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  トップページ > 全商連とは > 方針・決議 > 全国商工新聞 第2954号 12月6日付
 
方針・決議
 

2010年11月28日 全商連第3回常任理事会決議

 全国商工団体連合会(全商連)は11月28日、都内で第3回常任理事会を開き、次の決議を採択しました。

一、はじめに
 この2カ月半、第1回理事会決議「創立60周年を展望し、消費税増税阻止・切実な要求実現と組織拡大に全力を」に基づいて奮闘してきました。
 世論と運動で業界団体などが消費税増税反対を決議する状況をつくり、「個人資産の形成に税金は使えない」との従来の枠を突破して住宅リフォーム助成制度を175自治体に広げ、受注に結び付けてきました。料飲オリエンテーリングや商工フェア・商工交流会は「努力と工夫で売上は増える」と経営意欲を呼び覚ましています。商工新聞で広く知らせた住宅ローン金利引き下げの実践と成果は、民商への信頼を高め、読者拡大の力となっています。国保の広域化に反対し、各地で国保料(税)を引き下げさせるとともに、行き過ぎた社会保険料の取り立てを謝罪させるなど強権的な徴収行政を是正してきました。在日米軍基地の撤去を日米両政府に迫るたたかいを通じて、基地に依存しない地域振興への展望を広げ、平和と民主主義を守る力を高めてきました。
 第2次・菅民主党政権は、小沢一郎元幹事長などの「政治とカネ」の問題にほおかむりをしたまま、「国民の生活が第一」との公約を投げ捨てました。自民党と悪政を競い合い、改憲のための憲法審査会の始動、「海賊対処」を口実にした海外での自衛隊基地の建設など、大企業・アメリカいいなりの姿勢をあらわにしています。
 一握りの多国籍大企業の利益のために関税を撤廃する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を許さず、農業や食料、雇用、地域経済を守る国民共同を強めます。
 全商連は、民主党政権が強権的な取り立てや国民監視体制を強める「税制改革」を具体化しようとしている現局面で、「納税者の権利憲章」(第2次案)を提起し民主的な税務行政の確立をめざす国民的運動を巻き起こします。また中小企業憲章制定後、初の通常国会で中小企業予算と施策の拡充を迫るたたかいを踏まえ、3月の第4回常任理事会で「日本版・小企業憲章案」を発表します。
 創立60周年の2011年を、新たな時代を切り開く構えで、多彩な要求運動と総合的な組織建設の前進に力を尽くします。春の運動を大きく高揚させ、すべての組織が固く団結し、「仲間を増やして要求実現」の運動を推進しましょう。

