全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 全商連とは > 方針・決議> 全商連第3回常任理事会決議
全商連の方針・決議
 
全商連第3回常任理事会決議
 
 全国商工団体連合会は11月26日、東京・目白の全商連会館で第3回常任理事会を開き、次の決議を採択しました。
切実な要求実現の運動で仲間を増やし、大増税と改憲を阻止する国民共同の発展を
一、はじめに

 民商・全商連はこの約3カ月、第1回理事会決議「大増税と改憲を許さない国民運動を強め、危機打開と組織拡大の本格的な前進を」に基づき奮闘してきました。
 「庶民大増税反対、国保充実」や「『改正』保険業法の見直し」をめざして署名・対話運動と国会議員要請をすすめ、世論と運動を広げてきました。また貸金業法「改正」問題で、「少額・短期特例」金利や、利息制限の引き上げを阻止する共同行動に貢献し、高利貸金を厳しく規制する政策方向を実現してきました。
 徴税攻勢との対決では、「調査と徴収」で切実な実利実益を獲得するとともに、消費税の「預かり金」宣伝に対し、撤回を求める抗議・要請を広げ、国税庁や国税局を回答不能に追い込みました。
 原油・原材料の高騰や実態無視の駐車違反取り締まり、信用保証制度の改悪などで、緊急実態調査や機敏な行動にとりくみ、経営環境の改善を迫ってきました。各地で、大型店の「駆け込み」出店を断念させ、地域経済を振興する官公需・公共事業の推進や国保料(税)の減免制度の拡充を、自治体に提案・要求するなど多彩な運動をすすめてきました。
 この全国の仲間の奮闘は、「たたかえば、間違った政治を変えられる」ことを示しています。切り開いてきた成果と実績を、すべての民商が確信にし、自ら責任を持つ地域で生かすことが大切です。
 組織建設では、来年3月末現勢で商工新聞読者と会員の全国的増勢めざし、切実な要求実現の運動を力に、持続拡大や「商工新聞中心」の活動を推進してきました。
 自主共済への規制を許さない運動で、共済会員が「仲間から助けられた喜びと助ける喜び」を語り、国会議員への「要請はがき」でも広く訴えたことや財務局交渉が、国会や行政を動かし、民商・全商連の団結を強め、助け合い共済への確信と「移行」を促進する力になりました。
 全青協が業者青年交流会の成功を力に、2年連続増勢で総会を迎え、全婦協も「業者婦人実態調査」の結果を力に要求を実現するなど民商・全商連の活力は高まっています。
 春にむけ、切実な要求実現に奮闘しつつ、その最大の保障となる組織勢力での増勢をめざします。
 運動と組織の前進のなかで、大増税と憲法改悪を阻止する国民共同を広げ、「切実な要求実現のチャンス」として、いっせい地方選挙と参議院選挙をたたかいましょう。
二、中小業者・国民をめぐる情勢の特徴

