全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 方針・決議 > 全国商工新聞 第3147号12月8日付
 
方針・決議
 

 全国商工団体連合会(全商連)は11月30日、都内で第3回常任理事会を開き、次の決議を採択しました。

大増税・改憲阻止、暴走政治の転換をめざして全会員調査を軸に要求実現と組織の拡大強化を

2014年11月30日 全商連第3回常任理事会決議

一、はじめに

 民商・全商連として全国的に支援した沖縄県知事選挙が11月16日に投開票されました。
 保守・革新の垣根を超えた「オール沖縄」の共同と人間の尊厳をかけた島ぐるみのたたかいによって、辺野古新基地建設の推進に、明確な「ノーの審判」を突き付ける結果となりました。この歴史的勝利は、「命どう宝」とする沖縄県民の誇りと勇気を示しました。同時に、「戦争する国」づくりを進める安倍政権の暴走に痛烈な打撃を与えるものとなっています。
 こうした中で、安倍首相は国民の世論と運動に追い詰められ衆議院を解散しましたが、暴走政治の継続を断じて許すわけにはいきません。
 総選挙は、消費税の10%への再増税を許さず、「中止」に追い込む突破口を開くたたかいです。また、辺野古新基地建設のたくらみを砕くとともに、集団的自衛権の行使容認に向けた法整備や秘密保護法の具体化を断念させ、改憲を阻止するためにも重要な意義を持っています。
 安倍政権は、社会保障の解体を進めつつ「解雇の自由化」を狙うなど、広範な国民には苦難を幾重にも押し付けてきました。その一方で、多国籍大企業の「もうけ口」を広げるべくTPP(環太平洋連携協定)の参加に突き進み、原発の輸出や再稼働、武器輸出の解禁を推し進める政治姿勢も、根本から正さなければなりません。
 人々の営みはもとより、それを育んできた地域もろとも壊そうとする悪政に怒りを燃やすとともに、国民の共同と連帯が重層的に広がっていることに確信を深め、国民・中小業者が希望の持てる新しい政治の実現に力を尽くすことが強く求められています。
 総選挙を通じて、悪政転換への世論と運動を巻き起こすとともに、春の運動では全会員参加で「経営・暮らし・健康の向上」調査(全会員調査)に取り組みます。助け合いの自主計算・自主申告に力を合わせ、申告納税制度の擁護発展とも結んで多彩な要求の実現と組織の拡大強化を図ります。
 第1回理事会決議を堅持して、すべての民商が「拡大で悪政に反撃」の立場から、行動参加の倍増を具体化し、3月末を読者30万人・会員20万人の突破で迎えるために奮闘します。

ニ、要求運動の重点

1、消費税大増税路線粉砕、自主計算活動の推進を
 安倍政権の経済政策である「アベノミクス」がもたらしたのは格差拡大と景気悪化でした。8%への増税自体が間違った政治判断であったことが証明されています。
 この間、増税と原材料・経費の高騰で苦悩する中小業者の実態を告発し、署名と対話・宣伝で世論を広げて、10%を「延期」させる状況をつくり上げてきました。この粘り強い運動への確信を全会員のものにします。
 しかし、「延期」の判断は、時期を1年半ずらし税率を再度、引き上げるという増税宣言に他なりません。中小業者の願いは「8%」の失敗を反省し、増税を断念して、ただちに5%に戻すことです。
 「納税者の権利宣言」(第4次案)の学習を重視し、消費税の本質的な害悪や生活費非課税・応能負担という民主的税制の原則に理解を広げ、大増税路線粉砕の運動を強めます。
 「5%に戻し、増税中止を」の署名を新たな国会に向け、全会員参加で広げます。消費税廃止各界連絡会の活動を強化するとともに、税と社会保障の一体改悪を許さず、国保、医療、介護、福祉の充実を求める運動とも結んで世論を高めます。外形標準課税の拡大や配偶者控除の縮小・廃止などに反対します。
 「行政指導」の名をかたる違法な呼び出し、税務調査が横行しています。確定申告闘争は、会員同士の話し合いを重視して、班・支部を基礎に納税者が主人公の自覚が高まるよう取り組みます。
 複雑化した消費税の計算も学習しつつ「つぶされない対策」を話し合い、地域の全業者に呼び掛ける相談会を開催します。納税緩和措置の活用を広く呼び掛け、悩んでいる多くの業者を結集し、集団申請などに取り組みます。
 記帳義務化で不安が高まる中、「自主計算パンフ」を活用し、記帳を要求運動として正しく発展させ、地域業者の要求に応えます。自主記帳を経営・金融対策、事業計画づくりの力にし、民商の魅力としてアピールします。
 重税に反対するあらゆる要求を結集し、共同を広げて、3・13重税反対統一行動を全国津々浦々からの国民的総行動にふさわしく最大規模で成功させます。法人申告の会員にも集会やデモ行進への参加を呼び掛け、全会員参加を追求します。

