発足に対して、負担増については半年および1年間、凍結するという妥協的な路線を打ち出さざるを得えませんでした。
  三つ目は、政治構造が変わったのだけれども、依然として「構造改革」のツケは厳しくあって、それに対する怒りがさらに動き出す可能性を大きく秘めているということです。
   それでは今年を大きな反撃の年にするには、何が求められているでしょうか。
  国分 新しい情勢を切り開いてきたという確信を、どれだけ多くの人が持つかということが大事だと思います。新年会だとか、いろいろ催しのなかで役員先頭に大いに語っていくことです。同時に自分たちが動いたことで、こんな成果が上がったという確信になるような行動をつくっていくことも運動を広げるために大事にしていきたいですね。
 
ワクワクするような時代に
  志子田 私もこれからは国民の意思でもって政治を動かしていける、ワクワクするような時代になってきたのではないかという感じがするのです。
  「構造改革」のツケはすごいもので、今まで何とか乗り越えてきたけれども、もう限界を超えてしまって怒り狂っているような状況があります。この間、「困ったら民商に行け」と全然知らない人からの紹介が多いのです。やはり最後の救いの手は民商しかないということではないでしょうか。
  ですから民商が今、何をやるべきかというのは非常にはっきりしていると思うのです。昨年4月、帯広市で「中小企業振興基本条例」というのができました。これは私たちが10年来、共産党市議団と共同しながら提案してきたものですが、中小企業家同友会なども巻き込んで大きな運動が広がりました。中小業者団体や市職員も、みんな民商の役割は分かっていて敬意を払ってくれるのです。中小企業振興協議会の会長からも私に「ありがとう」とお礼を言われました。
  全中小業者を視野に入れた運動がとても大事で、民商の役割も発揮できるだろうと思います。
   志子田さんが話したように政治的なワクワクする情勢が開けている一方で、“痛み”はかなりひどくてそれどころではない状況もあります。たたかいを大きく広げていく上で今大事なことは。

解散・総選挙が早くなる可能性
  二宮 私の予想ですけれども、昨年、大連立が失敗したので、今の状況だったら解散・総選挙が非常に早くなる可能性があります。もう衆院選挙は始まっているといってもいいのです。衆院選挙がどうなろうと参議院の状況が変わりませんから、福田政権は次の三つの方向で手を打ってくるだろうと思います。一つは野党分断、二つは民主党の分断、三つは再度の大連立構想です。
  そこで私はどういう形で解散・総選挙に追い込むかということが一番のポイントだと思います。野党主導の下で消費税増税ノー、今年の予算編成や社会保障予算削減はおかしいという声を広げ、福田政権を追い込み、それで解散に追い込めば、彼らの方が今の新たな政治の流れに対する抵抗勢力になります。こういう形で衆院選挙をたたかっていけば、衆院でも与野党逆転する可能性が開けてくるし、「構造改革」に一番反対している共産党も確実に伸びるだろうと思います。
   政治を変えて「構造改革」を変えるということが中小業者にとっては一番未来が開けるということですね。同時に困っている人が多いだけに今、民商の出番の情勢だと思います。全商連総会に向けての決意を話していただけませんか。
  志子田 率直に言って民商のやり方次第で、いくらでも増えるという実感があります。大胆に業者の中に入っていって、視野を広げて地域全体のことを考えていくことができるかどうかが鍵だと思います。会勢については、北海道もそうですが帯広も商工新聞で2年間、連続増勢し、会員も去年は増勢にしました。今年はもっと大幅に増勢にして全商連総会を迎えていきたいと思います。
 
48回総会に向け力強く運動推進
  国分 私は共同行動では「労働者の皆さん。賃上げ頑張れ」と話をするようにしています。大多数の労働者が今、給与が減らされ、この9年間連続して減少しました。労働者の給料が上がれば、中小業者の中にもお金が回っていくのです。
  民商の理念というのは、私たちがかちとった成果は自分たちのものだけではなく、すべての業者、国民のものだという位置付けをして運動しているわけです。そういう本当に困った人がいたら、何とかしてやろうという発想が自然に出てくるわけです。そして成果も大事にして、民商の理念・役割を大いに語っていきたいと思います。
  会勢については、昨年10月、11月と、読者では2カ月連続の増勢とし、秋の運動を通しても、半数近くの県連が増勢になっているわけですから、継続して多数の業者を組織するという観点で、3月末、48回総会に向けて運動を引き続き展開していきたいですね。
  二宮 地域づくりや地域経済の再生の中心というふうに言ってもいいのですけれども、民商がしっかりと中核的な地位になっていかなければいけないと思います。そうすると、民商以外のところの運動を大きく組織することにもなって、結果的には地域多数の運動というのがつくれるのではと思います。大いに期待しています。
   とても元気になるお話、ありがとうございました。
 
全商連トップ ページの先頭