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婦人部
全婦協の「実態調査」まとまる
格差広がり改悪消費税が営業脅かす
業者婦人の要求実現への「運動調査」に
厳しい情勢はね返す力があることを示す
 全商連婦人部協議会(全婦協)はこのほど、第11回全国業者婦人実態調査の結果をまとめました。今回は、業者婦人の要求を実現する「運動調査」としてとりくみ、4月から6月末の実施期間に、1万8000人を超える調査表を集め、そのうち1万7135人分を分析しました。

 今回の調査の特徴は、小泉「構造改革」によって、(1)「格差」が広がっていること(2)改悪消費税法が営業や生活を脅かしていること(3)金融政策が貸し渋りや選別融資を加速させていること(4)営業だけで生活できず、約3割がパート・アルバイトで補てんしていること(5)国保滞納者の半数が正規の保険証を取り上げられていること‐などです。
 業種は、建設関連、サービス、料理飲食、卸・小売、製造・販売の順に多くなっています。なかでもサービス業は、福祉・医療・介護、環境、ITなど新しい分野の定着が見られます。


所得格差が拡大
 05年の売り上げは対前年比で「やや伸びた」「非常に伸びた」が12・1%と、前回より2・5ポイント増加。「減った」「非常に減った」は、前回より8ポイント減少。「横ばい」が9・4ポイント増加となっています。
 所得では、200万円未満が32・2%(前回28・9%)と増加するとともに、1000万円以上も6・5%(前回5・2%)と微増。200万〜1000万円未満は、減少しています。
 利益では、赤字が44%、収支トントンが増加。赤字は所得額300万円未満に多く、業種的には、「料理飲食」と「卸・小売」です。売り上げ、所得は2極化が広がっています。

改悪消費税で営業も暮らしも困難に
 改悪消費税法による新規課税業者の税額負担は、「20万円未満」34・3%、「20万〜50万円未満」47・2%、「50万〜100万円未満」7・2%と、新たな税負担によって1〜2カ月分相当の生活費が消えています。
 簡易課税の縮減で約半数近くが税額を倍加させられています。
 消費税の納税状況は、分納・滞納を合わせて14・4%が払えない状況に追い込まれています。
 消費税を売り上げに転嫁できない人は、51・6%(前回53%)。所得額1000万円以上の人は71・6%が転嫁しているのに対し、所得200万円未満では26・3%にとどまるなど、小規模事業者ほど消費税の転嫁が困難であることが明らかになっています。
 消費税は「廃止してほしい」「3%に戻して」と、約8割が廃止・減率を求めています。

金融政策は貸し渋り・選別融資の拡大
 借入先では、国民生活金融公庫を抜いて、信金・信組がトップになっています。自治体融資は5ポイント減で、大きく後退。
 1年以内の借入利率は「3%以下」54・3%、「4〜9%台」25・6%、「14〜29%台」12・2%、30%以上は0・7%でした。「14〜29%台」の利用は39歳以下(16・8%)、女性事業主(17・8%)の割合が多く、業種では「料理飲食」が多くなっています。自治体融資の減少、金融機関の貸し渋り、業種や年齢・性別などの選別融資によって、サラ金・高利などから、借りざるを得ない状況が明らかになっています。

暮らしの実態について
 「営業収入だけで生活できない」が62・5%で、前回よりも増加。貯金取り崩し、年金、ほかの家族の収入援助、パート・アルバイト、借金、生命保険の解約などで生活費を補っている状況です。
 パート・アルバイトなど「家業以外」の労働時間は「なし」が67・5%、残りの約3割が、家業以外の労働に従事。
 家計を圧迫しているのは、税金、国保・年金、借金返済です。

滞納者の半数は短期保険証
 国民健康保険の加入者は、全体の約88%です。国保料(税)を払えているのは76・6%(前回75・8%)、「滞納している」は5%です。滞納がある人の約45%が正規の保険証を取り上げられています。保険証が届いていない人は6%で、医療にかかれない状況に置かれています。

地域に根ざす業者婦人
 女性事業主は、27%と前回より3ポイント増え、増加傾向が引き続き見られます。
 家族従業者が「自分で起業を考えている」は17%になり、商売に対する意気込み、チャンスや情報を集める高い意欲も見えています。
 自営業を続けるための努力については「特徴ある店」、「仕入価格の引き下げ」、「異業種との交流」など日夜努力している姿が浮き彫りになっています。
 今回の調査は商売を発展・継続させるための努力、地域に根ざして活動する姿を浮き彫りにし厳しい情勢をはね返す力を持っていることを示しました。
 今後、国や自治体に「業者婦人の実態調査」の実施を求めて運動していく上でも大きな役割を果たします。
 全婦協は今後、さらに詳細に分析し、具体的に要望を明らかにしていくことにしています。
 
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