2、全会員調査を生かし、実益獲得と多彩な要求実現を
 中小企業振興条例が広がり、地域に根差した中小業者の役割が注目されています。しかし、経済特区や原発再稼働、カジノ誘致など破綻が明確な施策しか示せない政治の貧困が中小業者を苦しめています。未曾有の困難に直面している会員の実情と要求を把握し、その解決と要求実現に組織の力を最大限に発揮する運動を進めます。
 春の運動期間に、班会・小集会、訪問を通じ全会員調査に取り組みます。
 調査でつかんだ滞納や国保証未交付の実態、納税猶予や資金繰りなどの要求に機敏に対応し解決します。また、業種別・問題別の集まりも開き、対策を話し合うことから運動化します。
 健康診断の受診者を飛躍的に増やす契機にもします。県連・民商で方針を意思統一し、共済会とも協力して推進体制を確立し、開始・対話・回収を全県が足並みそろえて取り組めるようにします。
 地域を舞台に危機打開の自治体対策を強めます。
 各地の実践にも学び、商店版リニューアル助成の創設や地方税滞納への対応、国保や社会保険の制度改善などで引き続き申し入れを強めます。
 安倍政権が解散直前に強行した「地方創生関連2法」は、自治体に市場原理の物差しを押し付け、効率性を競わせて予算配分の不公正を進めるものです。日本版・小企業憲章(案)を示し、小規模企業振興基本法(小規模基本法)に基づく、すべての中小業者への支援の具体化を迫ります。
 全国中小業者団体連絡会(全中連)が主催する中小業者決起大会(1月29日・日比谷公会堂)と省庁交渉に要求を結集し成功させます。
 原発の再稼働反対、TPPの交渉離脱、オスプレイの全国展開反対などで、共同行動を積極的に進めます。

3、悪政の転換、平和・民主主義を守る多彩な共同を
 目前の総選挙とともに、2015年4月のいっせい地方選挙を視野に入れ、悪政転換に力を合わせます。選挙戦では、すべての会員が主権者として政治参加できるよう、要求と政治を結ぶ対話運動を重視します。商工新聞の積極活用を図り、「中小業者の願いを託せるのはどの政党か」をじっくり話し合います。政治のあるべき姿について、民商会員としての信頼関係を土台に深めます。
 集団的自衛権関連法案を国会に提出させない運動を広げます。
 日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定への中間報告には、自衛隊を地球のどこにでも送り、「戦闘地域」で米軍と一緒に戦争できる内容が示されています。「戦争する国」づくりへの策動を断固阻止します。
 「現行憲法の完全実施で、憲法を国民の暮らしに生かす」「9条を守り、集団的自衛権行使容認を行わない」「特定秘密保護法の撤廃」を求める「日本国憲法を守り生かすための署名」を全会員参加で取り組みます。
 安倍政権の「政治とカネ」問題を告発し、政党助成金の撤廃と企業・団体献金の禁止を求めます。
 「核兵器全面禁止のアピール」署名を思い切って広げるとともに募金を集め、すべての県連からNPT再検討会議への代表派遣をめざします。3・1ビキニデーに全国からの参加を推進します。

三、組織建設の重点

1、要求を掘り起こし、目標を堅持した攻勢的な拡大を
 第1回理事会以降、小規模基本法を生かす自治体要請や、消費税再増税中止を求める宣伝・対話、「戦争する国」づくりを許さない運動に力を合わせ、仲間を増やす取り組みを推進してきました。
 全国の奮闘で10月に読者を増勢としましたが、読者や会員での第51回総会時現勢の回復・突破という目標を達成することはできず、会勢を前進の軌道に乗せ切れていません。
 4月からの増税による深刻な影響が表れ、耐え難い苦悩を広げていますが、「集まって、話し合い、相談し、助け合う」ことで、一人ひとりが中小業者として生き抜く意欲を高め合うこと、そして苦悩を怒りに変え、「拡大で悪政に反撃」のたたかいを発展させることが強く求められています。
 第51回総会時現勢を取り戻し、読者30万人・会員20万人の突破をめざす大志ある全国目標に団結して、末広がりの読者拡大と「読者から入会へ」の拡大を追求します。
 「仲間を増やす」を基点に、行動参加倍増の「目標と計画」を確立し、民商の「値打ち」を押し出します。全会員調査や増税中止署名を軸に、対話運動で要求を掘り起こします。パンフ「仲間が増えてみんな笑顔」に学び、統一行動を成功させます。商工新聞宣伝紙や実績・宣伝ビラとともに、ホームページやDM(ダイレクト・メール)、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用も強め、経営や暮らしに役立つ情報の発信を工夫します。

