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  トップページ > 調査 > 全国商工新聞 第3264号5月22日付
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調査 動向調査
 

17年上期営業動向調査 小規模業者ほど消費税転換嫁が困難

 全商連付属中小商工業研究所はこの程、2017年上期営業動向調査を公表しました。今期の主要(総合経営判断、売上、利益)DI(注)は、全体値で若干の改善もしくは横ばいですが、いずれのDI値も水面下にあり、中小業者の経営環境の厳しさは続いています。業種別には「改善」(3業種)と「停滞・悪化」(3業種)でくっきりと違いが分かれました。直近の事業年度の売上高が低い(事業規模が低い)中小業者ほど、消費税を完全に転嫁できず、税率10%への引き上げで、売上・利益の減少が懸念される結果となりました。

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 総合経営判断DIは43.5(前期▲51.9)、売上DI▲41.2(前期▲42.8)、利益DI▲46.7(前期▲50.3)、単価・マージンDI▲15.9(前期▲18.6)、原材料・商品の仕入れ値DI44.9(前期42.8)でした。
 「改善」した3業種は、食料・繊維・木製品・印刷関連製造業と宿泊・飲食業、サービス業で、主要DIがいずれも2桁改善しました。「停滞・悪化」した3業種は、建設業(建築設計含む)、金属製品・機械器具製造業、流通・商業。特に金属製品・機械器具製造業の落ち込みが顕著で、総合経営判断DIは56.7(前期▲51.5)、売上DIは▲44.9(前期▲42.1)、利益DIは▲56.3(前期▲47.1)と9.2ポイント下がり5連続で悪化しました。
 今期の特徴は、リーマンショックから2年半後の11年上期の調査以降、主要DIの全体値を常に上回っていた金属製品・機械器具製造業が、全体値を下回ったことです。建設業(建築設計含む)も、これに近い動きを示しています。
 「改善」した3業種がこの間とった主な経営上の対策を見ると、「得意先・親企業との交渉」「営業活動の強化」「販売価格(単価)の引き上げ」に奮闘している様子がうかがえました。また「停滞・悪化」の3業種が抱える経営上の困難点については、特に「仕事・顧客の減少」「競争の激化」「経費の増大」が高い結果を示しました。
 消費税については、「完全に転嫁できていない」(「一部しか売上・単価に転嫁できていない」「ほぼ転嫁できていない」「全く転嫁できていない」の3区分の合計)割合をみると、直近の事業年度の売上高1000万円未満で60.5%、同1000万円〜1500万円未満で55.0%、同1500万円〜2000万円未満で33.9%、同2000万円〜3000万円未満で41.6%、同3000万円〜5000万円未満で28.3%などとなっています。
 売上階層が低いほど、完全に転嫁できない傾向となっており、とりわけ小規模事業者は転嫁が極めて厳しい状況にあることが分かります。
 また、「消費税が10%になった場合、商売にどのような影響を及ぼすのか」との問いには、直近の事業年度の売上高が2000万円未満までは「売上が減る」との回答が高く、売上高が2000万円を超えると「利益が減る」との回答が高い結果となりました。「利益が減る」との回答は売上高1億円以上が最も高く40.8%に上りました。また、「廃業を考えざるを得ない」は、売上高1000万円未満では15.7%に及びました。
(注)DI 業況等が「良くなった」から「悪くなった」を差し引いた数値

全国商工新聞(2017年5月22日付)
 
 

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