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  トップページ > 調査 > 全国商工新聞 第3241号11月21日付
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調査 動向調査
 

16年下期営業動向調査 建設業の落ち込み際立つ

値引き強要が増加
 全商連附属・中小商工業研究所はこのほど、「2016年下期(9月)営業動向調査」をまとめました。重要指標の総合経営判断、売上の各DI値(※)が落ち込み、利益DIはほぼ横ばい。全体の景況は停滞傾向にあります。とりわけ建設業(建築設計含む)では、いずれもDI値が2桁落ち込むなど際立っています。また多くの中小業者は消費税を売り上げ・価格に転嫁できず、10%への引き上げでさらなる売上減・利益減が予測されています。

全体の景況は停滞傾向
消費税転嫁できず4割

図1、図2、図3

 総合経営判断DI値は▲51・9(前期▲47・6)と4・3ポイント悪化。流通・商業、宿泊・飲食業で若干の改善はしたものの、サービス業はほぼ横ばい。一方、建設業(建築設計含む)、食料・繊維・木製品・印刷関連製造業、金属製品・機械器具製造業の3業種が悪化しました。
 売上DI値は▲42・8(前期▲41・3)と1・5ポイント減少。際立ったのは建設業(建築設計含む)で、14・3ポイントと2桁の減少。宿泊・飲食業は10・9ポイントの2桁増加となりました。
 利益DI値は▲50・3(前期▲50・8)とほぼ横ばい。しかし建設業(建築設計含む)は12・2ポイント減少するなど落ち込みが際立っています。一方、流通・商業、宿泊・飲食業、サービス業の3業種は増加しました。

 落ち込みが際立った建設業(建築設計含む)の経営上の困難点を見ると(図1)、最も回答が多かったのは「仕事・顧客の減少」(47・9%)で、「消費税問題」(42・0%)、「低い下請け単価」(30・8%)と続き、「競争の激化」、「経費の増大」の回答も増えています。また、取引先から値引き強要については(図2)、「時々、強要される」が60・7%から66・4%に上昇するなど、経営環境の厳しさをうかがわせています。
 消費税の影響では、最近の取引の消費税の転嫁状況については「完全転嫁できていない」が全体で43・3%に。消費税率が10%になった場合の経営見通しでは(図3)、「売り上げが減る」は45・9%(「売り上げが大幅に減る」11・8%を含む)に上り、「利益が減る」と回答したのは31・3%と3割を超えました。
 「ひとこと」欄でも「仕入れが上がり続け、経営に余裕がない。借金返済にあっぷあっぷ。消費税を5%に戻して」(60代のスナック経営者)、「消費税が上がる分、価格が上がるので買い控え、客数の減少、売り上げは減るばかり」(60代、衣料品小売り)などの声が寄せられています。
 また、「インボイスが導入されれば事務作業が複雑になり、課税が強化されると営業も危ぶまれるのでは」などの不安も寄せられています。  政府は、消費税10%への引き上げを2019年10月に延期しましたが、今期も多くの中小業者は消費税を価格に転嫁できず、身銭を切って(利益等を削って)納税しているのが実態です。  調査時期は2016年8月24日〜9月23日まで。707人から回答が寄せられました。

※DI値とは  前年同期に比べ、「増加」「好転」したとする企業割合から、「減少」「悪化」したとする企業割合を引いた数値のこと。

全国商工新聞(2016年11月21日付)
 
 

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