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  トップページ > 全商連とは > 方針・決議 > 全国商工新聞 第2983号 7月18日付
 
方針・決議
 

震災復興・原発撤廃、要求実現と組織建設の高揚で創立60周年記念集会・式典を迎えよう

 全国商工団体連合会(全商連)は9、10の両日、都内で第2回理事会を開き、次の決議を採択しました。

2011年7月10日 全商連第2回理事会決議

一、全商連創立60周年と情勢の大局
 いま、民商・全商連は、東日本大震災からの復旧・復興と中小業者の危機打開の運動に全力を挙げる中で、創立60周年を迎えようとしています。民商・全商連の歴史と運動は、中小業者の営業と生活、権利を守る紆余曲折に満ちた苦難と創造の道のりでした。
 未曾有の被害を広げた大震災と東京電力福島第1原発の事故を契機に、構造改革の復活強化を許すのか、原発依存のエネルギー政策を転換し、住民・中小業者が主役の経済社会をつくるのかが鋭く問われています。
 政府は、復興構想会議の提言を利用して、大企業を沿岸漁業に参入させる水産特区、消費税の増税、原発の温存、TPP(環太平洋連携協定)参加や道州制をめざしています。財界とアメリカの要求に沿った新自由主義の悪政を断じて許すわけにはいきません。
 民主党政権が発足して約2年、菅内閣はすでに国民からの支持を失い、保守「二大政党」の政権交代による大企業本位、アメリカ言いなりの政治の延命策さえ機能しなくなっています。その根底には、耐え難い苦難を強いる政治への国民的な怒りと「たたかってこそ政治を変えられる」という経験の広がりがあります。
 日本の前途に対する国民の危機意識が高まり、政治経済が激動する今日、民商・全商連の歴史や理念、積み重ねてきた政策提案を生かし、多数派へのあゆみを大きく前進させるなら、中小業者が希望を持てる新しい時代を築くことができます。
 歴史の節目に提起する「日本版・小企業憲章(案)」を力に、戦後続いてきた中小企業政策を転換し、家族経営の役割が発揮できる地域循環型の経済社会をつくろうではありませんか。
 創立60周年の記念集会・式典の成功と春の運動での前進をめざし、仲間を増やして震災復興・要求実現の大運動を大いに推進しましょう。

