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  トップページ > 国保・年金のページ > 国民年金 > 全国商工新聞 第2921号 4月5日付
 
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国保税・3人家族で約6万円引き下げへ=中標津町


 北海道・中標津(なかしべつ)町議会は3月18日、国保税額が年所得270万円の3人家族で約6万円引き下がる国民健康保険税条例の改正案を可決しました。08年以来、釧路民主商工会(民商)中標津支部は国保税引き下げを求めて運動。請願署名を進め、被保険者の1割に迫る836人分の署名を提出するなど、世論を広げたことが実りました。

 中標津町議会で可決した改正案は、国保税の賦課項目(所得割、資産割、均等割、平等割)のうち資産割を廃止します。資産割は固定資産税の39%(医療分、後期高齢者医療支援分、介護分の合計)に上っていました。
 仮に10万円の固定資産税を課税されていた世帯では3万9000円の引き下げになります。

中標津町の国保税の計算

 全世帯が対象
 所得割等も引き下げ(上の表参照)となることから、資産割のない世帯も2万円程度の引き下げになります。財源には1世帯当たり12万円になる国保積立金を今後3年間取り崩すとしています。

 国保が高いの声
 中標津支部の引き下げ要求運動は08年、確定申告時に多くの会員から「国保税が高い」との声が出たのを受けて始まりました。
 同年10月に学習会を開き、町の国保の実態を学習。06年度の保険者1人当たりの平均額は道内第5位の10万8444円で、年収300万円(所得192万円)の4人家族の場合、年37万円に上っていることが明らかに。また、175世帯で国保証を取り上げていました。

 3億円の基金が
 08年11月には町と交渉。約3億円の国保基金があることが明らかになり、それを取り崩せば引き下げは可能なことがはっきりしました。
 支部長のSさん=家電販売・修理=は「学習会と交渉を通じて、『こんなに高いと思わなかった』『何のための積み立てか』と驚きと怒りの声が、みんなから出された。実態を町民に訴えれば支持は得られると、署名1000人分を集める機運が盛り上がった」と振り返ります。

 良い署名と歓迎
 中標津町の人口は約2万4000人。酪農が産業の中心で、住宅が集中する地域も少ないことから、署名は主に戸別訪問して集めました。資料を示して説明すると「5番目に高いんだってね。署名を待っていた」「良い署名だ。自分も協力したい。署名用紙をくれ」など、快く協力してもらえました。
 地域の子育て支援活動をしている婦人部のMさん=自動車修理=は、運営する子育てコミュニケーションスペース「るるる」に署名用紙を置いて、協力を求めました。Mさんは「農協が国保税の納付を代行しているために、農家は否応なく国保税を負担しなくてはなりません。多くの人たちが『下がれば助かる』と協力してくれました」と話します。
 中標津支部は3カ月で被保険者約9800人の1割に迫る836人分の署名を集め、09年2月に町議会に提出しました。

 議員も「高い」
 S支部長は各議員宅を訪問し、紹介議員になってもらうよう要請。議員の多くは農家や自営業で、国保加入者であり、「自分も高いと思っていた。研究したい」と歓迎されました。6月議会では不採択となりつつも、「国保基金などを活用し、引き下げに向けて検討するよう要望する」と、実質的に請願趣旨に沿う意見が付けられました。
 S支部長は「署名活動を始めたときは効果があるのか不安でしたが、要求が実現し、取り組んで良かったと思います。国保税が下がって、町のみんなが喜んでくれればうれしい」と話しています。

   
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