 この秋、安倍新内閣が発足しました。「5年以内に憲法改正をめざす」と任期中の改憲を宣言したのは、安倍首相が史上初めてであり、この憲法改悪路線を断じて許すことはできません。
 自民、公明両党は、衆議院で教育基本法「改正」案の採決を強行しました。慎重審議を求める多くの国民の声を無視し、議会制民主主義を蹂躙する暴挙です。教育基本法改悪問題の国会審議を通じ、タウンミーティングでの「やらせ質問」や、「いじめ自殺」隠しも発覚し、従来の枠を超えた広範な国民の反撃が日増しに広がっています。
 この間、北朝鮮の核実験強行を契機に、政府や与党幹部から、日本での「核兵器保持の議論」や「周辺事態法の発動」で戦争準備を求める発言が相次ぎました。しかし、国の内外で平和的・外交的解決を求める世論と運動が高まり、「好戦的態度」をとる政治家への厳しい批判も広がりました。
 こうしたなか、政府税制調査会は来年度の税制「改正」にむけた論議を開始しました。御手洗冨士夫経団連会長が「法人税をアジア並みに」と10%の引き下げを言い出し、新任の本間正明政府税調会長も減価償却や証券優遇税制で大企業減税の拡充を打ち出しました。その一方で、社会保障の破壊と解体を当然視し、来年の選挙後に新たな庶民大増税を狙っています。
 全商連の06年下期営業動向調査では、原材料、仕入値の高騰などで63・4%が利益が減少となり、借金して消費税を払う実態の広がりが明らかになっています。
 懸命に働いても生活保護以下の収入しか得られない中小業者・国民が急増する異常な事態です。格差と貧困が大きな社会問題になり、このなかで財界・大企業の身勝手と横暴に対する憤りが国民的規模で高まっています。労働者を使い捨てる大企業の「偽装請負」も、莫大な利益を上げながら1円の法人税も払わない大手都市銀行の姿勢も言語道断です。
 5年余の小泉「構造改革」で、庶民には10兆円超の負担が強要されました。さらに、来年1月からの定率減税の全廃や6月からの住民税「税率一律10%化」など、今後も国民の負担は増えることになります。
 このように、安倍新政権の政治的基盤は発足早々から矛盾があらわになっています。広範な中小業者・国民に広がる悪政と重税への苦悩を怒りに変え、憲法を力にたたかいます。
三、春にむけた要求運動の重点

1、憲法を力に、自主申告権の行使と重税反対の国民運動を
(1)改悪消費税と対決する2度目の確定申告に向けて
 「食えば払えず、払えば食えず」という広範な中小業者の実情を正面から受けとめ、ともに生き抜く道を切り開けるのは「税金の民商」です。
 税務当局は、売上把握を目的にした着眼調査をはじめ、電話催告センターのフル稼働、電子申告・振替納税の勧奨、納税協力団体の動員など、「あの手この手」で期限内納税を迫ってきます。生存権を脅かす重税との対決は、まさに憲法を力にした納税者の権利闘争そのものです。
 いま、広範な中小企業に、同族法人の役員報酬への不当な制限や、法人事業概況報告書の添付が押し付けられ怒りが高まっています。また住民税や国保料(税)の急激な値上げに、高齢者や低所得者が憤り、市役所などへ駆けつけて抗議する事態も広がっています。
 定率減税の全廃や国保料(税)の再来年までの値上げが既定路線とされ、さらに果てしない消費税大増税計画があることを、広範な中小業者・国民に知らせ、重税反対の国民運動として大きく発展させます。
(2)「税金の民商」の原点に立ち返り、重税反対に奮闘を
 確定申告にむけ「相談し、助け合う」全会員参加の運動を、班・支部の再建・強化と合わせて推進します。
 一人ひとりの営業と暮らしの実態に即し、「分納や延納も当然の権利」とする自主申告に、団結の力でとりくみます。同時に、「消費税につぶされない対策」を深め合うなかで「費用が安く、みんなで楽しく、いざというとき安心」の自主計算活動を強め、節税や経営改善、取引先の信用拡大に役立てます。
 「生活費非課税」や「能力に応じた公平な負担」という税制の民主的原則を取り戻すためにも、3・13重税反対全国統一行動を、広範な国民共同で成功させます。
 「庶民大増税反対、国保充実」の署名・宣伝・対話運動を、署名リーフも活用して広げるとともに、「1円の法人税も払わない銀行」や「消費税収の23%もの税金を還付される輸出大企業」の実態を告発するなど、不公平税制の是正を求める世論と運動を広げます。