二、歴史的節目に多彩な要求実現の運動を
1、被災地復興と結んだ経済危機打開の運動を
 大震災と原発事故が景気悪化に追い打ちをかけ、原材料の高騰や仕事の減少が続いています。だからこそ、被災地と全国との連帯を強め、震災復興と危機打開の運動を大きく広げることが重要です。
 「せめてゼロからの出発を」という被災中小業者の訴えは、世論を動かしています。全商連の「二重ローン解消の提案」を対話や懇談に活用するとともに、地域金融の借り手と貸し手を守る共同行動を強めます。
 深刻化する中小業者の実態を自治体に突きつけ、元金返済を猶予し、期限を3年間延ばす「条件変更緩和措置」を実施させた県連もあります。既存債務の返済凍結と新規融資の実現を求め、融資制度の改善を自治体に迫ります。
 店舗・工場の再建補助制度を岩手県、福島県が実施し、財源に国の交付金が活用できるようになりました。また、中小業者のグループを対象に国と県による施設・設備の復旧・整備費用の4分の3が補助される事業が実施されました。これらの制度を定着・発展させ、被災地での営業再建に生かすと同時に、全国的課題でもある、店舗・工場にかかる固定費補助など直接支援制度の実現につなげます。
 全商連の提案にも学び、原発被害の完全賠償とエネルギー政策の転換をめざしてたたかいます。原発ゼロの実現へ署名と国民共同を強めます。
 地域資源を生かした発電や蓄電、省エネの技術開発に力を合わせ、仕事おこしの運動に取り組みます。
中小業者への官公需の発注強化や住宅リフォーム助成制度の創設・拡充をめざします。
 中小業者の持てる力と役割が発揮できるよう、第17回中小商工業全国交流・研究集会(9月17、18日・埼玉県)をすべての県からの参加で大きく成功させます。民商や班・支部で「商売を語る」活動を重視し、経営改善の取り組みを多様な形で広げ、若手業者にも魅力ある民商づくりを進めます。
 「日本版・小企業憲章(案)」の学習を推進します。
 TPP参加を阻止するために、商工新聞や学習資料を活用し、署名運動で世論を広げます。
2、「税と社会保障一体改革」を阻止する国民共同を
 民主党政権が狙う「税と社会保障の一体改革」には、2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げることと、年金支給年齢の繰り延べや医療費の負担増などが狙われており、断じて許せません。
 国民の生存権を守るため、税制に生活費非課税の原則とあらゆる社会保障の充実を要求する世論と運動を大きく広げます。消費税が持っている悪税の本質や営業破壊の実態、応能負担に徹した財源のあり方を徹底して知らせます。消費税増税反対を正面に掲げた新署名を1会員10人分以上の目標で取り組み、各界連が提起した2000万署名達成に貢献します。
 政府・民主党は、記帳義務など徴税強化の国税通則法改悪に執念を燃やしています。納税者の権利が侵害されている税務行政の実態と法案の問題点を知らせ、署名や要請はがきを広げて、国税通則法改悪を断固阻止します。
 租税罰則の強化や消費税の課税業者の判定基準の変更などに対応するためにも、権利学習と自主記帳・自主計算活動の強化が欠かせません。福島での原発損害賠償請求でもこの取り組みが生かされています。簿記学校やパソコン会計に取り組むとともに、小法人対策を強めます。「納税緩和措置」を活用し、違法・不当な差し押さえから経営と暮らしを守ります。所得税法第56条の廃止を求める意見書採択をさらに広げます。
 国保料(税)の引き下げや減免制度の拡充、保険証の無条件交付を自治体に迫ります。
3、憲法を生かし、平和・民主主義の発展を
 民商・全商連は憲法に保障された請願権を行使し、署名運動を展開してきました。この運動は、誰でも参加でき、民主主義の発揚と国民主権の発展に結び付いています。そして、世論を広げ、切実な要求を実現する確かな力です。消費税率アップの阻止をはじめ、金融円滑化や仕事の確保、業者婦人の地位向上、税務行政への民主的手続きの保障、基地撤去や核兵器の全面禁止などで世論と運動を大きくし、請願を採択させてきました。署名運動の意義と役割をあらためて学び合い、全会員参加で大きく広げます。
 憲法調査会の始動に反対し、国会から多様な民意を締め出す比例定数の削減阻止へ共同を広げます。
 基地のない日本、沖縄をめざします。普天間基地の即時閉鎖・撤去を要求し、オスプレイの配備に反対します。核兵器廃絶とともに「原子力行政の抜本的見直し」を掲げる原水爆禁止世界大会や、日本平和大会の成功に貢献し、「核兵器全面禁止のアピール」署名を推進します。平和と民主主義を守り、憲法改悪を阻止するために、学習を強め、戦争体験を聞く会や原水爆禁止世界大会参加報告会などを各地で開きます。