二、要求運動の重点
 1、経営と暮らしを守る切実な要求の実現を
 円高とデフレが止まらず、中小業者の苦難が広がっているだけに、「仕事の確保」が最大の要求です。集まって話し合い、売り上げを伸ばした経験やヒント、商売の知恵と工夫を交流し、経営改善に挑戦します。
 10年度補正予算の地域活性化・中小企業対策(3兆706億円)を住宅リフォームや制度融資の創設・改善に役立てるよう自治体に迫ります。「財源がない」の言い訳をうのみにせず、財政分析を強めるとともに、地域経済振興につながる施策を提案し実現を要求します。
 物品納入の地元優先発注に道を開いた経験やまち工場への直接支援を再開させた運動に学び、官公需発注の改善を働きかけます。
 住民・中小業者の願いに応え、豊かな暮らしに貢献するまちづくりの推進こそ地方政治本来の役割です。住民要求を遠ざける行政の広域化や議会の役割を形骸化する首長権限強化に反対します。
 いっせい地方選挙に向け、公共工事でのダンピング防止や最低賃金を保障する公契約条例、農商工を基幹産業と位置付ける地域振興条例の制定を地方議員や候補者に要求し、それへの態度を広く住民に知らせます。この立場で、政策提言活動全国交流会(2月5、6日)を成功させます。
 「中小企業憲章」に盛り込まれている小企業への積極的評価を生かし、抜本的な支援策を政府・自治体に迫ります。
 年末・年度末にかけて、中小業者の資金繰りの苦難に心を寄せ、融資獲得の運動を大きく広げます。このなかで国が100%保証し全業者を対象とする緊急保証制度と、銀行に融資実行の努力義務を課した金融円滑化法の延長を要求します。
 経営危機と健康破壊が一体で進行しているだけに、いのちと健康を守るために医療を受ける権利を国は保障すべきです。払いきれない国保料(税)や社会保険料の引き下げを要求する共同行動を広げます。窓口負担の軽減、正規国保証の発行を迫り、社会保険料の強権的な徴収を行う日本年金機構の姿勢を改めさせます。
 また、国会で成立した保険業法の再改定が広範な自主共済を救うものとなるよう、政省令の見直しに監視を強め働きかけます。
 中小業者決起大会(1月28日・全中連主催)を運動の結節点と位置付け成功させます。
 2、消費税増税許さず、自主計算活動の推進を
 政府税制調査会では、消費税率引き上げに合わせ、免税点や簡易課税の制度縮小を狙う議論が交わされています。とりわけ免税点の引き下げは「食えば払えず、払えば食えず」という事態をまん延させ、圧倒的な中小業者を廃業に追い込むものです。「商売をつぶすな」「生活費に税金をかけるな」の怒りを大きく広げ、1会員10署名以上の目標を堅持し全会員参加で署名を推進します。
 班・支部で集まって署名の意義を話し合い、会員訪問で署名を渡し、集めきり、請願項目に盛り込まれた切実な要求がどう政治と切り結んでいるのかを広く知らせます。
 業者団体との懇談や地方議会請願に取り組み、地域各界連の再開・強化、1000万人署名の達成に結び付けます。
 婦人部や民商・全商連の運動で、所得税法第56条廃止を求める決議が276自治体まで広がり、家族に支払った給与を必要経費として認める方向へと政府を動かしつつあります。これと引き換えにした記帳の義務化や扶養控除見直しを許さず、自家労賃を当然の権利として無条件で認めるよう政府に迫ります。
 観光地にバスで乗り込み、泊り込んで商店や旅館をいっせいに調査するなど国税局主導の広域調査が広がっています。生活必需品さえ問答無用で差し押さえ公売にかけるといったむごい徴収行政も強まっています。人権無視の徴税攻勢を許さず、班や支部に集まって、権利主張の根拠となるあらゆる法令と自主計算活動を力にたたかいます。広域調査の横暴を正す立場で県連が連携して国税局交渉に取り組みます。また県主導の違法不当な地方税徴収には機敏な抗議・要請を展開します。
 税務当局は赤字法人にも調査を強める方針ですが、資本金1000万円未満の法人の76%が赤字という状況です。記帳講習会やパソコン会計にも挑戦し、小法人対策として、要求解決を入り口としつつ、自主記帳・自主計算に導く方向で取り組みを強めます。
 班や支部で「自主計算パンフ」の通年活用を進め、経営改善や節税対策に生かします。3・13重税反対全国統一行動を全会員参加で大きく成功させます。
 3、実効性ある「納税者の権利憲章」の制定を
 全商連は、60年の歴史と運動の到達を踏まえ、「納税者の権利憲章」(第2次案)を提案します。この憲章案を広く国民合意にする運動は、次の意義があります。
 (1)税務行政における適正手続きの法制化に道を開き、主権者である納税者が税務行政と対等な関係を確立する力となります。(2)中小業者に人権を保障する自家労賃の実現など民主的な税制改正にもつながるものです。(3)調査や徴収、権利救済におけるあらゆる局面で税務行政の横暴から国民の生命と財産を守る力になります。(4)納税者番号制やインボイスの導入などにより全国民のあらゆる情報を管理・支配する体制の歯止めとなります。(5)労働者を含め広く国民の自主申告権を確立し、税務行政に対する国民の監視と税金の使い道に対する意識を高揚させます。
 この五つの意義を全会員の確信にするために、すべての民商が学習し討議します。
 広く業者団体や労働組合にも呼びかけ、税理士や弁護士など専門家を交えたシンポジウムや懇談会を開催します。権利憲章の政府案が、真に納税者の権利を守り、実効性のあるものになるよう働きかけを強めます。
 4、平和と民主主義の擁護・発展を
 菅民主党政権が、尖閣諸島の問題や北朝鮮による韓国砲撃などを利用して、日米軍事同盟をいっそう深化させようとしていることは重大です。日本政府に求められるのは、尖閣諸島が日本の領土である歴史的事実を国際社会に積極的に明らかにし、自主独立の立場で平和外交を貫いて紛争を解決することです。
 「米軍基地を撤去して地域振興を」の世論と運動を広げ、米軍への「思いやり予算」の縮小・廃止を求めます。PKO法の武器使用基準や武器輸出三原則の見直しを許さず、改憲や戦争する国づくりに反対する国民共同を広げます。
 消費税増税反対など、国民の要求を2大政党の枠内に抑え込もうとする衆議院比例定数削減に反対します。政治買収につながる企業団体献金の禁止や、憲法違反の政党助成金の廃止を要求します。
 2010年日本平和大会・イン佐世保(12月2〜5日)の成功に貢献します。