2、緊急切実な要求実現と危機打開の多彩な運動を
(1)融資を獲得し、信用保証制度の改善を
 年末・年度末にむけ、融資獲得や資金繰り改善などの金融対策を強化します。
 信用保証制度では、「部分保証」などを通して銀行の選別や自治体施策の後退を招きかねない事態が広がっています。中小業者への「金融の円滑化」という信用保証の理念に徹した制度改善や、「預託」を通じた自治体施策の拡充を要求します。また地域金融機関に対し、中小業者の再生と経営支援、地域貢献を求める懇談や要請を広げます。
 高利貸金の被害救済と根絶の運動では、自治体の相談体制の拡充を求める世論が高まっている条件も生かし、弁護士・司法書士や地域の被害者の会とも、共同行動の原則を守って連携します。
(2)自治体対策の強化と決起大会の成功を
 「住民福祉の増進」という自治体の本来目的が発揮されるよう、切実な要求実現の運動にとりくみます。国の交付金削減などに反対し、国保や介護の改善を働きかけます。
 改正「まちづくり3法」の趣旨を徹底させ、大型店への「広域調整」や「地域貢献義務」の規制を強化する共同行動を広げるとともに、中心市街地での「大店立地特例区域」設定や大規模な乱開発には、機敏な抗議・要請をすすめます。
 官公需・公共事業施策で「地域貢献」要件への新たな攻撃を許さず、小規模工事登録制度や中小業者の特性が生かされる入札制度の改善を働きかけます。
 班・支部で「商売を語る会」を広げ、得手を生かす経営改善や「商工交流会」運動を推進します。
 経営と暮らしの危機打開への決意を高め合い、国会議員や省庁に切実な要求の実現を迫る「中小業者決起大会」(07年2月8日、全国中小業者団体連絡会主催)を大きく成功させます。

3、助け合い共済を守る国民共同のいっそうの推進を
 「『改正』保険業法の共済規制に対する全商連の見解」(第1回理事会で採択)を力に、引き続き、助け合い共済を守る国民共同と、全商連共済会の制度と組織を守り抜く運動を推進します。
 「憲法違反の規制を許すな」という全国の奮闘は、自主共済の適用除外と「改正」保険業法の見直しを求める世論と運動を励まし、前進的変化を生み出してきました。
 9月末の「特定保険業者の届け出期限」直前に、金融庁は全商連と引き続き話し合うことを約束しましたが、これからの運動がますます重要になっています。
 「『改正』保険業法の見直しを求める」署名を全会員運動でとりくみ、国会議員要請を広げます。また金融庁との交渉を粘り強く継続し、適切かつ機敏な対応を図ります。
 「見解」を学び、全商連共済会の優位性を確信に、全会員加入と「移行」運動を促進します。
 「改正」保険業法の背景には、「もうけの論理」から市場拡大を狙うアメリカ政府と日米大手保険業界の圧力があります。共済制度を持つ労働組合や市民団体との共同と連帯を広げます。

4、教育基本法の改悪を許さず、憲法を守る運動を
 安倍新内閣は、閣僚の多くがかつての侵略戦争を美化しています。しかし、こうした政治姿勢が、平和と民主主義を求める広範な中小業者・国民の願いとかけ離れ、また中国や韓国はもとより、広く国際社会にも受け入れられないのは明らかです。
 教育基本法の改悪は、「国を愛する態度」などを法律で子どもや国民に強制するものであり、断じて認められません。「戦争する国づくり」へ導こうとする国家の教育への介入を許さず、廃案をめざして奮闘します。
 「憲法改悪反対」署名を推進し、世界に誇るべき9条を守り抜く国民共同を追求します。「平和こそ商売繁栄の道」という民商・全商連運動の信条を、若い世代に継承する活動を重視します。
 在日米軍基地の再編・強化に反対し、基地被害の永久化と膨大な血税負担の実態を暴露・告発するなかで世論と運動を広げます。
四、拡大を前面に、組織建設で強める点