三、「民商の値打ち」を知らせ、30万読者の突破を
 来る60周年記念集会に向け、すべての業者に「民商の値打ち」を知らせる大運動に取り組みます。
 被災者の心に希望の灯をともす震災復興も、中小業者の力が正当に発揮できる社会の実現にも、道理を掲げ、団結を強め、国民共同を推進する民商・全商連の拡大・強化が不可欠です。
 すべての組織が、「増やしてこそ民商」の気概を持ち、この大運動を末広がりにする立場で「目標と計画」を持って奮闘します。
 7月から8月末まで「減らさず増やす」持続拡大を推進し、9月から記念集会(11月27日)まで、力を集中して30万読者・会員増勢の総達成をめざす「特別期間」とします。
1、「困った時には力になる」の真骨頂を発揮して
 この60年、どの時代も民商・全商連は「集まって、話し合い、相談し、助け合う」ことで力を合わせ、中小業者を襲う困難・障害の一つひとつを打開してきました。「困った時には力になる」という真骨頂は、歴史の中で培われてきた「挑戦者」としての民商・全商連運動の姿にほかなりません。
 「民商の値打ち」が広範な中小業者の心をとらえるなら、拡大運動と切実な要求実現の運動は一体的な取り組みとして前進します。
 班・支部を基礎に、対話と相談活動の担い手を増やします。民商が広げた成果や仲間づくり、存在意義を会内外に広く知らせ、紹介運動を強めることで会員や読者の拡大に結実させます。
2、連帯の絆、商工新聞を組織の活力にして
 被災した仲間の救援や多彩な要求実現に、商工新聞は「連帯の絆」としての役割を発揮しています。
 商工新聞と多くの中小業者・国民の「出会い」を広げ、購読してもらうことで、生き抜く勇気と知恵を湧かせ、民商・全商連の値打ちを知らせ、運動・組織・財政の活力を高めることができます。
 「読み、増やし、配達し、集金し、通信・ニュースを送る」商工新聞中心の活動を思い切って強めます。
 読者拡大への全会員参加を追求するとともに、商工新聞を対話運動に生かし、組織の活動改善に役立て、読者から会員に迎え入れる系統的な働きかけを進めます。
 商工新聞宣伝紙を来年3月末まで1部10円とします。
3、総会時現勢を突破し、記念集会成功に貢献を
 全国が力を合わせ、11月の記念集会・式典を必ず30万読者の回復・突破と会員増勢で迎えます。
 この拡大目標を達成することが、激動の時代における民商・全商連運動の新たな展望を示し、会内外に限りない勇気と確信を与えることになります。
 「民商会員で良かった。良かったことは人にも進めよう」の思いを集め、震災復興や60周年記念のDVDを鑑賞し、記念リーフにも学んで「商売・人生・民商」を大いに語り合います。
 全国を牽引する拡大成果を広げた組織を記念集会で顕彰します。

創立60周年記念集会における拡大運動の顕彰基準

4、基本調査結果を生かし、拡大を基点に活動改善を
 基本調査は6月1日時点での組織と財政の活動実態を明らかにしています。この調査結果を分析・検討することで、「地域にどんな民商をつくるのか」を深めます。拡大を基点に運動発展を保障する組織の活動改善に取り組みます。
 切実な要求実現へ、担当地域の自治体対策を強めるとともに、寄せられる相談内容やその解決方向をニュースなどで広く知らせる手立てや、役員の団結を強める組織運営、会員の結びつきと「生きた情報」の交換を強める班・支部活動の強化を図ります。
 5、共済・婦人・青年の対策を強化し、総合力発揮を
 60周年に呼応し、全商連共済会が取り組む大腸がん検診や健康グッズを持っての会員訪問をともに推進し、助け合い共済への全会員加入に取り組みます。
 「私たちの働き分を、人権を認めて」「みんなの力で大震災から立ち上がろう」をスローガンにした第12回全国業者婦人決起集会(全婦協)への支援を強めます。
 業者青年に魅力ある民商建設を強める立場から、全青協が取り組む「全国業者青年実態調査」活動を援助することで、若い世代の活力を民商運動の継承・発展に生かします。
 共済会や婦人部、青年部の活動を商工新聞から学び合い、班・支部に沿った総合力の発揮を進めます。

四、心を集める財政活動を
 会員と読者を増やすことで民商の財政は健全化されます。同時に心を集める立場で実務の改善を進め、会費と紙代の未収克服に取り組みます。60周年を機に増勢に転じ、未収を生まない組織づくりを強めます。
 大震災の激励募金は、被災した仲間を励ますとともに、民商の再建に活用されています。原発被害の拡大への対応も含め、当面、継続します。
 消費税増税反対をはじめ、切実な要求実現の運動を推進するとともに、積極的な財政計画を立て、運動募金を訴えます。

〈以下略〉

全国商工新聞(2011年7月18日付)
   
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