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  トップページ > 婦人部 > 全国商工新聞 第2947号 10月18日付

婦人部
 

所得税法56条廃止 意見書採択=富山県、東京・八王子、長崎市

 「家族従業員の働き分を認めてほしい」と各地の民主商工会(民商)婦人部・県連婦人部協議会(県婦協)は「所得税法第56条」の廃止を求める運動に奮闘。多くの自治体で国に対する意見書の採択を実現しています。

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採択を喜ぶ、富山県婦人部協議会の婦人部員

業界団体にも賛同広げ
全国6番目の採択=富山

 富山県議会は9月29日、「所得税法の見直しを求める意見書」を全会一致で採択しました。富山県婦協の働きかけが大きな力となり議員を動かし、県段階では全国6番目となる採択につながりました。
 富山県婦協会長の田中節子さん=鉄工所=は「黒部市、魚津市に続き、富山県の採択は大きな力になります。引き続き富山市での採択が上げられるよう頑張ります」と力強く語っています。
 09年3月に、全商連婦人部協議会(全婦協)の牧野由子事務局長を講師に所得税法56条廃止に向けて学習会を行い、09年12月議会に「所得税法56条の廃止の請願書」を提出しましたが、否決されました。「何とかしなくては」と役員会で話し合い、今年6月の県議会に向けて富山県商工会連合会をはじめ業者団体への働きかけや富山市選出の議員の自宅訪問、議会の会派回りをしました。しかし、議会提出に間に合わず、6月議会は見送ることになりました。
 9月議会に向け、日本共産党の火爪弘子議員に相談し、自民党県連の上田英俊政調会長との懇談を持つことができました。
 田中県婦協会長と源みゆき県婦協副会長=造園・鉄工、保正邦昭県連事務局長は8月29日、所得税法第56条廃止に関する請願書と意見書案、全国で採択されている自治体の一覧表を持って自民党県連と懇談しました。
 上田政調会長は「党の方で検討させてもらいます」と応答。業者婦人の商売の様子を話すと、「自分の実家も床屋で大変だ」と話してくれました。議会では意見書の内容を共産党と自民党が検討し、「所得税法の見直しを求める意見書」として採択されました。

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本会議後、日本共産党議員と懇談する、八王子民商婦人部

7会派に要請・懇談、日本共産党提出議案で可決
=東京・八王子

 東京・八王子市議会は9月27日、「所得税法第56条の廃止を求める意見書」を採択しました。八王子民商からは6人が本会議を傍聴。婦人部副部長の小熊綾子さん(73)=理容=は夫婦そろって参加しました。「私たちが提出した陳情が可決されたことは、八王子民商婦人部始まって以来の快挙です」と喜びを語ります。08年、婦人部は初めて市議会7会派に56条廃止の要請行動をしました。初めて自分たちの言葉で「所得税法56条廃止」を訴えました。
 継続審議になったものの日本共産党との懇談を重ね、今年9月議会で「議員提出議案」として本会議に上げられました。婦人部長の高橋君江さん(76)=プラスチック加工=は「本当にうれしい、今までの苦労が報われた」と喜びます。小熊副部長は「力を合わせ運動していくことが業者婦人の地位向上の実現につながる」と確信を深めています。
 本会議の後、共産党市議団と懇談。「保守派といわれる八王子市での『所得税法第56条廃止』の採択は、八王子民商と婦人部の粘り強い運動と世の中が変わってきた表れであり、正当な要求だからこそ反対意見が出されず、採択となった」と意見を交わしました。

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長崎市議会総務委員会で趣旨説明する出口婦人部長(左)と庄司県婦協会長(右)

長崎市議会で直接訴え
運動の成果に涙=長崎

 長崎民商婦人部が提出した「所得税法第56条の廃止を求める意見書採択を求める請願」が9月24日、長崎市議会で採択されました。
 9月17日の長崎市議会総務委員会で、長崎県婦協会長の庄司秀子さん=民芸・喫茶=と、長崎民商婦人部長の出口俊子さん=不動産=が参考人として出席し、意見書の趣旨説明をしました。
 庄司県婦協会長は「諸外国では自家労賃を必要経費として認めている」と説明し、全国の自治体の採択数を示しました。
 出口婦人部長は「自分の働き分が給与として認められていない、事業主の所得から控除される働き分は86万円。時給に換算すると長崎県の最低賃金629円より安い294円です。働いた分を正当に対価として認めてほしい」と訴えました。
 本会議には長崎民商婦人部の仲間7人が傍聴しました。採択の瞬間には喜びと涙がこみ上げてきました。
 出口婦人部長は「20年近く56条廃止の運動にかかわり、たくさんの人たちに56条廃止を訴えてきました。多くの婦人部の力と行動の成果です」と喜びを語ってくれました。



所得税法第56条問題
 「配偶者とその他の親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」(条文要旨)とし、家族が従業した場合は、その給料は税法上では必要経費に認められず、すべて事業主の所得に合算されます。
 事業主の所得から控除されるのは、配偶者が年間86万円、子が50万円。住宅ローンが組めないなど事業継承の障害、国民健康保険に傷病手当や出産手当が支給されない根拠の一つにもなっています。

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