2、地域に門戸を開く相談活動と商工新聞の積極活用を
 この秋、税金問題研究集会で、納税者の権利を守る理論構築と実践交流を図るとともに、「相談活動・拡大運動」全国交流会で、業種別・問題別対策とも結んだ相談活動の基本的な構えを深め合い、組織拡大への展望を開いてきました。
 相談活動の強化は今日、税理士法の拡大解釈による不当な民商弾圧をはね返し、助け合いの自主申告を貫くためにも、横暴な税務調査や過酷な徴収に対して納税者の人権や生命を守り抜くためにも欠かせません。さらに、経済センサス活動調査の分析も生かして業種別・問題別対策を強めるとともに、役員・活動家に蓄積された業者人生の豊かな示唆を、若い世代の模索や試行錯誤、成長に生かすことが民商・全商連運動の継承・発展につながります。相談内容を分析・検討する機会を設け、「聞き役」から相談活動の担い手を広げるとともに、テーマの設定や実績の宣伝を強めます。
 相談活動の強化に向けて、商工新聞が「組織者」としての役割を発揮できるよう積極活用を図ることが重要です。商工新聞を「よく読む」なら、商業新聞やテレビ、官製の業界情報には出てこない知恵と工夫を身に付けることもできます。「読み、増やし、配達し、集金し、通信を送る」活動の一つひとつは地道な取り組みですが、中小業者の大同団結と平和的・民主的な日本建設に貢献し、暴走政治を転換させる力ともなります。確信を持ち、商工新聞の積極活用で行動参加を広げます。

3、学習を力に、助け合いが実感できる班・支部建設を
 この間、方針学習「特別期間」の提起を生かす学習・教育活動が、創意的に取り組まれてきました。講義や討論を通じて、徴税権力とのたたかいの歴史と今日的課題を学び合い、「基本方向」に基づく活動検証が広がっています。また、「行動参加の倍増」に向けた真摯な検討や「商売・人生・民商」を語り合うことを通じて、民商・全商連運動への確信を深め合い、仲間を増やす力を高めています。大切なのは、学習の機会に培った誇りや決意を行動に示し、要求実現と組織建設の一体的な推進を図ることです。
 記帳を要求運動として正しく発展させる取り組みと結び、班・支部を基礎にした全会員参加の運動を推進します。班会や支部役員会に集まり、「春の運動」DVD(2015年版)や「ようこそ民商へ」DVDを視聴する機会も増やして、励まし助け合う取り組みを強めます。新たな班・支部づくりに取り組み、より多くの会員が身近な班や支部に所属してもらえるよう働きかけます。
 新会員の歓迎学習会を、班・支部と商工新聞の大切さが意識されるよう工夫して開催します。「民商に入って良かった」という体験を交流し、通年の取り組みへと発展させます。
 会員同士の結びつきとともに、班長や支部役員の自覚的な活動が強まるよう、「班・支部活動の手引き」の学習と実務の改善を進めます。

4、団結と総合力を強めて、地方別活動交流会の成功を
 この間、日米安保の矛盾が集中する沖縄で、共済会主催の「いのちと健康を守る」学習交流会を成功させるとともに、全婦協・全青協の総会を節目とした取り組みを支援してきました。
 地域と家族の深刻な危機が広がる中で、「目くばり・気くばり・心くばり」の助け合い共済を全会のものにし、小企業・家族経営を担う一人ひとりの役割が正当に評価される取り組みを発展させてこそ、団結と総合力は強まります。
 仲間の健康を気づかい、集団健診活動の促進で、会員拡大と共済の同時加入を進め、「班の共済係・支部の共済役員」の確立を進めます。暮らしと営業を見直す運動を発展させ、婦人部の役員・世話役が増えるよう支援を強めます。若い世代が互いの生き方や商売を語り合い、学び合えるよう「業者青年に魅力ある民商建設」を探求し、青年部会の定例開催を応援します。
 全商連は2015年6月、全国6会場で第2回地方別活動交流会を同時開催します。道理と団結、共同を貫く強大な民商・全商連の建設をめざし、第51回総会から約1年の折り返し点で、要求運動と組織建設の総合的な検証と交流を図る機会とします。
 この歴史的な活動交流会に向けて、民商は県連への結集を強め、多数派結集の大志を持った読者前面の拡大に力を合わせます。

四、年末・年度末の財政活動強化を

 8%に増税されて初めての年末・年度末を迎えます。経営と暮らしの危機が進行する中で、会費支払いが困難な会員はもとより、全会員訪問に力を合わせ励まし合って乗り切ります。
 運動体としての民商の役割と魅力、民商を全会員で支える財政活動の重要性を話し合い、経営と暮らしを守る対策も強めながら、未収克服に取り組みます。県連会計会議で強調された、(1)財政困難は拡大で突破する(2)団結と民主的運営を強める(3)全会員訪問と踏み込んだ対話を行う(4)請負克服を強め自主記帳・自主計算活動を進める方針を確立する(5)財政改善の目標を持ち会議での意思統一を行う ―― を重視し、班・支部建設と結んで運動体にふさわしい財政活動を進めます。
 大増税・改憲を断念させ、暴走政治を転換させるため地域で積極的な運動募金を呼び掛けます。

全国商工新聞(2014年12月8日付)
   
  ページの先頭