1、年間増勢めざし、構え大きく攻勢的な拡大運動を
 (1)春の運動は、年間を通じて会員がもっとも民商に結集する時期です。とりわけ、確定申告に向け団結の力で徴税攻勢とたたかうとともに、その成果を全会員に広げ紹介運動を徹底します。そのことが、納税協力団体との「組織戦」に打ち勝つことになります。
 また、経営要求や国保問題など多様化する要求に応えることが、地域の変化をつかみ、全中小業者に働きかける構えの大きな拡大運動への展望を広げることになります。
 会員比150%の商工新聞読者を追求しつつ、読者と会員で3月末増勢に全力を挙げます。
 (2)すべての民商が、年内に春の運動の行動計画と目標を持ち、出足早くとりくみます。「何のために仲間を増やすのか」の議論を繰り返しおこない、班・支部まで目標を明らかにします。署名と商工新聞をもって、地域の全業者を対象に訪問・対話にとりくみます。
 実績パンフ、業者カード、行動アンケートなど、必要な資料をそろえ、行動参加を大胆に提起します。拡大の雰囲気をつくる事務所の飾りつけやニュースの発行で拡大内容や到達が役員・会員に分かるようにします。
 共済会への同時加入を徹底し、婦人部、青年部への入部を推進します。また、共済会、婦人部、青年部でも読者・会員拡大をすすめ相乗的に前進させます。
 07年1月1日を基点に3月末まで運動を週報で集約します。

2、商工新聞中心の活動と班・支部建設を
 (1)「商工新聞中心の活動」を推進することが、組織の活動改善と人づくりにつながります。
 商工新聞をよく読むなら、民商運動の魅力を深く実感することができます。商工新聞を大きく増やすなら、地域の多数派を結集できます。配達し集金する活動は、多くの会員が参加でき民商の足腰を強めます。通信活動は双方向の機関紙活動を強めます。
 商工新聞の果たしてきた歴史的役割に確信を深め、商工新聞を運動と組織、財政の活動を統一的に前進させる力にします。
 (2)班は会員が主人公となり、みんなで営業と生活を守る場です。班生活の土台となる会員相互のつながりを強めるためにも、確定申告の要求などで会員が集まる機会を生かして班確立をすすめます。
 また、税金、金融、社会保障など申告と結びついて出される共通性の高い要求を、支部で解決できるように相談員の養成に力をいれます。そのためにも支部役員体制の強化を図ります。
 「6・1基本調査」の結果を生かし、引き続き組織活動の改善に目標をもって系統的に努力します。
 若手経営者、業者2世の要求を積極的にとり上げ、業者青年に魅力ある民商づくりをめざします。来年1月に「第3回業者青年対策全国会議」を開催します。
五、中小業者・国民の手に政治を取り戻す奮闘を

 中小業者の危機を打開し、大増税と憲法改悪を阻止する展望を切り開く上で、来年のいっせい地方選挙と参議院選挙の意義が高まっています。
 徴税攻勢による営業破壊をやめさせ、庶民に社会保障を取り戻し、中小業者が地域経済に役割を発揮できるまちづくりや取引ルールの改善をすすめるため、どうしても政治の流れを変えることが求められます。
 いっせい地方選挙前半戦は、東京都をはじめとした12の知事選とともに44の道府県議選、15に増えた政令市議選がたたかわれます。自治体合併で選挙数は約半数になったものの、選挙対象の有権者数はほとんど変わりません。中小業者の切実な要求実現に尽力できる首長や地方議員を増やすことが、参議院選挙で財界主導の「保守2大政党づくり」を打ち破ることにもつながります。
 選挙を展望し、中小業者の切実な要求と政党の態度、民商運動が切り開いてきた実績と政治のかかわりを班・支部で大いに論議します。中小業者・国民の手に政治を取り戻すチャンスとして、「政治活動の自由」を保障してたたかいます。
六、年末・年度末に向け、未収の克服、財政活動の強化を

 年末・年度末に向け、未収の克服に全力を挙げます。
 会費の集金は、仲間の心をあつめる活動です。未収の会員ほど困難を抱えており民商を求めています。年末を控え、営業と暮らしはいっそう困難を増しているだけに、会員への訪問・対話をすすめ、一人の犠牲者も出さないとりくみが求められています。
 組織勢力の後退で運動財政・事務局の縮小がすすみ、これが攻勢的な運動と組織建設をはばむ悪循環になっています。仲間を増やすことで新たな展望を切り開くためにも積極的な財政強化が求められています。この財政を確立する前提条件である未収の克服が急務であり全力を挙げます。
 また未収を生まない組織をつくるためにも、財政活動の「5点改善」の総合的な前進をめざします。