三、組織建設の重点
 1、年末、年度末の増勢に挑戦し、拡大の高揚を
 この間、第1回理事会決議に基づき、旺盛な対話と相談活動を推進し、第49回総会時勢力の回復・突破をめざしてきました。署名賛同で結びつきを強め、相談活動で民商への信頼を広げるなか、10月は読者増勢にあと39人まで迫りました。全国586のすべての民商が規模や置かれた条件の違いを超えて団結し、「減らさず増やす」毎月の持続拡大に挑戦することが大切です。
 引き続き、年末の総会時勢力回復に奮闘するとともに、第2の節目目標である「春の運動での会員増勢」に挑戦し、年度末での読者・会員の年間増勢をめざします。
 「増やす」を前面に商工新聞中心の活動を前進させ、会員の行動参加を広げます。会員が最も集まる申告期に、会員と読者に依拠して署名賛同を結集し、外に打って出る対話と紹介運動を大きく展開します。「安く、楽しく、安心」の自主計算活動に確信を持ち、相談活動の担い手を増やして拡大に結実させます。
 「目に見え、音に聞こえ、口コミと結んで」を基本として、会員に依拠した大量宣伝を立体的に推進します。新規開業や小法人へのダイレクトメール作戦、魅力あるホームページへの改善に取り組みます。拡大運動と活動改善を相乗的に進め、「仲間が増えてみんな笑顔」と「ようこそ民商へ」の二つのパンフの学習・討議を系統的に強めます。
 2、拡大を基点に、活動改善の計画に沿った実践を
 全商連創立60周年に向け、多くの民商が拡大目標と結び、活動改善の計画に沿った取り組みを強めています。相談内容を機関会議で分析・検討する組織が格段に増えるとともに、共通性の高い要求での学習会に自治体職員や銀行員、税理士などの外部講師を招き、相談活動に生かす工夫も広がっています。また民商ニュースをより多くの会員に届けるため、配達網の整備やファクス・メール・ホームページの利用が強まり、中身を充実させる検討も進んでいます。基本調査結果の検討を踏まえ、会員への激励訪問とともに、支部役員や班長から悩みも聞く中で会議の開催を援助したり、配達・集金活動の交流会を開催した民商もあります。
 「地域にどんな民商をつくるのか」を役員会で大いに深め、民商の「値打ち」を押し出す立場で、引き続き拡大を基点にした活動改善を推進します。
 多彩な相談内容とその解決の経験を、機関会議の討議から支部役員会へと広げる取り組みを強めます。会員に「集まって話し合う」機会を保障する立場で、60周年記念リーフを活用し班会や支部役員会での話し合いと定例開催を推進します。
 3、創立60周年に呼応し、組織の総合力発揮を
 民商・全商連は、その歴史的な歩みの中で、婦人部と青年部の協議会を結成・援助し、また助け合いの共済会活動を創設・推進してきました。
 今日、婦人部協議会は屈指の女性団体の一つに成長するなかで、業者婦人の苦難に心を寄せた活動を推進し、所得税法第56条の廃止をめざす運動でもけん引車の役割を果たしています。また青年部協議会は、まともな報酬を得られない不安定雇用がまん延する時代にあって、新規開業や事業承継に魅力と可能性を見出そうとする若い世代を励まし、地域経済振興をめざす新たな共同と連帯を広げる上でも貴重な存在になっています。全商連共済会は、不当な保険業法規制から制度と組織を守り抜くとともに、いのちと健康を守る活動を通じて助け合いという民商運動の原点を実感し合う力になっています。
 大切なのは、こうした婦人部、青年部の独自活動と共済会の活動発展を強めつつ、全商連創立60周年に呼応して、総合力が発揮されるようにすることです。
 「読み、増やし、配達し、集金し、通信を送る」商工新聞中心の活動に民商の総合力を結集する取り組みを強めます。婦人部や青年部、共済会の役員会開催を援助するとともに、家族一人ひとりの要求を大切にしつつ、みんなで力を合わせて困難を解決できる民商運動の前進をめざします。

四、心を集める財政活動を
 年末を目前に、経営と暮らしがかつてなく厳しくなっているだけに、特別の体制をとって、すべての会員への訪問を強めます。
 未収になっている会員ほど困難を抱えており、民商からの働きかけが待たれています。訪問を強めるなかで、税金・社会保険料の支払い困難や家賃滞納、多重債務の実態があることが分かり、相談に乗って問題を解決して、元気を取り戻す例も生まれています。
 訪問活動のなかで、集金活動を「心を集める活動」として推進し、年末・年度末に向けて、会費や商工新聞代などの未収克服に全力を挙げます。同時に、民商の財政が会費と商工新聞代で支えられており、民商活動に有効に生かされていることも話し、財政活動への理解を広めます。
 役員会では、時間をとって、基本調査をもとに未収克服の課題などを議論します。また、「5点改善」など財政活動の基本に立ち返り、財政活動強化のための具体的な改善に取り組みます。

   
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